はじめに
2016年7月の参議院選挙で自民党が単独で過半数を確保、与党である公明党、改憲を目指す日本維新の党(参議院選挙時は「おおさか維新」)で、参議院でも3分の2を確保しました。もしかしたら安倍首相は単独で3分の2を確保したかったのかもしれません。参議院選挙後、安倍首相は憲法改正に強い意欲を示していますが、野党の賛同も必要であることも今のところ言っています。
憲法改正発議が実際に行われれば、有効投票数の過半数で成立するため、仮に有権者が1億人で投票率が50%であるならば2500万人の賛成で、つまり有権者でない人も含めれば、わずか国民の5分の1で憲法は改正されることになります。つまり、憲法改正は現実味を極めて帯びてきたといえます。
すでに自民党は2012年に「日本国憲法改正草案」を発表しています。当面、憲法審査会では、他の政党は具体的な改正案を示していないことから、自民党の憲法改正草案をもとに議論が行われていくことになるでしょう。したがって、私たちも自民党の憲法改正草案を批判的に学ぶことから取りかかる必要が生じました。しかし、この作業は現行の日本国憲法を学ぶという意味に他ならないともいえます。
そして、この学びの作業は誰かから教えて知識を得るということではなく、自らが現行憲法に対しても自民党改憲草案に対しても同じように批判的に読み、考えるということが基本でなければならないと思います。また、頭で考えるだけではなく、憲法を声に出して読んでみる、鉛筆で書き写してみるなど、五感をフルに活用することも大切なことのように思います。
そして、学習会に参加しているメンバーがそれぞれに疑問に感じた事を出し合い、それぞれが、どのように考えるか議論することで、認識を深めることになると思います。その際、いろんな考え方があって当然という態度がお互いに必要です。絶対的に正しいということが仮にあったとしても、それが全員に共通の認識にならなければ絶対的に正しいことにはならないからです。
今後、様々な場所で憲法の学習会が開かれ、請われて出かけることが多くなると思われるので、私の憲法を学ぶ考え方についてあらかじめ記しておきました。
2016年8月28日
中川博司
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