俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

脂の旨み

2008-04-08 15:21:17 | Weblog
 甘さと脂の味は原始的味覚を刺激するようだ。子供は甘さと脂味を旨いと感じる。子供は揚げ物が大好きだ。
 ミートホープでは牛の脂を混入して豚や鶏の肉を牛肉と偽装していたが、松阪肉の脂肪を混ぜるだけでクズ肉が旨くなるらしい。
 西洋料理も中華料理も脂の旨さに頼っているという意味ではレベルが低い調理方法だ。一方、日本料理は世界に類の無い脂に頼らない料理として世界に誇れる。「焼く・煮る・蒸す」には脂を使わない。ヘルシーという意味だけではなく脂で味を誤魔化さず素材の味を引き出すという技法はもっと高く評価されるべきだろう。
 脂の旨みは麻薬のようなもので、それに魅せられて死に至ることもある。それまで脂の旨さを知らなかった徳川家康は鯛の天麩羅を食べ過ぎて死んだと言われている。脂味の快感が脳を麻痺させてしまって食べ続けることをやめられなかったのだろう。

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