俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

リスク

2013-09-15 10:37:28 | Weblog
 私はリスクの大きいこととして薬と自転車を挙げる。食品添加物や残留農薬や遺伝子組替作物や中国産野菜やBSEなどはリスクの小さいものと考える。マスコミはリスクの大きいものを報じるべきであり小さいものを針小棒大に騒ぎ立てるべきではない。
 薬や自転車の事故は無数に発生している。薬の事故は最近では子宮頸癌ワクチンとカネボウの美白化粧品しか騒がれていないが風邪薬などによる薬害は驚くほど多発している。タミフルだけが危険な訳ではない。
 自転車も事故が多過ぎるから、近頃は加害者になるケースしか報道されないほどだ。実際には被害者になるケースのほうが圧倒的に多い。道路交通法および専用レーンなどの不備が原因だ。自転車がどれほど危険かを知って貰うために政治家のセンセイ方に自転車通勤をお勧めしたい。
 その一方で食品添加物以下に挙げたものによる被害者は殆んど皆無だ。商売第一のマスコミと一部の人が危機を煽っているだけだ。確かに中国製冷凍餃子事件があり、これは農薬と中国製の両方を満たしているが、事件であって事故ではない。特定の個人による犯罪だ。これを根拠にして中国製や農薬が危ないと言うのは、パンに針が刺された犯罪を根拠にして「パンと針が危ない」と騒ぐようなものだ。
 何にでもリスクは伴う。大切なのはそのリスクが大きいか小さいかを判別することだ。2001年の9.11同時多発テロの直後、アメリカ人は飛行機を怖がって自動車で長距離移動をする人が増えた。それが招いたのは交通事故の激増だった。
 警戒すべきなのはリスクが大きなものだ。リスクの小さなものを騒げば危険なものが放置される。最も身近な危険物は風邪薬だと思うのだが、マスコミは問題にしないどころかCMという形を取って奨励している。困ったことだ。

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