「その3」です。
「その1」「その2」を読んでいない方は、まずはそちらからどうぞ!
セブンイレブン本部社員の退職記!その1~まるで軍隊のような新入社員研修~ - 家庭円満.com
セブンイレブン本部社員の退職記!その2~果てしない労働時間と果てしないノルマ~ - 家庭円満.com
嘘ばかりの報告書、通称「紙芝居」
ただでさえ忙しいのに、成功体験を共有するために報告書類の作成もかなり求められる会社でした。
こういう陳列にしたら売り上げが上がりました! っていう成功体験を共有することは大事なことだと思います。
ただ、これだけ規模の大きい会社ですから、目立って上司に認められるためには、パンチの効いた内容じゃないとダメなんです。
上にいる人になればなるほど、内容のでっち上げ方が半端じゃないんです。要はやらせです。数字は自腹で作ってですね。
物語ありきだから、「紙芝居」って言われるんです。
この紙芝居、全国のOFCが毎週(いまは隔週になったようです)本社に集められるFC会議で取り上げられたりしていました。
みちおも店長時代にOFCからの命令で紙芝居作らされましたけど、結果から物語を作る感じで、全くその意味合いを感じませんでした。
しかも、日々忙しく店を回しながら作らなきゃいけないから、残業しないと到底作れる時間なんてありません。
ひどいと夜勤の時間に作り始めて、2時3時にタクシーで帰る、というのを数日続けたりしてました。
店で寝るのだけは嫌だったので無理やり帰ってましたけど、違う店の同僚は家に帰らず店で寝てましたね。
紙芝居で特に喜ばれる内容は、会長が売れると見込んだ商品が飛ぶように売れました! という内容ですね。
当時、熱くなってたのが、いまはもう売っていない今川焼きですね。
から揚げ棒とかが売っているレジ横の商品の一部でしたけど、特別美味しくもないのに飛ぶように売れる方が不自然だと思うんですけどね。
一度紙芝居で報告されてしまうと、「お前の店でもできるだろ?」ってなってしまい大変なんです。
日々こんなことの繰り返しで本当に嫌になります。
次々に辞めていく(消えていく)社員
あり得ない長時間労働とノルマで同僚はどんどん辞めていきました。
当時一緒に仕事をした同僚で、いまもセブンイレブンで働いている人はほとんどいません。
知っている同期に至っては全員辞めました。
辞め方もいろいろです。「探さないでください。」とメモを置いて失踪した同僚もいました。
自殺だか過労死だか原因は闇のなかですが、地方に飛ばされた後輩で亡くなった者もいました。
厳しい環境のなかキャリアを積んできた上の人も例外ではありません。
ちょっとしたことですぐに降格人事が行われ、日々出される異動情報に驚かされることも少なくありませんでした。
結構な地位に登り詰めた人が急に、新入社員と同じ副店長辞令とかありましたからね。
社員ではありませんが、オーナーさんの自殺や失踪話を耳にすることもありました。
そんな環境のなかでキャリアを積み重ねていくイメージなど全く持てず、悪い方で明日は我が身かと日々怖れていたものです。
退職を決意した理由
このような状況でなんとか頑張ってきましたけど、体力も精神力も限界だし、状況が改善される見込みもないので2年目に退職を決意しました。
24時間営業をやめるくらいのインパクトがない限り会社の体質は変わりっこないから。
というか、体調不良も半端じゃなかったし、このままいくとリアルに死にかねないと体感していたので続ける理由がありませんよね。
転職組で家族持ちの人は本当にかわいそうだなと思いました。泣く泣く辞めずに続けている人はそのような人ばかりでした。
2ちゃんねるにセブンで長年勤めるための条件が書かれています。
まさにこれくらい会社に洗脳されていないとやっていけない環境が、セブンイレブンにはあったと思います。
【セブンで長年勤めるための条件】
1.人生に夢や目標が無い
2.長時間労働に耐えられる忍耐力がある
3.友達がいない
4.趣味が無い
5.プライドが無い
6.2chを知らない
7.妻子がいない
8.日本全国どこでもOK
9.社会情勢に興味が無い
10.結構待遇がいいと思ってる。
11.仕事に対して疑問がない。
12.一流だと感じている。
13.仕事にやりがいを求めていない。
14.レベルの高い仕事をしていると思っている。
15.どこも一緒と感じている。
16.他の流通会社はクソだと思ってる。
17.疲労骨折しても会社を訴えないだけの器量がある。
18.サービス残業こそ男の美学。
19.代休・有給なんてはじめから存在しないと認識してる。
20.遅寝・早起きが得意。
21.自作自演、やったフリが巧い。
22.東証一部上場を自慢する
23.好きな色:赤、ピンク
24.営業車(セブンカー)が誇り
25.働くことが三度のメシより好き
26.組合が無いのは当たり前だと思っている
27.実現不可能な目標が大好き
29.「単品管理」という言葉を聞くとゾクゾクする
30.教祖が絶対だと信じて疑わない。
セブンイレブンは、特別ひどいにしても、大企業に勤めることは多かれ少なかれこのような意識をもっていないと勤まらないのでは、と思います。
日本の大企業はそれくらい社員をがんじがらめにして、組織を維持しているように感じられます。
大企業かつブラック企業であるセブンイレブンに勤めて得たもの
転職活動を始めてから実感したのが、まるでアピールできるスキルが身に付いていない、ということでした。
もちろん仕事は命を削りながら働くくらい頑張りました。でもそれはセブンイレブンのなかでは役に立っても、他の会社からしたら、「それで何ができるの?」でおしまいです。
セブンイレブンでやってきたことは、ほとんど根性論で片付けられてしまうことばかりだったんです。
いくら30数時間連続で働く経験をしても、半月くらい休みなく仕事をしても、あくまで耐えきれず辞めた人には根性があるとすら思ってもらえないのです。
あれだけ頑張って何も評価されないんですから悲しすぎます。
結局セブンイレブンに勤めて得たものは、人間の限界を知ったことと、稼いだお金くらいです。
それと引き換えに、心身には不調をきたし、今後の人生への希望を失いました。
セブンイレブンでの経験に基づく就職アドバイス
みちおはセブンイレブン後遺症で、一般的なサラリーマン生活を手にするまでの道のりは相当険しいものになりました。
皆さんにはこんな経験してもらいたくありません。そうならないためにはどうするべきか考えました。
やっぱり就職する会社は、身の丈にあったところがいいと思います。
大した大学を出ていないなら下手に大企業なんて目指すべきじゃありません。
そういう人が入れる大企業は、ブラック臭が漂っていると思っていいでしょう。
また万が一ホワイトな大企業に入れたとしても、社内で永遠引け目を感じて苦労します。自分がそう思わなくても、周りがそういう目で見れば無駄なところで壁ができてしまい苦労します。
あとはその会社がどうやって利益を得ているか考えるべきです。
セブンイレブンの利益は、ひとりひとりのお客さんから得ているということで間違いないんですが、本部からすれば加盟店のロイヤリティで成り立っています。
そうなると加盟店のロイヤリティの額を上げるために社員が何をしなきゃいけないか、っていうのが主な仕事になるわけです。
詳しくは書きませんけど、それがあの働き方を生むことにつながるわけです。
オーナーさんに無理をさせないとロイヤリティが上がらないから、社員はもっと無理をする必要があるんです。そうしないとオーナーさんは動かないわけですから。
給料の元手を考えて、自分はその人たちに向けて仕事ができるかが仕事を選ぶうえでのキーポイントになるんじゃないでしょうか?
いまのみちおはそう思っています。
最近は、たいしてブラック企業でなくても、温室育ちのせいで、「自分は悪くない!会社がブラックなんだ。」と他人事にする人も多いですが、無理だと思ったら自分の責任で辞めた方がいいですね。
でも、そんな会社に入ったのも自分で決めたことですから、自分のケツは自分で拭きましょう。
いまはいろんな転職サービスが出てますから、いろんなサービスを同時並行で利用して、縁ある会社に出会い、ぜひ自分らしさを発揮ください!
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たまたま、見つけた「家庭円満.com」
セブンイレブンを退職された方の、赤裸々な様子が語られています。
こういうセブンイレブンの社内の状況はなかなか表面に出なかっただけに新鮮です。
ローソンも社員募集のNET広告は、すざましい。
定期採用で何百人も採用し、それでも足りず、中途採用。
それでも、退職者に追いつかないのだろう。
オーナー募集も、クルー募集も同様だ。
奴隷募集も見透かされていくと思います。
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コンビニ業界の2010年の3年以内に辞める率です。
ローソンの離職率(’10年 11.4%)は他社よりも一際低いですが、’09年の離職率は28.7%でした。