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20190930 一般質問その1 有機農業の振興について

2019-09-30 18:31:11 | 食・農業

【中川】最初に有機農業の振興についてお伺いいたします。

 有機農業は、生物の多様性、生物的循環及び土壌の生物活性等、農業生態系の健全性を促進し強化する全体的な生産管理システムであるとされ、わが国では平成18年度に策定された「有機農業推進法」において、有機農業とは「化学的に合成された肥料及び農薬を使用しないこと並びに遺伝子組み換え技術を利用しないことを基本として、農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減した農業生産の方法を用いて行われる農業をいう」と定義しました。

 その後平成26年に有機農業の推進に関する基本的な方針として、有機農業の取組面積の割合を1%と目標を定めましたが、現状0.5%にとどまっています。

 そこで、まず長野県の有機農業の振興の現状と、県としての取組方針について農政部長にお伺いします。

 全国では千葉県いすみ市では、環境創造型農業の推進及び自然環境の保全・再生を通じた地域活性化を推進するため、農業関係団体や自然環境保全・生物多様性関係団体などで組織する「自然と共生する里づくり連絡協議会」をつくり、農薬や化学肥料を使わない稲作の研究がすすめられ、地場産有機米を学校給食に全量提供していることに加え、地元直売所と連携した地場産有機野菜の供給体制も構築しています。

 長野県でも学校や保育園の給食に有機野菜や有機米を使うことで生産の拡大を促す取り組みをしてはどうでしょうか。またせっかくつくった種子条例を活かし、有機栽培の伝統野菜を給食へ導入することを県として支援する取り組みを提案しますが、いかがでしょうか農政部長にお伺いします。

私は地元で有機農業に取り組んでいる三人の方からお話をお聞きしました。このうち二人は移住をされてきた方、もうお一人はUターンの方でした。お一人は「有機農業を通じて、地域とつながり、また学校でも合鴨農法が取り入れられ、学校とつながることができた」と嬉しそうに話してくれました。

もちろん大変さもあります。草取りをはじめ、虫がついたときは手が打てない状態になります。しかし野菜が健康に育てば虫がつきにくくなることから、肥料バランスや水加減などをコントロールするために仲間と土壌診断の勉強会を行っているそうです。

有機野菜を宅配している農家の方は、「〇〇さんの野菜というと、子どもが野菜を食べるんです。まるで魔法の言葉のようです、と言われて大変やりがいを感じた」とおっしゃっていました。共通しておっしゃられていたのは、「子どもたちにどんな地球環境を残すことができるのか」ということでした。

昨年12月閣議決定された「SDGsアクションプラン2019」において、有機農産物安定供給体制の構築と、気候変動・生物多様性に配慮した持続可能な農林水産業の推進のために有機農業・環境保全型農業の拡大が優先課題に位置付けられています。

そこで持続可能な社会をめざすために、有機農業拡大に向けた知事の決意を伺います。

【農政部長】有機農業につきまして2点ご質問をいただきました。まず、現状と取り組み方針についてでございます。県では平成18年に制定されました有機農業の推進に関する方針に基づきまして平成21年に第一期、25年に第二期の長野県有機農業推進計画を策定し、有機農業の振興に取り組んで参りました。その結果、本県の有機農業の取組み面積は、徐々に増加し、平成29年はおおむね520haとなっておりまして、そのうちJAS認証や国の制度を活用した取組み面積は346haとなっております。取組み方針につきましては昨年4月に策定したしました第三期の推進計画におきまして、①環境への負荷を低減する手段といたしまして有機農業の取組み拡大を推進すること、②有機農業を環境に優しい農業のひとつとして位置づけ推進すること、③推進にあたっては有機農業の実践者の取組みが多様であることから農業者の自主性を尊重すること。この三点を基本方針として取組みを進めているところでございます。
次に学校給食への有機農産物や伝統野菜の供給でございますけれども、有機農産物や伝統野菜の学校給食への供給につきましては、環境に優しい農業の推進や地域の食文化の継承、食育等で大変に意義のある取組みであると考えております。伝統野菜につきましては松本一本ネギや木曾の王滝蕪等、現時点では11の市町村におきまして10種類を超える伝統野菜が学校給食で利用されております。また、有機農産物につきましては3市町において利用事例がありますが供給農家が確保できない。また、生産が不安定で量が確保できない等の課題があると承知をしております。このようなことから県といたしましては、今後も有機農業の実践者に対してまして生産安定に向けた技術支援を行うとともに、学校給食関係者に先進地域の取組み事例を紹介する等をして学校給食での利用を推進してまいりたいと考えております。

【阿部知事】 有機農業の推進についての決意というご質問をいただきました。有機農業。環境と調和した持続可能な農業を進めるうえで重要な取組みであると考えております。農政部にもしっかりと進めて欲しいと私からも伝えているところでありまして、SDGsの推進や環境に配慮した消費を進めようといういわゆるエシカル消費。長野県として全体として進めようという政策からの関連性からも積極的に進めていくべきものと考えております。これまで有機農業をはじめたい方への支援や消費者への理解促進に取り組んできたところでございますが、今年度からは農業試験場に新たに有機農業推進する専任職員を配置させていただいて、推進体制を強化するとともに、8月には長野県有機農業プラットフォームを立ち上げたところでございます。今後関係する皆様方のご意見を伺いながら、プラットフォームを活用した勉強会の開催、新たな販路の拡大、仲間作り、こうした取組みを支援することによりまして有機農業の拡大が図られますように積極的に取り組んでいたい。

【中川博司】 農政部長に再質問をさせていただきますが、知事からも決意ということで農業者への支援ということでも農政部長からも語られたところでございますが、例えば、自治体が学校給食に有機米や有機野菜を入れたいという積極的に手をあげた場合にですね、やはり、これは支援をしていくべきではないかと思いますが、その点、農政部長に再質問をしておきたいと思いますが、農家の今後の大規模化や土地の集積を進めて行くにしても、中山間地を多く抱える長野県では2割くらいは残ってしまうと言われております。農業の多面的な価値を大切にしてIターン、Uターンで農業をやりたい。そういう皆さんを呼び込むためにも、有機農業の振興は有効だと確認しておきたいと思うのです。有機農業に興味を持ち、新規就農する皆さんのためにも、学校給食への有機米や有機野菜を使うことへの支援が必要だと思いますのでお願いしたいと思います。

【農政部長】有機米や有機野菜等の有機農産物の学校給食への導入につきまして、市町村から要望があった場合にさらに支援をというご要望でございます。先ほどお答えをいたしましたけれども、有機農産物の学校給食での利用を拡大していくためには、なんといっても有機農産物の安定した供給が必要でございます。また、給食関係者の意識の向上も必要だと思います。そういったことから先ほどお答えしたとおり、生産安定に向けた技術支援、または、学校関係者に先進的な事例をご紹介するとお答えしたわけでございますけれども、その他の支援のあり方につきましては、教育委員会とも連携をしてどのような支援ができるのか検討していきたいと思っております。県といたしましては先ほど知事がお答えいたしましたけれども、有機農業の振興はこれからの信州農業にとって重要だと考えておりますので、そういった意識で取り組んでいきたいと思っております。以上であります。


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