こんにちは「中川ひろじ」です。

みんなのお困りごとが私のしごと

20220306 小出裕章さんのスピーチ@サラバ原発長野県大行進in松本

2022-03-07 09:27:37 | 小出裕章先生のお話し

 

20220606_小出裕章先生アピール

主催:脱原発信州ネットワーク・松本 @花時計公園

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20220307 この社会は子どもたちの命を守らないのか

2022-03-07 09:22:13 | 脱原発・危機管理

3月6日松本市花時計公園で行われた脱原発集会に「いわき子どもの初期被曝を追及するママの会」の千葉由美さんがスピーチをしてくれましたのでご紹介します。

 

20220606_千葉ゆみさんアピール

主催:脱原発信州ネットワーク・松本 @花時計公園

youtube#video

 

(松本大集会スピーチ)

みなさんこんにちは。福島県いわき市から参りました、千葉と申します。

この度はこのような場で、長野県のみなさんに原発事故後の現状をお伝えする機会を与えていただき、ありがとうございます。

原発事故後、私は子どもを守るためのネットワークを立ち上げ、子どもの環境の放射線量の測定、土壌汚染の調査などを行ってきました。その結果をいわき市に報告し、問題がある場合は協議の中で除染などの対策を求めるのですが、国の除染基準のハードルが高く、高濃度の汚染があったとしても除染の必要はないとされるケースがほとんどです。原発事故は国が加害側の公害問題ですが、被害を受けた自治体が加害側の定める基準に従わなければならないのはおかしなことで、被災自治体として、地域の大切な子どもたちを守るために国に権利を主張してほしいと訴え続けています。

 

原発事故が起こってから間もなく11年が過ぎようとしていますが、みなさんには事故後の福島はどのように伝わっているでしょうか。

 

伝わる情報は、「福島では原発事故が起こったけれど、復興に向けて一生懸命頑張っている」というポジティブなことが多いのではないかと思いますが、それは被害を受けた福島県も同様です。

 

毎年3月11日が近づくと東日本大震災を振り返る番組が多く放送されます。

実際に起こっていること、私たちがおかれている現状とはまったく異なる楽観的な情報に対していちいち「違う」と思うのも疲れてしまうので、この時期は自分の心を守るためにテレビを消して過ごすようにしています。

 

ところが、こんな風に思う私は福島県内でもかなりの少数派で、「福島の復興を応援してくれてありがとう」という捉え方が大多数の中でこんな風に言えば「復興に水を差す」と言われてしまうのです。

 

この国は地震大国でありながら、廃炉技術も持たないまま、無責任にたくさんの原発をつくってきました。私は被害者になり多くの痛みを味わいましたが、絶対に起こらないと言われていた原発事故が起こったことで社会が過ちに気付き、反省し、道を改めていくのだろうと、絶望と同時に希望も抱きました。

しかし、どうでしょう。あれから社会は変わったのでしょうか。

 

原発事故はまるで遠い過去の出来事のように風化し、現場近くに住む人々ですら深刻さを意識するのは難しいのですが、それは原発事故の加害側である国が事故からわずか数日後には隠蔽のための策を講じ、膨大な予算を投じてキャンペーンを行ってきたことにもよるということを長野県長野市にお住いの野池元基さんの取り組みによって知りました。

 

野池さんは「信州発 産直泥付きマガジン たぁくらたぁ」の編集長をされていますが、原発事故後「東京電力福島第一原発事故に関わる電通の世論操作を研究する会」を立ち上げ、国の関連省庁や福島県などが、原発事故への対応や復興に関係して、どんな事業を電通に委託したのかを知るために情報開示請求を行ってきました。

 

 その結果、2021年11月末までの間に150の事業があり、その総額は約300億円に達していること、その大半は広報事業だとわかりました。電通は広告代理店なので依頼主の要求に忠実なのですが、情報開示がされた契約書・報告書からはこれまで闇の中にあった電通の手法と、3・11後の国の原子力政策が浮き彫りになりました。

 

電通が地元マスメディアを指導する「安全・安心メディア発信研究会」では積極的に使うポジティブワード、使わないようにするネガティブワードが示され、ネガティブワードの1位は「子ども甲状腺検査」、2位は「中間貯蔵施設問題」、3位は「アイナメから高濃度セシウム」などと書かれています。徹底したメディア誘導、圧倒的な権力によって事故の被害は蓋をされ、美談に絡めとられ、被害者たちは疲弊し、嘘だらけの復興劇を受け入れざるを得ない現実に吞み込まれてしまったようにも感じます。そのふり戻っていく様子を悲しく見つめてきた10年でもありました

 

原発事故は国が加害側の公害問題で、自然災害とは異なる問題を抱えています。

昨年は「MINAMATA―ミナマタ―」という映画が公開されたこともあり、水俣の問題を改めて学ぶ機会を得ました。この問題に取り組んでこられた方々は、福島で原発事故が起こった時に「きっと福島も同じ道を辿るだろう」とおっしゃっていたと聞いています。

その言葉のとおり、水俣の問題を長期化させた環境省が、水俣のノウハウを生かすと言いながら福島県が主体となって行っている健康問題を扱う事業(県民健康調査)の中で検討委員の座に就き、子どもの甲状腺検査を縮小するようにと意見しているのです。これまで行ってきた検査により多くの子どもに小児甲状腺がんが見つかりました。しかし、これは原発事故による影響とは考えにくいとされています。

 

未曽有の原発事故による影響は分からないこと多いので、本来ならば長期的に見ていかなければならないのに、国は検査自体を縮小させようとし、福島県もそれに従っているという点も水俣と共通しています。他にも共通する手口はたくさんありますが、国による被害を認めない、確かめないための手口はますますの進化を遂げています。

 

原発の問題はとても複雑で、放射能汚染は目には見えないので事故の影響をどう捉えるかという心の問題にされ、市民が分断させられてしまう点が実に厄介です。

子どもは守りたいけれど、汚染があると言えば経済復興が成り立たなくなるという被災地の苦しさと、補償賠償を逃れるために被害に蓋をしたいという加害側の国の意図が合致して、事故は起こったけれど影響は大したことはなかったかのような嘘を、被災自治体が受け入れなければならないのです。

その結果、無用な被曝を強いられた未来ある子どもたちが、「これぐらいなら大丈夫」だと言い続ける社会の中で、守られることなく育ち、何が起こったのかを学ぶことすらできていないのが実情です。

 

歴史を学び、社会の構図を知ることによって、次にどんな手を打つべきかが見えることを考えると、次世代のためにも、私たちは目の前の問題だけでなく、全体像を捉えながら、次のビジョンを描いていかなければならないという責任の重さを感じます。

私たちは課せられた責任を果たすためにも、見えにくくされている厳しい現実に向き合い、声をあげ、行動を起こし続けていきたいと思っています。

みなさん、どうか私たちと共に歩んでいただけますよう、お願いいたします。

本日は、ありがとうございました。

 

 

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