TPP合意の政府説明・対応への疑問
米国では、2015年11月5日の大統領の署名意思表示の90日後の2016年2月4日に署名、それから政府が105日かけてTPPの影響試算を出し、それに基づいて議会で5月中旬から議論する手続きと日程が明示されているのに、我が国では、TPP協定の詳細も国民に示さず、影響試算が出される前に、「国内対策」だけが先に示され、しかも、関連団体から要望を聞いたとしながら、対策も半年以上前に決まっていた。政府が考えている以上のセーフティネット政策の必要性を要請項目に挙げた団体には、政権党の幹部が激怒し、役所を通じて、政府が考えている以上のことを要請するなと事前に要請事項の削除を迫った。
そして、2015年末にやっと出された政府の影響試算は、「影響→対策」の順で検討すべきを「対策→影響なし」と本末転倒にし、いわば「影響がないように対策をとるから影響がない」と主張しているだけである。「再生産が可能に」との文言を国会決議に紛れ込ませ、「国内対策をセットで出して再生産可能にしたから国会決議は守られたと主張する」シナリオである。
年が明けて、協定の日本語版も一部出されたが、それを見ただけでは解釈は困難である。そこで、その条文の背景説明を求めると、「交渉過程は4年間秘密なので説明できない」との回答が返ってくるだろう(実際には、タイトル以外が全面黒塗りの資料を出すという国民を愚弄した異常な神経ぶりを晒した)。そして、結局、まともな説明はなされないまま、党議拘束をかけて批准するという手続きが「民主主義国家」で進められている。
米国では、2015年11月5日の大統領の署名意思表示の90日後の2016年2月4日に署名、それから政府が105日かけてTPPの影響試算を出し、それに基づいて議会で5月中旬から議論する手続きと日程が明示されているのに、我が国では、TPP協定の詳細も国民に示さず、影響試算が出される前に、「国内対策」だけが先に示され、しかも、関連団体から要望を聞いたとしながら、対策も半年以上前に決まっていた。政府が考えている以上のセーフティネット政策の必要性を要請項目に挙げた団体には、政権党の幹部が激怒し、役所を通じて、政府が考えている以上のことを要請するなと事前に要請事項の削除を迫った。
そして、2015年末にやっと出された政府の影響試算は、「影響→対策」の順で検討すべきを「対策→影響なし」と本末転倒にし、いわば「影響がないように対策をとるから影響がない」と主張しているだけである。「再生産が可能に」との文言を国会決議に紛れ込ませ、「国内対策をセットで出して再生産可能にしたから国会決議は守られたと主張する」シナリオである。
年が明けて、協定の日本語版も一部出されたが、それを見ただけでは解釈は困難である。そこで、その条文の背景説明を求めると、「交渉過程は4年間秘密なので説明できない」との回答が返ってくるだろう(実際には、タイトル以外が全面黒塗りの資料を出すという国民を愚弄した異常な神経ぶりを晒した)。そして、結局、まともな説明はなされないまま、党議拘束をかけて批准するという手続きが「民主主義国家」で進められている。