こんにちは「中川ひろじ」です。

一人ひとりが大切にされる社会を共につくります。

TPPと私たちの食・農・くらし 鈴木宣弘東京大学教授 食の安全その3

2016-04-30 19:39:19 | TPPと私たちの食・農・くらし
食品添加物の基準緩和や表示の問題
もう一つ、うそがばれた。輸入農産物に使用される防腐剤や防カビ剤などのポストハーベスト(収穫後)農薬についても日本の基準が厳しすぎるからもっと緩めるよう米国から求められ、日米2国間並行協議の項目に挙げられていた。日本では収穫後「農薬」は認めていないので、米国のために「食品添加物」に分類したのだが、こんどは、そのため食品パッケージに表示されることが米国の輸入食品の販売を不利にするとして、防カビ剤などの食品添加物としての審査をやめるよう要求され、すでに、2013年12月に日本が米国の要求に対応したと米国側文書に記されていたが、日本側は誤報とし、米国も「訂正する」としたが、案の定、付属文書において、並行交渉の結果として、衛生植物検疫(SPS)関連で、「両国政府は、収穫前及び収穫後に使用される防かび剤、食品添加物並びにゼラチン及びコラーゲンに関する取組につき認識の一致をみた。」と記されている。やはり隠していただけであった。
つまり、輸入畜産物・穀物は、成長ホルモン、成長促進剤、GM、除草剤の残留、収穫後農薬などのリスクがあり、まさに、食に安さを追求することは命を削ることになりかねない。このような健康リスクを金額換算して上乗せすれば、実は、「表面的には安く見える海外産のほうが、総合的には、国産食品より高い」ことを認識すべきである。そこで、外食や加工品も含めて、食品の原産国表示を強化することが求められるが、表示に関連しては、「国産や特定の地域産を強調した表示をすることが、米国を科学的根拠なしに差別するものとしてISDSの提訴で脅される可能性もある。要するに、「米国企業に対する海外市場での一切の差別と不利を認めない」ことがTPPの大原則なのである。TTIP(米EUのFTA)でも米国はEUのパルメザンチーズなど地理的表示を問題視している。ところが、米国自身は食肉表示義務制度で原産地表示を義務付けている。さらに、これがカナダとメキシコとから不当差別としてWTO(世界貿易機関)に訴えられ、米国が敗訴する皮肉な事態になっている。つまり、そもそもTPPのみならず食料の原産地表示の困難性が増してきている事態は深刻である。
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4月29日

2016-04-29 20:19:23 | 活動日誌
朝10時からチロルの森で開催された塩尻地区メーデーに社民党を代表して出席しました。天気は良かったのですが、今日は一日風が冷たかったですね。先日お話を聞いたチェルノブイリ連帯基金の鎌田理事長の言葉を紹介しながら来賓の祝辞を述べました。

塩尻地区メーデーに参加された方は、メーデー終了後チロルの森で家族と過ごすようにしています。熊本の地震、東日本大震災へのお見舞いを申し上げながら、災害や戦争があると、いまある平穏な日常のありがたさを感じる。鎌田先生は医療支援を行っているイラクで信州の長寿の秘訣を伝えてるという。「塩分を取りすぎない」「体内にある放射能を代謝するため、野菜とたくさん取ること」「歩くこと」「生きがいをもつこと」の4つ。

特に歩くことを勧めている。「今週は自分の健康のために歩いてみよう。来週は家族や仲間の健康を考えて歩いてみよう。次の週は命のことを考えて歩いてみよう。その次の週は誰の命も大切であることを考えて歩いてみようと」平和を守ると言えば、それぞれの平和を守るために対立が生まれる。でも健康のことならだれでも一緒に考えられる。健康・命・平和はつながっている。

塩尻地区メーデーの後は、ご招待をいただいている松本歯科大学の観桜会。歯科大の八重桜は毎年見事な花を咲かせます。ですが、今年は早く咲いたため葉桜を楽しむこととなりましたが、それはそれで風情のあるものです。


午後は、松本駅前で「戦争をさせない1000人委員会」の街頭宣伝。安保法制の廃止を求める2000万人署名ハガキを配りながらお話をしました。

 
1994年に発刊された『女学生たちの太平洋戦争』という本があります。太平洋戦争のさなか、当時女学校に通っていた生徒たちは学徒動員で工場へ働きに行っていました。青春が戦争にかき消された当時の出来事や思いが書き記されています。編集の一人は岡谷市議の遠藤まゆみさんのお母さんで、遠藤さんからいただきました。少し読み始めて、「ああ、これは読書会をしたいな」という思いました。
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TPPと私たちの食・農・くらし 鈴木宣弘東京大学教授  3、食の安全その2

2016-04-29 08:34:58 | TPPと私たちの食・農・くらし
BSEなどの食の安全基準は守る?
BSEは2013年2月1日(国会決議の1か月前)にすでに輸入条件を緩和してしまい、防腐剤・防カビ剤のさらなる緩和は日米2国間並行協議の重要項目にされ、対応した。遺伝子組み換え(GM)食品の表示をさせない方向についても、米国のTPPの農業交渉官の一人はバイオメジャー大手M社の前ロビイストであるから「推して知るべし」である。米国では大企業幹部と政府高官とは「回転ドア」人事で一体化している。
BSEについては、 2011年11月に、当時の野田総理がAPECのハワイ会合で、日本がTPPに参加したいと表明したが、その1ヶ月前の2011年10月に、BSEの輸入制限を20ヶ月齢以下から30ヶ月齢以下への緩和を検討すると表明した。なぜ、このタイミングなのかというと、ハワイで参加表明するときの米国へのお土産だった。そのあとは、「結論ありき」で着々と食品安全委員会が承認する「茶番劇」である。
24カ月齢の牛からもBSEは出ているし、米国のBSEの検査率は1%未満で、検査していないからBSEが出ていないたけである。最終的には、屠殺の段階で危険部位が確実に除去されることが不可欠だが、屠殺体制も不十分だから、危険部位が混じった牛肉がしばしば入ってきている。だから、国民の健康を守るためは、20カ月齢で切るのは必要だと思われるが、米国のお土産のほうが優先される。
筆者らが、「米国が日本に対して従来から求めてきた様々な規制緩和要求を加速して完結させるためにTPPをやるのだから、医療や食の安全が影響を受けないわけはない。かりにTPPの条文に出てこなくとも、TPPの交渉過程での取引条件などとして、過去の積み残しの規制緩和要求を貫徹させようとするのが米国の狙いだ」と指摘してきたとおりである。そのために、2国間の並行協議をセットさせられたのである。

遺伝子組み換え(GM)食品のさらなる拡大
バイオメジャーM社などはGM種子をさらに拡大していくために、TPPをテコに、GM食品の表示をなくすことに力を入れている。フランスのカーン大学におけるM社のGMトウモロコシのラットへの給餌実験(2012年)で、これまでは3ヶ月の給餌で異変はないとして安全との判断をしていたが、ラットの一生分にあたる2年間給餌すると痛々しいガンの発生が確認された(青森の平飼い養鶏でも輸入トウモロコシでガンによる突然死が増えたという)。ラウンドアップ(強力な除草剤)をかけても枯れないGMトウモロコシの残留毒性も調べられた(日本でもラウンドアップを使っているではないかと言われるが、畦の草取りに使うのであって、それを作物にかけるなど考えられないが、GM作物にはそれがかけられているのである。しかも、耐性雑草が増えてきたため、米国では残留基準が緩められ、さらに散布量が増えている)。
この実験に対しては、「実験方法に不備があるので発ガン性の根拠にはならない」と日本の食品安全委員会も否定したが、いまだに不備を是正した実験での証明は行われていない。不備を是正した実験で大丈夫という論文を投稿するのではなく、論文を掲載した学会誌にモンサント社から編集委員が入り、編集委員会が一度掲載した論文をなかったものにしてしまう前代未聞の事態となった(著者が取り下げたSTAP細胞のケースとは違う)。「仏大学がやり直せば」とも言うが、この実験に4億2千万円かかった。研究者生命の危険も冒しつつ、GM種子の入手も困難な中での再実験は容易ではない。
人間はまだGM食品を10数年しか食べていないので、80年以上という人間の一生分食べ続けたらどうなるかについては、やはり「実験段階」であり、消費者が不安を持つのは当然ともいえる。そこで、せめて表示して選べるようにしてほしいと言っているわけだが、「米国が科学的に安全と認めたものを表示することは消費者を惑わすことで許されない」というのがM社=米国政府の主張である。
我が国にも、5%以上の混入については一部の品目には表示義務があり、また、「GMでない」という任意表示も認められているが、これができなくなると、消費者はnon-GM食品を食べたいと思ってもわからなくなり、結果的に、GM食品がさらに広がっていくことになる。実は、2008年に米国農務省幹部が「実際、日本人は一人当たり、世界で最も多くGM作物を消費している」と述べたとおり、米国農産物のGM比率はトウモロコシ88%、大豆94%で、日本はトウモロコシの97%、大豆の71%を米国に依存しているから日本の消費するトウモロコシの約80%、大豆の約70%がすでにGMである。これが小麦やコメも含めてさらに広がるだろう。
GM種子の販売はM社など数社で多くのシェアが占められている。トウモロコシはF1種が多く、大豆は固定種が多いが、いずれにせよ農家は、それまで自家採取してきた種を、毎年M社などの数社で寡占的なGM種子会社から種を買い続けないと食料生産ができなくなる。
しかも、M社などのGM作物の種は「知的財産」として法的に保護されているので、農家がM社のGM大豆の種から収穫した大豆から自家採取した種を翌年まくことは「特許侵害」になるのである。M社の「警察」が監視しており、違反した農家は提訴されて多額の損害賠償で破産するという事態が米国でも報告されている。農家が生産を続けるにはM社の種を買い続けるしかなく、種の特許を握る企業による世界の食料生産のコントロールが強化されていく。また、地域一帯の種子を独占したあとに種子の値段を引き上げたため、インドの綿花農家に多くの自殺者が出て社会問題化した事例も報告されている。在来種を保存しようとしても、GM作物の花粉の飛散で「汚染」され(千葉の有機栽培なたねがGMなたねになってしまったり)、自分の種と思っていた在来種ベースの種も知らぬ間にバイオメジャーから特許侵害で訴えられる(操作されたDNAに特許を取っているから)事態も数多く報告されており、世界の食料生産・消費・環境がGM種子で覆い尽くされ、バイオメジャーの思いのままにコントロールされてしまうと心配する声もある(そこで、中国とロシアはついにGM栽培・輸入禁止に舵を切った)。
さらには、全農の株式会社化には、共販や共同購入を崩し、農産物の安値買い取りと生産資材ビジネスを拡大する意図とともに、米国から迫られている、もう一つの大きな目的がある。株式会社化が「選択肢」というのは見せかけで、そうせざるを得ないように追い込まれるであろう。米国は遺伝子組み換え小麦の導入を目指しており、全農グレインがニューオーリンズに保有する世界最大の穀物船積施設での遺伝子組み換えの分別管理が不愉快でしょうがない。そのために、全農を株式会社化して丸ごと買収し、日本の食料流通の最大のパイプを握ってしまおうというのが可能性の高いシナリオとみられている。それを理解するには、あけだけ強固と思われた豪州のAWB(農協的な小麦輸出独占組織)が株式会社化したら(米国のCIAも関与)、カナダの肥料会社に買収され、1か月後にカーギルに売り払われた経過を学んでおく必要がある(注)。
なお、誤解のないように付記するが、筆者にはGMの安全性を評価できる能力はない。ただ、懸念する消費者が多数存在する事実がある以上、表示して消費者に選択の権利を残すことを否定してはならないということだ。また、ラットの実験に不備があったのなら、その不備を是正して同様の実験をして安全性を証明すべきであり、「実験に不備があったからGMは安全である」という飛躍した論理では、消費者の懸念に回答したことにはならないということを真摯に受け止める必要があるのではなかろうか。
(注) このように、農協改革にも米国の意図が大きく働いている。米国金融保険業界にとって郵政マネー350兆円を狙った「郵政解体」にだいたい目途が立った次に、JAマネー140兆円を大きな標的にした「農協解体」が本格化している。その一環として、「規制緩和」と言いながら准組合員への「規制強化」までして、JA利用者を解約させてまで資金を奪おうとしている。
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金沢・福井・富山

2016-04-28 20:27:39 | 活動日誌
社民党北信越ブロックの関係で北陸へ行ってきました。朝7時10分のおはようライナーで長野へ、30分ほど待ち時間があったので駅そばを食べる。在来線ホームの天ぷらそばは360円。新幹線ホームは500円。当然在来線ホーム。8:45分発のかがやきに乗ると途中停車駅は富山だけ、金沢に9:51着。金沢駅に隣接しているホテルの脇にあしらわれた竹の庭にタケノコが出ていました。


石川県では参議院選挙県選挙区の野党統一候補はしばた未来さんです。


続いて福井へ。福井の野党統一候補は横山たつひろさんです。


福井駅前もだいぶ変わっていました。恐竜が駅舎に大きく描かれ、恐竜のモニュメントもあります。


今朝の福井新聞で石川県にある志賀原発について原子力安全員会が活断層を指摘した記事が一面トップ記事である。


福井城を一周すると、ハナミズキのいわれが書いてありました。


富山の野党統一候補は、道用えつ子さんです。

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TPPと私たちの食・農・くらし 鈴木宣弘東京大学教授 3、食の安全

2016-04-28 17:14:36 | TPPと私たちの食・農・くらし
3.食に安さだけを追求することは命を削り、次世代に負担を強いること~健康リスクを認識すべし
このような現状において、さらにTPPを進めても、農産物関税の問題は農家が困るだけの話で、消費者は牛丼や豚丼が安くなるからいいではないか、との声に対して、いまこそ、安全保障としての食料の重要性を再確認しなくては、手遅れになることを国民に気づいてもらわないと、取り返しがつかなくなる。食料の安全保障には、量が確保できることとともに、質が確保できることの、量と質の両方の安全保障が満たされなくてはならない。
まず、質の安全保障に関して、このまま食料に安さを追求し続けることの健康リスクについての情報を共有したい。

牛肉の成長ホルモン
牛肉関税が下がり、オーストラリア産や米国産牛肉が増えると、一部で発ガン性リスクが懸念され、日本では使用が認可されていない成長ホルモン入り牛肉(ある検査では米国産は日本産の600倍の含有)の輸入がさらに増える。
EUは成長ホルモンが入っているとして米国産牛肉の輸入を拒否しているが、オーストラリア産を拒否していないので勘違いしている人が多いが、オーストラリアがEU向けについては、成長ホルモン未使用を証明しているため、輸入が認められているのであり、日本向けのオーストラリア産牛肉は、特別な場合を除き、成長ホルモンが入っている(所管官庁に確認済み)。
基準を策定するコーデックス委員会が安全と認めているのだから安全なのだという主張は、コーデックス委員会がグローバルアグリビジネスのロビーの場となっている現実と、賛成33、反対29、棄権7で成長ホルモンの安全性決まった現実(岩月浩二弁護士資料)からしても疑わしい。
EUでは、1989年に米国産牛肉を禁輸してから2006年までに、乳がん死亡率が、アイルランド▲44.5%、イングランド&ウェールズ▲34.9%、スペイン▲26.8%、ノルウェー▲24.3%と顕著に減少したとのデータもある。

ラクトパミン
ラクトパミンには成長促進剤としての作用があり、牛や豚の飼料添加物として米国・カナダ・メキシコ・オーストラリアなどでは広く使用されているが、人体に影響がある(吐き気、めまい、無気力、手が震えるなどの中毒症状が現れる。特に心臓病や高血圧の患者への影響が大きく、長期にわたり摂取すれば染色体の変異をもたらし、悪性腫瘍を誘発することもある)として、EU・中国・ロシア・台湾などでは使用を禁止し、輸入肉についても厳しく規制している(台湾は、米国からのラクトパミンを使用した牛肉の輸入は2012年に認めた)。日本では、国内での使用を認めていないが、輸入肉については残留基準値を設定しているが、検査は省略されている(まとまった情報はhttp://www.tsukishiro.com/html/2013/6-4.htmlなどを参照)。ラクトパミンについては、米国などの抵抗で、コーデックス委員会での基準値策定もできなくなっている。
消費者は、農産物関税が下がることは農業だけの問題なのではなく、国民全体の命・健康のリスクの増大につながる問題なのだということをもっと認識する必要がある。牛肉・豚肉の自給率はすでに40%であり、それが20%, 10%となってから、国産の安全なものを食べたいと言っても遅いのである。

乳製品の遺伝子組み換え牛成長ホルモン
TPPに参加すれば、米国の乳製品輸入が増加するが、それには健康上の不安がある。米国では、10年に及ぶ反対運動を乗り越えて、1994年以来、rbSTという遺伝子組換えの成長ホルモンを乳牛に注射して生産量の増加(乳牛を「全力疾走」させて乳量を20%以上アップし、数年で屠殺)を図っている。日本やヨーロッパやカナダでは認可されていない。
このホルモンを販売したM社は、もし日本の酪農家に売っても消費者が拒否反応を示すだろうからと言って、日本での認可申請を見送った。そして、「絶対大丈夫、大丈夫」と認可官庁と製薬会社と試験をしたC大学(図2のように、この関係を筆者は「疑惑のトライアングル」と呼んだ。なぜなら、認可官庁と製薬会社は「回転ドア」人事交流、製薬会社の巨額の研究費で試験結果をC大学が認可官庁に提出するからである)が、同じテープを何度も聞くような同一の説明ぶりで「とにかく何も問題はない」と大合唱していたにもかかわらず、人の健康への懸念も出てきている。
rbSTの注射された牛からの牛乳・乳製品にはインシュリン様成長因子 IGF-1が増加するが、すでに、1996年、アメリカのガン予防協議会議長のイリノイ大学教授が、IGF-1の大量摂取による発ガン・リスクを指摘し、さらには、1998年に「サイエンス」と「ランセット」に、IGF-1の血中濃度の高い男性の前立腺ガンの発現率が4倍、IGF-1の血中濃度の高い女性の乳ガンの発症率が7倍という論文が発表された。このため、最近では、スターバックスやウォルマートを始め、rbST使用乳を取り扱わない店がどんどん増えている。
ところが、認可もされていない日本では、米国からの輸入によってrbST使用乳は港を素通りして、消費者は知らずにそれを食べているというのが実態である。日本の酪農・乳業関係者も、風評被害で国産も売れなくなることを心配して、この事実をそっとしておこうとしてきた。これは人の命と健康を守る仕事にたずさわるものとして当然改めるべきである。むしろ、輸入ものが全部悪いとは言わないが、こういうこともあるんだということを消費者にきちんと伝えることで、自分たちが本物を提供していることをしっかりと認識してもらうことができる。
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私たちはチェルノブイリの教訓を引き継げるのだろうか

2016-04-26 19:18:49 | 政策・訴え・声
 

 


今から30年前の1986年4月26日、チェルノブイリ原子力発電所でレベル7の深刻な事故が起きた。原発から30キロ圏内の11万6千人が故郷を失った。それから25年後の日本の福島原発が同様にレベル7の過酷事故を起こし12万人が避難生活を続けている。私たちは、チェルノブイリの教訓を生かしているといえるのだろうか。24日、日本チェルノブイリ連帯基金(JCF)が主催して、10日前にベラルーシから帰国したばかりの鎌田實理事長のお話を聞く会が開かれた。鎌田さんの話からチェルノブイリが私たちに伝えようとしていることを考えてみました。
■30年たっても人間が住めないチェルノブイリで
チェルノブイリ原発は、放射能漏れを防ぐために石棺に覆われていますが、その石棺が30年の歳月の中で風化が始まっています。今は、その上にシェルターを被せる工事が続けられているのです。原子力発電所の事故によって、放出された「物質」は30年たっても放射線を出し続けるのです。
セシウム137の半減期はちょうど30年です。放射性物質はα線やガンマ線、中性子線を出し続け30年たってようやく半分になります。そして、さらに30年で4分の1になります。90年後にようやく8分の1になるということですから、結局人間は一生放射能と付き合うことになります。
この放射性物質が発する放射線は人体へ多大な影響を与えます。被曝量が大きければ細胞が死んでしまったり、組織の機能が奪われ、やけど・嘔吐・脱毛・著しい場合には死などの急性障害があらわれます。低線量でも人間の身体を結合している分子を数10万ボルトの力で切断し、ガンをはじめとした放射線障害をもたらします。
ですからチェルノブイリでは、年間5ミリシーベルト以上は強制避難、1~5ミリシーベルトは、住むか住まないか自分で選択しています。鎌田理事長は、事故後いったんは町に住んでいたが故郷に戻って暮らしているお年寄りに聞きました。「なぜ戻ってきたのか」と聞くと「私が若いころから住んでいた故郷だから」と答えます。「一人で寂しくないか」と聞くと、「寂しい」と答えます。故郷を失わせ、寂しさのなかで生きる老婆、原発事故がなければと思わざるを得ません。
ベラルーシは、この30年間、子どもたちに1回24日間の保養を年2回行ってきました。内部被曝しないように安全な食材を運び続けてきました。健康診断も18才未満は2年に1回、18才以上は5年に1回続けてきました。検診を行い異常が見つかれば適切な治療を施すことで95%の子どもの命が救われた事実があります。
...やるべきことをやり続けて不安をなくす努力をしてきたベラルーシ。やることをやらずに不安を大きくする日本…、この差は何でしょうか!


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20160426 チェルノブイリメモリアルデイ~原水禁

2016-04-26 19:07:46 | 政策・訴え・声
20160426 チェルノブイリメモリアルデイ~原水禁
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TPPと私たちの食・農・くらし 鈴木宣弘東京大学教授 2.TPP以前に現場の疲弊が進んでいる

2016-04-26 18:40:43 | TPPと私たちの食・農・くらし
2.TPP以前に現場の疲弊が進んでいる
TPP以前の段階で、このままの政策体系では、日本の食と農を持続的に守るのは困難な情勢になっていることを認識すべきである。それなのに、これにTPPの影響が加わっても何もしなくてよいというのはどういうことか。
我々の試算では、戸別所得補償制度を段階的に廃止し、ナラシのみを残し、生産調整を緩和していくという「新農政」が着実に実施された場合、2030年頃には、1俵(60kg)で9,900円程度の米価で約600万トンでコメの需給が均衡する。ナラシを受けても米価は10,200円程度で、15ha以上層の生産コストがやっと賄える程度にしかならない(図1)。
「岩盤」(所得の下支え)が導入される前で、資材高騰やTPP不安の影響もない2000~2005年の5年間の経営規模階層間の農家数の移動割合を将来に引き延ばすと、コメ生産は、10haないし15haを分岐点として、規模拡大は進むものの、離農や規模縮小農家の減産をカバーできるだけの農地集約が行われず、コメの総生産は15年後の2030年には670万トン程度になり(表3)、稲作付農家数も5万戸を切り、地域コミュニティが存続できなくなる地域が続出する可能性がある。だからこそ、「ナラシ」(収入変動をならす政策)だけでは不十分との現場の声を受けて戸別所得補償制度が導入されたことを忘れてはならない。

図1 所得の「岩盤」を廃止する新政策下における米価の推移の試算(円/60kg)

資料: 東大鈴木研究室グループによる暫定試算値。

一方、2000~2012年について年齢階層別の嗜好変化を、価格と所得の影響を分離して抽出し、将来に引き延ばすと、の維持が心配されるにもかかわらず、”それでもコメは「余る」”のである(表4)。そこで、コメから他作物への転換、あるいは主食用以外のコメ生産の拡大が必要ということになるが、しかし、非主食用米のうち最も力点が置かれている飼料米については、その需要先となる畜産部門の生産が大幅に縮小していくと見込まれるため(表3)、生産しても受け皿が不足する事態が心配される(一方、飼料米を積極的に導入することによって酪農・畜産の生産費削減が可能となるので、飼料米の普及が畜産の生産力を回復させる可能性も指摘されている)。

表3 品目別総生産量指数(2015年=100)
2015年 2020年 2025年 2030年
コメ 100.00 94.63 90.71 87.71
100.00 94.25 89.05 84.22
小麦 100.00 105.87 109.66 111.55
大豆 100.00 94.88 87.07 78.14
野菜 100.00 89.15 79.02 69.75
果樹 100.00 87.36 76.41 66.89
ばれいしょ 100.00 87.66 76.79 67.22
生乳 100.00 87.02 75.74 65.99
牛肉 100.00 82.12 67.92 56.55
豚肉 100.00 72.41 53.31 40.04
ブロイラー 100.00 81.76 67.19 55.60
資料:JC総研客員研究員姜薈さん推計。
注:コメの上段は2005-2010年データ、下段は2000-2005年データに基づく推計。その他は2000-2005年データに基づく推計。

消費が伸びるのは、パンなどの小麦製品、チーズ、豚肉、鶏肉である。その他は減少し、飲用乳は3割以上、コメ、みそ、しょうゆが2割以上、牛肉、果物が2割程度、野菜は堅調で数%の減少と見込まれる。総じて、生産、消費の双方がともに縮小基調を辿るが、生産の減少幅のほうが大きいため、「縮小均衡」も無理で、自給率がさらに低下するものが大半であることは事態の深刻さを如実に物語っている(表5)。中でも、豚、鶏は、最も生産縮小幅が大きい一方で、消費の伸びは最も大きいので、需給ギャップが輸入で埋められるとすれば、豚、鶏の自給率の低下は著しいものとなる。
この結果は生産資材価格高騰やTPP(環太平洋連携協定)不安の影響を含んでいない。これに、TPPでのさらなる譲歩、岩盤をなくす農政改革、農業組織の解体などが進められたら、現場はどうなってしまうのか。

表4 品目別総消費量指数(2015年=100) 
2015年 2020年 2025年 2030年
コメ 100.00 91.71 83.45 75.23
パン 100.00 104.83 109.48 114.31
麺類 100.00 101.00 101.96 102.92
小麦粉 100.00 101.85 104.05 106.03
小麦換算 100.00 102.81 105.54 108.34
しょうゆ 100.00 91.73 83.81 76.24
みそ 100.00 91.85 83.66 75.40
生鮮野菜 100.00 99.48 98.24 96.29
生鮮果物 100.00 93.78 87.34 80.68
ばれいしょ 100.00 97.75 95.17 92.43
牛乳 100.00 87.45 76.13 65.77
チーズ 100.00 108.28 116.01 123.51
牛肉 100.00 91.70 84.57 78.29
豚肉 100.00 108.64 117.12 125.84
鶏肉 100.00 109.86 119.69 130.20
資料:JC総研客員研究員姜薈さん推計。

表5 品目別自給率
2015年 2020年 2025年 2030年
コメ 98.94 102.08 107.55 115.35
99.86 102.61 106.56 111.80
小麦 9.57 9.85 9.94 9.85
大豆 5.83 6.02 6.06 6.00
野菜 71.79 64.34 57.75 52.00
果樹 36.35 33.86 31.80 30.14
ばれいしょ 60.35 54.12 48.69 43.89
生乳 64.22 60.24 56.36 52.62
牛肉 37.64 33.71 30.23 27.19
豚肉 34.46 22.97 15.68 10.96
鶏肉 49.72 37.00 27.91 21.23
資料:JC総研客員研究員姜薈さん推計。
注:コメの上段は2005-2010年データ、下段は2000-2005年データに基づく推計。その他は2000-2005年データに基づく推計。

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20160425 第439回「月曜の声」

2016-04-25 23:53:17 | 政策・訴え・声
20160425 第439回「月曜の声」
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TPPと私たちの食・農・くらし 鈴木宣弘東京大学教授 より現実的な影響試算

2016-04-25 23:44:32 | TPPと私たちの食・農・くらし
より現実的な影響試算~必要な追加予算は10年で8兆円
まず、追加的対策がない場合に、かつ、生産性向上を前提としない(生産コストは現状のまま)の場合に、どれだけの影響が推定されるかを示し、だから、どれだけの対策が必要かの順で検討すべきである。
また、影響の推定には、ブランド品は価格低下が半分といったような適当な仮定でなく、過去のデータに基づいて、輸入価格と国内価格(例: 輸入牛肉1円下落でA5牛肉は0.87円下落)、在庫水準と価格(例: コメ在庫1万トン増で米価41円/60kg下落、バター1割増で2.6%下落、脱粉は2%下落)、価格と供給量(例: 米価1%下落でコメ供給は1.162%減少)などの関連性の程度を計測し、その係数を適用することで、一定の合理性を確保して価格下落による生産量・生産額への影響を推定することができる。表1には、そのような丁寧な影響の代替的な推定手順に基づいた鈴木研究室グループによる生産減少額の推定結果が示されている。これは、H25の生産農業所得統計の全国の品目別生産額の上位100品目について、関税がゼロの花卉類などを除いて、生産減少額を推定したものを簡潔にまとめたものである。

個別に項目立てした主要品目のみでも、農林水産業の生産減少額は1兆円を超える。全体では、農林水産業の生産減少額は、農業で12,614億円、林業・水産業も含めると15,594億円程度と推定される。
さらに、産業連関分析も行うと、農林水産業の生産減少(15,594億円)による全産業の生産減少額は、36,237億円と推定される。波及倍率は2.32である。就業者に与える影響として、対象品目の生産に係る農林水産業で63万4千人、全産業で、76万1千人の雇用の減少が見込まれる。
さらに、日本学術会議答申(平成13年)によると、主として水田の持つ洪水防止機能、河川流況安定機能、地下水涵養機能、土壌浸食防止機能、土砂崩壊防止機能、気候緩和機能の貨幣評価額の合計は58,345億円にのぼる。水田面積の3.7%程度が減少することに伴って、こうした多面的機能も3.7%が失われると仮定すれば、全国における喪失額は、2,159億円程度と見込まれる。以上によって今回の政府試算が著しい過小評価に陥っていることが裏付けられる。
我々の試算では、価格下落による生産量の減少率を過去のデータから推定して生産減少額を約1.3兆円と推定したが、これから価格下落を相殺するのに必要な差額補填額を計算すると年約6,600億円と見込まれる。牛肉関税などの喪失分も考慮すると約8,000億円の追加予算が毎年必要になる。10年続ければ8兆円である。つまり、再生産が可能なように国内対策をしたと主張するには10年で8兆円規模の追加予算が必要であり、そんな予算措置は示されていないし、今後も無理であろうから、国会決議は守られたという主張は破綻している。7年後にもう一段の譲歩が半ば義務付けられているのだから事態はさらに深刻である。
国から通達を出された都道府県庁にも同情する。そもそも、「影響がないように対策をとるから影響がない」というような国の試算に準拠して、各道府県での影響額を試算し、それを踏まえての対策検討を指示するというのは、ほとんど何をやっているのか、意味不明であると言わざるを得ない。このような数字を基にしていては、TPPの影響がどれだけあるかを把握して、それに対処するための政策を検討するという本来あるべきプロセスが完全に壊されてしまう。
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