コンビニ経営相談室「あかり」

気がついたら全てを喪失、それがコンビニオーナー。加盟を阻止し、脱退を支援します。コンビニの経営の現実をお知らせします。

コンビニ店長、「学生バイト搾取」の巧妙手口。

2017年01月05日 18時07分13秒 | 日記

コンビニ店長、「学生バイト搾取」の巧妙手口

これがミーティングで使う内部資料だ!

関田 真也 :東洋経済オンライン編集部 /author-list

2016年07月21日

学業が本業である学生に「売り上げノルマ」を課すようなコンビニがある。そうした職場ではいったい何が行われているのだろうか

「コンビニのアルバイトに応募して面接に行ったら、お中元やお歳暮などのギフト商品をいくつ売ることができるかを聞かれ、戸惑った」

「おせちや恵方巻きについてノルマを課せられ、達成できなかったら給料から天引きされて、自腹で購入させられた」

こうした声が、コンビニエンスストアで働く学生アルバイトからあがっている。人手不足で需要もあり、都合のいいシフトを組めることから、コンビニバイトは学生の間でも有力な選択肢の一つ。ところが、一部のコンビニでは厳しい現実が待っている。アルバイトはあくまで時間給で働く立場のはずなのだが、ノルマを課せられ、ギフトや季節商品の営業をさせられる、「ブラックバイト」といえる状況がはびこっているのだ。

本部とオーナーは、何を考えているのか?

学生はただでさえ社会経験が乏しく、不当な要求に対してどのように対応すればいいか分からないことが多いだろう。こうした「素直で従順な存在」は、使用者にとっても、一番使い勝手のいい存在といえる。しかし、これがどのような力学で動いていることなのかを理解すれば、アルバイトをする学生も、心構えができるはずだ。

今回、大手コンビニチェーンの、フランチャイズ本部とオーナーの間で使われていたミーティング資料を入手した。そこに書かれていたのは、言葉を慎重に選びつつも、オーナーを「売り上げ至上主義」に走らせる内容だった。

まず最初にお見せする資料は、いわゆる「ギフト商品」がいかに売り上げ貢献に寄与するかをオーナーに伝えるものだ。

この資料だけ見ると、問題なさそうだが・・・

コンビニは100円単位の商品が多く、平均客単価は500~600円程度だ。資料の中では、ギフト商品の平均単価が「3,288円」と比較的高い数字であることが示されている。また、消費期限が短いものと異なり、ギフト商品は廃棄のリスクがないことも指摘。「ローリスク・ハイリターンの商材!」と強調されている通り、オーナーの利益にとっても非常においしい商品なのである。

では、どのように売り上げを立てるべきとされているのか。資料では、「主体者と従業員さん、全員で売り上げを作れるしくみ作りを」とされている。オーナーがいくら売りたいと思ってみても、コンビニは積極的にお客に商品を売り込むという形態ではなく、受け身で販売することが原則。1人で売り上げを大きく積み上げることは不可能だ。

ムード作りと根気で盛り上げる

そこで、アルバイトやパートを巻き込んで「協力」してもらう必要があることが強調されている。ページの最後には、「従業員さんにイベント性を持たせて、楽しく参加してもらう環境を作る事がポイントです!!」と書かれており、あくまで従業員が自主的に行うのをアシストすることを勧めている。では、具体的にはどうするのか。

 お中元用に作られたと思われる別の資料には、考えられる方法として「チーム対抗戦にする」、「景品を付ける」といった施策が提案されている。ゲーム性を出したり、インセンティブをつけることでアルバイトを動かそうということだ。そして、「オーナーさんのお仕事は常に従業員さんを盛り上げていく事に全精力を注ぎましょう。日々、お中元について何らかの話を一人一人の従業員さんと実施していきましょう」とされ、最後は「オーナーさんに必要なのは、何よりムード作りと根気!」という言葉で締めくくられていた。

これらの資料だけを見ると、従業員の協力を得て目標に向かって頑張る「ホワイト」な職場という印象で、大きな問題はないように感じられるかもしれない。実際、オーナーの方針によっては、こうした雰囲気のよい店舗も存在するようだ。しかし、次の資料を見ると、本部側の本音が徐々に透けて見えてくる。

見出しには、「協力」から一歩踏み込み、「従業員の戦力化」という言葉が出てくる。

 

周囲の人間関係全てにアタックさせる

まず、冒頭で「こうした予約活動において従業員さんの協力をもらえるかどうかで、数値は変わってくる」と指摘。その為に必要なものは、「従業員に対する意識付け」と「アプローチについての具体的な指導」だという。「協力」というソフトな物言いになってはいるが、結局は売らせるための意識改革が大事だということだろう。

「従業員の人間関係を聞きながら、何処にチャンスがあるのか。どのようにお勧めするのか。アドバイスを行うことが必要。個人毎に環境は違うが、一緒になって考えていくことにより、全員参加ができれば、体制強化に繋がっていく」と書かれ、その下には図表が添付されている。「パートさん」「アルバイトさん」に分けられ、周辺の人間で「売れる」相手の候補がぐるりと囲まれる形で書かれている。

学生アルバイトには、積極的に介入

パートについては、「身内関係が基礎票になる」としている。その他には「常連客」や「ご近所さん」が候補にあげられていて、比較的身近な人間関係をターゲットにするべきと考えているようだ。一方、アルバイトに対しては、「パートさんに比べ難しく思える」と断りつつ、「一人2件平均で販売できれば、20人で40件となる。アプローチ先は、生活環境を聞きながら、一緒に考えていく中で見つけだす。パートさん以上に関与していく必要がある」として、より積極的に指導して介入するべきだと発破をかけている。パートの主婦の方などは、周辺の人間関係におけるコミュニケーションについても、苦にしない人が多いかもしれないが、学生はなかなかそうはいかないため、このような指摘になっているのかもしれない。

学生アルバイトの営業先の候補は、パートよりもさらに多様だ。「ご両親、親戚関係、友達の親御さん」はもちろんのこと、「大家さん、他のバイト先」果ては「通っている大学の教授」もターゲットになる、とされていた。家族や親戚はともかく、大学の先生が、自分の教え子からいきなりコンビニのギフト商品を勧められたら、さすがに困惑するだけなのではないか。

cxenseparse_end

/article-body-inner

次の資料では、地区平均、トップ店舗、ワースト店舗の数字が上がっており、トップとワーストの差額が比較されている。  

 

画像を拡大

 

トップ店舗の売上げは、確かにすごい

例えば、お中元なら、トップ店舗は912,200円、ワースト店舗は14,900円で、その差額は実に897,300円。確かに、本部の指摘ももっともで、取り組み方次第で大きな差がついているようだ。このように数字を突きつけることで、オーナーの利益欲や対抗心を煽ることが企図されているのだろうか。さらに、クリスマスケーキについてはこんな記述も。

「他の商材と違いクリスマスケーキの取組は学生~主婦まで、従業員さんの年齢の幅なく取組める商材でもあり、この取組を通して学生従業員の戦力化の切口にすることもできます」

確かに、ギフト商品よりも、季節モノの方が、学生としても売りやすいだろう。ここを突破口にして、他の商品も売らせる戦略か。そして、最後はまたも、「成功するかしないかは主体者の気持ち1つ。どれだけ取組にこだわりをもてるかがポイント」と煽って、締めくくられている。全体的に、具体的な指導マニュアルというよりかは、数字と精神論が目立つ印象だ。

良心的なオーナーは1~2割だけ

今回の資料を提供してくれた近畿地方のコンビニオーナーは、「本部からは、『やる気あったら、店を盛り上げて』とそればっかりだ。まるで昭和の体育会系」とボヤく。こちらの店舗では、学生に「営業活動」を押し付けたりすることはしていないという。「盛り上げる」というのも意味深な表現だが、売り上げが盛り上がっているだけで、自分の生活環境まで根掘り葉掘りオーナーに聞かれた挙句、営業活動を強制されているとするなら、学生の気持ちは重く沈むだろう。コンビニはオーナーによって運営方針がまちまちで、すべての店舗でこのような状況になっているわけではないようだが、前出のコンビニオーナーは次のように語る。

「良心的なオーナーは1割~2割くらい。8割はミーティングなどを通して本部に洗脳されている。最悪の資質のオーナーも確実に存在するが、こうした方針はオーナーを隠れ蓑にした本部の利益確保が目的だ。本部は『オーナーが勝手にやっていたこと』で逃げとおせるシステムで、何くわぬ顔を決め込んでいる」

確かに、この資料の文言は、強制性を匂わせる表現が要所要所で避けられており、あくまでオーナー自身の判断で行なわれているという体裁になっていることが分かる。実際は口頭で売り上げを出すように圧力がかかっているようだが、逃げ道を残した資料となっている。

次の資料は、ミーティングで使うものではなく、アルバイトに配布される通称「アタック表」だ。

 

画像を拡大

 

求められる「アタック先」は非常に広い

商品名の横に、売り込み先が書いてある。これは、アタック先から考えると、主婦などのパート用のものである可能性が高い。

「幼稚園」「小学校」はもちろんのこと、「飲み屋」「クラブ活動 ママさんバレー」、さらには「理髪店 美容院」「塾 習い事」といったところまで候補になっている。まさに手当たりしだい、貪欲にアタックすることが期待されている。この大手コンビニチェーンのアルバイト経験者(20代・女性)によると、「空欄の中には、具体的な個人名を入れて、結果について報告しマル・バツをつけていく」のだという。ちなみに、オーナーとアルバイトの間でのミーティングは、勤務時間外に無給で行われるようだ。

壁に張り出される「目標」

最後は、「わたしの目標」として、それぞれの商品をいくつ売るのか、書き込む形になっている。フォントも大きく、店舗の壁に張り出されるような作りになっていることが分かるだろう。

 

画像を拡大

 

まるで営業マンのようだ

こうしたオーナーへの働きかけは、フランチャイズ・ビジネスの営業戦略としては合理的なのかもしれない。しかし、社会的に知識の乏しい学生の「戦力化」を公言するのはいかがなものか。特に、最近は金銭的にも余裕がない人も多いため、自腹で買い取らせることまでは明らかに行き過ぎだ。

NPO法人POSSE代表で『ブラックバイト――学生が危ない 』の著者である今野晴貴氏は、「自らの権利を教え、権利行使の手助けを社会がサポートしていく視点も重要」と話す。

「少なくとも学生のアルバイトに関しては、あくまでも『アルバイトとしての立場』を学生自身自覚し、契約の範囲で働く意識が大切だ。周囲もそれを促し、何よりも企業がきちんとこれを踏まえて雇用管理をすべき。困ったときには一人で悩まずに、私たちのようなNPO法人を含めた外部の相談機関を利用して欲しい」。(今野氏)

このように、「ブラック」化したアルバイトは、コンビニに限った話ではなく、業種に関係なく横行している。学生は、少なくともこうしたことを強制するオーナーの元で働くことをなるべく避け、悪質な店舗を「人手不足」の状態に追い込む行動を取るべきだろう。立場に対して過大な責任を押しつけられることを「仕方ない」と諦めてしまうと、労働市場の健全化を阻害することにもつながりかねない。

自分の人生を有効に使うためにも、そしてアルバイトをすることを考えている未来の後輩のためにも、実態について知り、適切な行動を取る心構えをもって、働く場を決めていくことが、大切だ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

商圏へのクローバーも効果があるとか、クローバー先との

表現があるので、これはローソンの資料だと思います。

こういう資料がマスコミで公表され、世間に知れ渡るとコンビニクルーへの

応募は少なくなるだろう。

店舗によっては異常な売り上げをこんな手法で作っている。

異常な行為をオーナーに強いながら本部は問題が起こっても知らんふり。

労働市場の健全化を計らないと自滅することになると思います。

 


最新の画像もっと見る

5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Unknown)
2017-01-06 11:27:38
記載されていることをまともに取り組んだら、あっというまにバイトくんたちは辞めていきますね。
自分が大事にしている人間関係にヒビが入りかねないまねをしてまで、予約活動などしたいと思う者はいません。
オーナーにしても同じ。従業員との関係を壊しかねないような業務は引き受けません。
本当に素晴らしいものなら、そんなバカなまねなどせずとも、本部が普通に当たり前のPRさえすれば、勝手に売れていくはずです。言い換えれば、コンビニ本部が、こうまでして売り込ませなければならないと考えているなら、その商品は本当にダメな商品なのでしょう。商品力がないから、口からでまかせでしか売れないと本部が考えているということです。

なんとも、恥ずかしく嘆かわしい話です。
返信する
Unknown (Unknown)
2017-01-06 12:00:09
まるで、

ネズミ講w

それも本部だけカネが入ってくる、というシステムw
もう全コンビニ本部は独自通貨を発行すればよろしいんじゃないでしょうか?w

人件費もそれで賄えば、解決しますよ!
また、「むちむがく」の人間を騙せるアイデアがまた浮かんだね!w
返信する
Unknown (Unknown)
2017-01-06 23:05:13
これってさ。
気づいてない人多いけど「無償労働」だよね?
例えば、そのアタックって、時給の発生してるバイト中に電話をかけてするわけではないのでしょ?つまり、時間外に営業労働をさせ、それに対して労働対価を支払っていないから成り立つ戦法であり、例えば「今から営業かけてきます」とバイト複数に時給を発生させて雇ってアタックかけさせたら、採算とれないんじゃない?外に出てオーナーがその都度ギフトを取りにいったり、催事をとりにいって車で配達までしてる。その経費やオーナーの人件費、その売り上げからの利益からチャージが取られた後の利益、2時間アタックかけて、売り上げゼロなら実質赤字の利益、、。店舗接客販売業のバイトと経営者に対して、外に出る営業活動を当然とし、その経費を無視してリスクがないと計算する、、明らかに異常です。オーナーはいつから営業販売員になったのでしょう?時給で働くアルバイトは何故時間外営業無償労働をさせられるのでしょう?ここは大きな問題では?
返信する
>オーナーを「売り上げ至上主義」に走らせる内容だった。 (反孫・フォード)
2017-01-06 23:08:01
 90年代くらいから他業界でも問題になってきたことだと思いますが・・・・・治まる気配は無く拡大の一途ですね。

 日本政府、東京都知事はデフレーションを続ける政策のまんま・・・・・・これでは治まりそうもありません。
返信する
Unknown (Unknown)
2017-01-06 23:43:11
コンビニ自体が違法、脱法でないと成り立たない業界だ。加盟店という営業現場は、合法的にやれば全てが倒産となるだろう。
社会保険未加入、無償労働、有給休暇無し、過剰労働の無改善、など労務管理の面で挙げたら、きりがない。コンビニ業界は、加盟店での労務管理を違法状態で放置させないと成り立たない。
直営でやると赤字になると、本部社員はよく言うが、それは直営だと違法な労務管理をするわけにはいかないからだけのことで、加盟店だったら違法労務管理でいいわけがない。加盟店だって、全てきっちり労務管理を合法にやれば赤字となって店は潰れる。加盟店は、本部の事業所でなく、独立採算のオーナー経営ゆえに、オーナーが食っていくためにやむ無く、違法労務管理をせざるを得なくなっているだけのことだ。本部はその事実を承知の上で見て見ぬ振りをしているだけなのだ。
返信する

コメントを投稿