こんにちは「中川ひろじ」です。

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20201028 ラミレス駐日キューバ大使講演

2020-10-28 08:41:40 | 憲法・平和・沖縄

Videoconferencia sobre el bloqueo de EEUU contra Cuba

IFCCの鎌田さんからご案内をいただき、ラミレス駐日キューバ大使のお話をzoomで視聴する機会をいただいた。事前にご案内をしたので、私を含めて6人の方が一緒に視聴した。
アメリカのキューバに対する経済封鎖は、新型コロナ下で更に強化されている。アメリカ製品が10%含まれていればキューバへの輸出が禁止される。その被害は2019年で55億ドルになる。60年間のトータルで1500憶ドルになる。
キューバはこれまでにラテンアメリカを中心に医療支援を行ってきている。今回の新型コロナも派遣している。しかしアメリカの封鎖の強化でブラジル・エクアドル・ボリビアがキューバの医療支援を断った。自然公害・重大感染症緊急国際医療団「ヘンリ・リーブ」は2021年のノーベル平和賞にノミネートされている。医療器材のキューバへの輸出も制限されたので、キューバ国内で人工呼吸器を500台生産した。
封鎖は米国政府が歴史的にキューバを独立国として認めることしかできないことの表れである。二国間の問題ではなく第3国の市民と企業の利益を直接害しその権利を阻害している。キューバの社会経済の発展と国民の必要を満たすうえで最大の障害。外国資本のキューバへの投資要望を封じている。
 
以下質疑の様子です(提供:tarou yoshida)

質問 中南米機構、セラック(CELAC=Comunidad de Estados Latinoamericanos y Caribeños)は機能しているのかどうか。

大使 ここ数年、右翼勢力が伸びていてなんとか伸ばしたいと思っている。代表がメキシコだがポジティブ。ラ米の統合で進歩的である。

チリでは78%の国民がピノチェト時代の憲法を見直すことを望んでいる。昨年はアルヘンティーナで反自由主義の政権ができた。

ボリビアでも、モラレスの正統が圧倒的な勝利を治めた。来年のエクアドル選挙ではコレア元大統領の勢力が返り咲く見通しが強い。非ネオリベの政府を作る動きが高まっており、ラ米は革新の方向が広がっている。これはシラックがさらに強まるキューバはそれを望んでいる。

質問 経済発展計画で、改革が進んでいる。食料の自給化を軸にするプランが決まっている。これは非常に興味深い。

大使 食料の自給に重点をおいている。そのひとつが農畜産業と科学をつなげることだ。家畜の餌で遺伝子組み換えトウモロコシを始めている。また、通貨の統一、レートの統一で国内生産をさらに刺激することができる。第三が大規模農場だけではなく、街角の小さな畑や協同組合を活用することである。稲作生産も力を入れている。30万tの米を輸入をしているが、稲作では日本他から技術支援や機械の支援を受けている。食料輸入では20億ドルを使っている。なんとかそれを減らすことを努力目標としている。

質問 エネルギーでどれだけ打撃を受けたのか、それに対する政策は?

大使 普通は200万tの石油を年間使っているが、一番、厳しい3カ月は、使っている半分の石油で経済をやりくりする困難を強いられた。数年前にキューバは2030年までの社会経済開発計画を建てた。その中にはエネルギーも入っている。2030年までに24%を再生可能エネルギーに転換することとしている。メインは砂糖工場でのバガスである。ソーラパネルの設置も行っている。一般の市民にソーラーパネルの販売も始めている。電気自動車の提案もでている。電気で動く三輪車をタクシーに使うことはすでに始まっている。バスも電気とガソリンをミックスにしている。風力発電もいくつか設置している。家畜の糞でのバイオマス発電も考えている。

質問 欧州との関係がトランプ政権になってからも影響を受けているのだろうか。ユーロの労金が影響を受けているのだろうか。

大使 米国からは出せなくなった一部のルートはあるが支障はある。

質問 キューバへの投資意欲はあるのか

大使 16億ドルは外国の企業がキューバに投資しようとしている。

質問 外国人の渡航の時期は

大使 いい質問を、カナダ、イギリス、ドイツからの便が多い。本島ではなくリゾート便に直行便で来る。第二段階がバラデロビーチも解放された。11月にはハバナ直便もできる。キューバへの渡航が正常化するはずである。ただし、現在は、どこ経由かで、四つある。メキシコ、フランス、スペイン、カナダである。モスクワからも行ける。コロナも制圧し2月にはワクチンも製造が始まる。

質問 子どもや女性について知りたい。

大使 コロナのパンデミックでキューバは努力してきたがいつも柱になってきたのは、女性と子どもを守り抜くことである。患者の数も感染者も女性の方が男性よりも減っている。保育園も学校も正常化し、クラスターもどこも発生していない。女性とこども本位が政策の中でも柱である。国によって子どもが病気になってもアテンドしないことがあるが、キューバはそういうことはしない。10~12歳になると子どもは感染源になる。

質問 キューバのコロナ対策についてお聞きしたい。PCRの検査はどうしているのだろうか。

大使 PCRを1本やると50ドルがかかる。これは国家に費用がかかるが国民は無料である。すでに80万件実施している。それだけ国家に医療費がかかった。4000万ドルである。この数字をあげたのもどれだけコロナで経済的負担を受けているかを示したかったからである。

制圧に成功したのはコンタクトを探し出すことに徹したからである。誰かが感染したらコンタクトを全部調べ、先のコンタクトまで輪を広げ、そうやって感染者6,500人が出ている。PCRが80万件の述べたが陽性の100倍もやっていることになる。必要があればなんの困難もなく実施できる。

質問 日本は特殊な国になっていると思う。やらないようにやらないようにしてきたので。ワクチンはできているのだろうか。

大使 最初がソベラナだが、ソベラナ・ドスがいまできている。ソベラナは臨床試験の一層が終わり、第二層があり、来年1月には第三層ができる。臨床試験で問題が生じない限り、2月には一部のグループはワクチンを受けられる。60歳以上と医療関係者が対象となり、生産が進めば全国民に接種していくことになる。

ソベラナ・ドスは子ども用のワクチンになる予定である。

質問 国外、ラテンアメリカからも注文が来ているのではないか。

大使 日本にいてそこまではわからないが、ベネズエラとは協定が結ばれていたはずである。ラテンアメリカ保健機関には報告している。

質問 キューバから先々週返ってきた。2、3月からミンサップから注意のメールや熱、手を洗うかという注意があった。365日対応できるので健康を守るとこの半年、連絡をもらった。地域のコンスルトリオの医師と看護師が毎週のように訪問をしてくれる。こういう安心感はどこの国にもないのではないか?。具体的なところを私が経験した。また、4月にはホメオパシーだと思うのだが軽くてすむ薬を投与してくれた。それも医師が3日連続で投与してくれた。友人の母は1ペソでお弁当を2食、80歳の祖母の届けてくれた。キューバ政府は食べ物がたっぷりあることを示している。

大使 ご自分のキューバでの体験を共有していただいたことがありがたい。文章としてまとめてもらえると嬉しい。ニューヨークの友人ともここにいるのが世界一安全だと言いあっていた。

質問 キューバのヘンリー・リーブ医療団の派遣は非常に評価されるものだと思うが、米国の主張は各国に派遣された医療団のサービスは、キューバ政府がお金を搾取しているとアピールしていると聞いている。これについてきちんとした反駁がない。そのあたりがキューバ政府としてもある意味医療団の待遇を手厚いものにして、対外的にアメリカも含めて事実関係を説明、アメリカの言っていることをその都度否定していく努力が従来以上に必要ではと考えているが、いかがだろうか。

大使 ご意見に同感である。

質問 民医連で3度現地に行った医師である。医療を大事にしない日本でいくつか確認したい。ヘンリーリーブ医療団が2021年の候補になったというが間違いがないだろうか。

大使 そうである。来年の候補だが今からノミネーションが始まっている。

質問 米国の制裁でヘンリーリーブがブラジルから撤退を余儀なくされたとあったが、他にどこであろうか。

大使 エクアドルとボリビアである。

キューバから発信すると受け入れてくれていないが、ニューヨークタイムス等第三者が言ってくれると信じてもらえる。テレビ朝日がワイドスクランブルでコロナ対策を取り上げた。

大使挨拶

非常にたくさんに人に聞いてくれてよかった。大変にいい質問がでたし、キューバの現実をよく知っておられ関心を持っていることもわかった。有効なのでこれからも開催したい。新藤先生に改めて感謝をもうしあげたい。

 

・・・最大で全国から93人の方が参加し、講演終了後も活発な質問が出され、ラミレス大使は最後まで真摯に回答をし、最後に有意義な時間が持てたこと、次回も行いたいというお話をしてくれました。
 
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