10月13日(日)
長野県議会海外調査団の一員として自民党の宮下克彦議員(諏訪市)と、長野県産業労働部滝沢次長、国際交流課竹内係長、現地でシンガポール駐在員の湯本氏と合流して、13日~19日までベトナム・カンボジアの調査を行います。
12:10松本駅発あずさー15:08新宿駅発成田エクスプレスー16:31成田空港第1ターミナル着
第1ターミナル4Fに行き、先着していた竹内さんに案内をいただき、すでに県議会の方で予約していただいてあった海外で使えるグローバルwifiを借り受け、チェックイン、手荷物を預け、出国審査を行い搭乗口へ。先に出国手続きを済ませていた滝沢次長と合流し、簡単な打ち合わせ。
19:20ANAに搭乗し一路ベトナムへ。機内食を食べ眠ろうとするが寝付けず。飛行時間は6時間弱。時差が2時間あるので、現地到着時間は23:45。ベトナムへの入国手続きに長蛇の列で1時間余。宿泊するサイゴンプリンスホテルから迎えが来ているとのことだが見当たらず、30分待ち。私たちの名前のローマ字表記の紙を持った若い男性がいて、ようやく車に乗る。ホテルに着いたのは午前2時。チェックインの際、一人100万ドンのデポジットがあった。部屋に入り荷物を整理し就寝。
10月14日(月)
現地時間で6時に起床。日本時間は8時なのでいつもなら松本駅前の街頭宣伝を終わっている頃。身体はまだ日本時間なので起きてシャワーを浴びる。ベトナムの夜明け。ニワトリがあちこちで朝の雄たけびをあげている。ホテルから見える朝焼けを撮影。
サイゴンプリンスホテルのモーニング。様々な料理が並ぶ。よくわからないので適当にお皿に盛りつける。少し味が濃い系。ミソスープがあったので、ワカメと豆腐とパクチーを入れて食べる。これは、これで美味しいかな。今日一日の動き方について、打ち合わせる。
試しに昨日着てきた服をランドリーサービスにお願いしてみた。463,000ドンは日本円で2,784円。標記の記載をして、ランドリーサービスに電話。フロントで、それでいいのか確認したが、結果として洗濯したものができていた。
9時15分にロビーで待ち合わせ。シンガポール駐在員の湯本さんと合流。あらためて打ち合わせをして、歩いてJETROホーチミン事務所へ行く。歩いて5分のところ。外は蒸し暑い。
日本貿易振興機構(JETRO)ホーチミン事務所松本暢之所長にお話を聞く。ベトナムには反日感情がなく、これまでは日本へ技能実習生などを送り出してきたが、円安と犯罪などネガティブ情報などから近年では韓国や中国が人気となっている。日本語学科が減り、中国語や韓国語を学ぶ学生が増えている。一方でホーチミン工科大学では日本語コースに450人が学んでいる。理系は日本企業を評価している。理系で学んだことを生かし社員教育で技術を高めてくれるプログラムがあると感じている。政府としては、一人当たりのGDPをあげるために付加価値の高いハイテク産業を育成したいと考えている。IT関係で5万人の育成を目指している。
長野県としてはワーカーとしての需要希望が多く受け入れ可能だが、ベトナムは日本への派遣中間手数料が高い。日本が選ばれる魅力的な労働環境が必要。
日本は介護人材不足しているので、日本語の習得と介護資格の習得を一緒にやっている学校もあり、授業料を働いてから返す制度もある。ドイツでは介護で3年間働けば医療にキャリアアップできる制度がある。
日本の青果で輸入しているのは、「りんご」「なし」「みかん」だけ。「女性の日」や「旧正月」の贈答用で1個600円で売れる。韓国からはシャインマスカット入ってきている。
議会事務局で頼んでくれたタクシーに乗って、イオン・ベトナム本社へ向かう。渋滞していて小一時間かかる。何とか12時15分に到着し、イオン内にあるお惣菜コーナーで弁当を買って食べる。少し時間があったので、店内を見て回る。長野県の「ひかり味噌」や「ナメタケ」がおいてある。先日福島県の内堀知事がトップセールできて梨が陳列してあった。韓国さんのシャインマスカットもありました。
イオン・ベトナムでは、古澤康之執行役ベトナム担当と風岡隆雄精進責任者が説明。2009年に市場調査を行ってから現在、スーパー、金融、流通、不動産などグループ会社は8社。イオンモールは1年に1カ所開店し、今年新たに4店舗展開、来年も3-4店舗を出したい。中型都市を地方都市に展開しもていく。
商品の85%から90%はベトナムのもの。ベトナムのものを日本のクオリティーをもって提供している。「いいものでも買ってもらえなければだめ」、一方で高くても売れるものがある。りんごやなし、1玉500円でも売れる。牛肉の販売、試食会を2-3か月続けてはじめて定着する。
韓国からの輸入品が多い。だんだんいいものを出してきていてレベルの差が縮まっている。韓国はサムスンのベトナム工場がベトナムからの輸出の10%を占めていて、だから青果をベトナムに輸出できている。ベトナムのWINをつくって、その見返りで日本のものを輸入する必要がある。WIN WINの関係づくりが必要だ。
次に在ホーチミン日本国領事館へ行くため市内に戻る。ベトナムはまだ雨季なので、激しいスコール。バイクの皆さんもカッパを着ている。
15:00-16:00 在ホーチミン日本国領事館へ入るのにもパスポート審査、金属探知機を通る。パソコン、スマホなどは持ち込み禁止でロッカーに預ける。
迎えてくれたのは、神奈川県から外務省に出向し副領事をしている大迫亜里沙さんと、農林水産省にいた領事の盛本恵美子さん(写真はない)。
最初に地方連絡担当の大迫さんから概要を聞く。ベトナムでは出生率が2%をきり、高齢化が進み2035年65歳以上の高齢者が15%を超える。
ホーチミン市には日本人は150人が生活している。韓国、台湾が多い。
海外からの投資の呼びかけがホーチミン市人民委員会委員長の呼びかけで行われている。
留学先が滞在費や家族の生活費まで出している国がある。
日本には稼ぎに来ることが目的だがビザの申請が厳しい。
(意見交換となった課題)
・最近のトップセールスは、9月に福島県知事がきて梨を売りチャーター便の運航をすると言った。8月には愛知県知事、大阪府知事、兵庫県知事などが来ている。
・神奈川県は黒岩知事のもとで、神奈川フェスティバルをハノイ、ダナン、ホーチミンと順に行っている。内容は文化交流、教育プログラム、経済分野のプログラム。教育プログラムでは、大学生対象に日本語のスピーチコンテストを行った。
・福岡県はハノイと協定し県庁から派遣されている。
・長野県ホーチミン市友好協定がある。大学生の交流ができないか。
・ダットは高原野菜の産地、川上村で研修を受けた人が多い。オーガニックで付加価値の高い野菜がモダンマーケットで富裕層に売れる。ウェットマーケットでは安全性が疑われる農産物が大量に出回っている。ベトナム農村開発庁と日本の農林水産省との技術協力の中には残留農薬基準も一つのテーマとなっている。
・神奈川県黒岩知事は、ハノイの要人と個人的なつながりがあり、力が入っている。神奈川県は現在ヘルスケアに力を入れている。県庁内にヘルスケア分野の「いのちみらい戦略室」がある。神奈川県としてのメリットは、人材確保につながっている。ベトナム人が多く入る厚木の県営住宅もあり、1Fにはベトナムのスーパーが入っている。神奈川が選ばれるように努力している。
・ホーチミン市からビザ取得の緩和を求められている。
・ベトナムへの観光客は円安の影響で少なく、韓国・中国が多い。
・ベトナムから日本へは、個人的なものは許されていない。基本団体で動いている。個人の場合、訪問先の招待が必要。
・生鮮食料品、一品づつ合意していく。たとえば現在「ぶどう」と「もも」が協議されているが、日本側の生産地の輸出希望をとりベトナムでの市場調査を行っている。産地は輸出のための検査費用を出さなければならない。一つ成立させるために5-6年かかるが過疎させていく必要がある。