俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

弱者

2013-09-13 10:15:11 | Weblog
 母の友人が旅行先で軽い障害を起こして車椅子を使った。その時、何もかもが至れり尽くせりであることに驚いたそうだ。ただの80代の女性なら放ったらかしにされるのに車椅子を使えば駅員総出でのV.I.P.待遇になる。これはどこかおかしいのではないだろうか。
 80代の老人がヒーヒー言いながら階段を上がっていても知らん振りをしているのに車椅子の人なら無条件でV.I.P.扱いになるというギャップの大きさは一体何なのだろうか。多分、二分割法が原因だろう。健常者と障害者に二分するからその中間は軽視される。
 これは障害者に対する対応だけではない。心身喪失者は罪に問われないが心身耗弱者に対する対応は行き当たりばったりだ。最貧者は生活保護を受けられるがワーキングプアは放置される。
 消費増税時の低所得者対応は極め付けの愚策だ。住民税の非課税世帯に現金を給付するらしい。主に2つの理由から私は大反対だ。
 非課税者は2種類ある。貧しい人と脱税者だ。脱税者も2種類ある。正業の脱税者と、暴力団や売春婦などの非合法事業者だ。非合法事業者はたとえ納税したくてもできない。自ら非合法活動をしていると認めることになり確実に刑罰の対象になるからだ。政府はこんな連中に現金を支給する気なのだろうか。
 もう1つの理由は手続きだ。ホームレスの大半が非課税者であり給付対象となる筈だ。しかしどうやって審査をするのだろうか。多分その審査のために給付額の何倍もの経費が必要になるだろう。
 こんな馬鹿なことをせずに低所得者減税をすれば済むことだ。課税対象額を引き上げるか税率を引き下げるだけで多くの低所得者が救済される。それ以下については小額を別途手配すれば良い。
 最弱者ばかりを優遇するのではなく、弱者総てがその度合いに応じて適切なサービスを受けられるようにするほうが合理的だ。サービスのギャップが酷いから贋障害者が現れる。贋盲人や贋車椅子の人の多くは多分軽度の障害者だろう。軽度の障害者は無視されて重度の障害者ならV.I.P.待遇を受けるという妙な仕組みになっているから軽度の障害者が重度であるかのように装いたくなる。悪しき二分割法の弊害だ。

 

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