コンビニ経営相談室「あかり」

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ローソンプロジェクトは、成功ではない。

2015年08月13日 23時19分35秒 | 日記

新浪剛史・サントリーHD社長×野中郁次郎 ローソンプロジェクト成功の影に「失敗の本質」を共有した仲間がいた

日本軍を組織論から分析した『失敗の本質』の愛読者として知られる新浪剛史・サントリーホールディングス社長。同書から「リーダーは曖昧模糊とした判断をするべきではない」ことを学び、実践してきたという。最近読み直して痛感したのは「旧日本軍的発想が今の日本の企業社会にも残っている」こと。類い稀なるリーダーシップ、その実践力を高く評価する野中氏が、新浪氏の「戦史の読み方、学び方」について聞く特別対談を3回にわたってお届けする。

ローソンプロジェクトのメンバーは『成功の本質』を熟読していた

野中 新浪さんは様々なメディアで、『失敗の本質』を座右の書にあげておられ、著者の一人として大変光栄に思っておりました。出版されたのは1984年で、それから31年が経ちましたが、最初にお読みになったのはいつでしょうか。

新浪 三菱商事に入って3、4年経った頃、出版されてすぐに読みました。当時、食糧・食品本部という部署の若手有志で勉強会をやっており、そのテキストだったんです。

野中 そうでしたか。当時はバブルに向かう時代で、景気は上向きでしたね。そんな時に失敗をテーマにした本書を手に取られたわけですね。

新浪 はい。扱っている題材は日本軍ですが、内容は企業経営に通じる戦略論だと思いました。何より読んでいて面白かった。「成功より失敗から学ぼう」という問題意識が僕らにはありました。

野中 座右の書というからには、それからも折に触れて目を通されたと。

新浪 その通りです。三菱商事は2000年にローソンの株を2割買い、2001年にはダイエーに代わって筆頭株主となります。その前の1999年に、株を買うか買わぬかを決める極秘ミーティングが連日、社内で行われていたのですが、リーダーを中心に多くの人たちが、『失敗の本質』を読んでいたと思います。

野中 ほう。どんなメンバーだったのでしょうか。

新浪 トップは当時の常務で、その下に食品系の本部長クラス、そして、私を含め課長クラスが何人かいて、ちょうど大将、准将、若手将校といった感じでした。将来に向けたプロジェクトだったので、部長級は呼ばれていませんでした。上下おかまいなく、侃々諤々の議論をほぼ毎日、早朝や深夜に、3、4カ月続けました。私はまだ40歳にもなっておらず、一番年下でしたから、事務局を担当していました。私自身は、ローソンへの出資は大変な困難を伴うと思っていました。

野中 それは意外な話だ。なぜですか。

戦略目的を曖昧にするな反面教師としての日本軍

新浪 ローソンの組織文化が三菱商事と大きく異なるように感じられ、それはどうにも変えられないだろうと。それに対して、別のメンバーが「いや変えられる」と言う。そういう議論を延々とやっていました。それを可能にしたのがトップの腹の大きさでした。僕は副官の副官くらいでしたが、ミーティングのトップとも気を使わずに話ができる環境で、ずいぶん議論しました。

野中 最終的にはローソン株を買ったわけですね。

新浪 はい。投資額は、当時、三菱商事始まって以来の大きな金額でした。上が決断した後は、それまでの反対派も賛成派も関係なく、部門の垣根も超えて、ローソンの企業価値を上げようと一致団結しました。

 最初に議論を尽くす。その内容をもとにトップが明確な決断を下し、一糸乱れずに実行する。今考えても、すごい意思決定をしたんだなあと思います。後に僕をローソンに出したことも含め、当時、自分が同じ立場だったら、ああいう決断ができただろうか、できなかっただろうなあ、と考えることがあります。

野中 われわれは日本軍「失敗の本質」の一つに「曖昧な戦略目的」があったと書きました。取り上げた六つの作戦すべてにおいて、日本軍は作戦目的に関する意思統一を図ることができませんでした。ローソンの買収においては、その悪しき構図にはまらずに済んだわけですね。いわば日本軍が反面教師となったわけだ。

新浪 その通りです。私がこの本から学んだ教訓は、リーダーは曖昧模糊とした判断をするべきではない、ということです。その場、その場で明確な判断を下すとともに、その中身を部下にきちんと伝えなければならない。そうしないと、あらゆる組織を必ず襲うパラダイムシフトに対応できません。

 コンビニを取り巻く環境においてもまさにパラダイムシフトが起こっていました。たとえば、女性がより社会に出て働くようになってきたことです。店頭での野菜の品ぞろえを充実させたのも、自然派食品主体の新業態の展開を始めたのも、そうしたパラダイムシフトへの対応策でした。

企業価値を毀損することはするな企業価値の最大化だけを考えよ

野中 そうした環境変化に対応できなかった日本軍の姿をわれわれは描いたわけです。陸軍はソ連との戦争だけを念頭に置き、零下30度の北部満州とシベリアで戦うことだけを考えていました。太平洋のジャングルでアメリカ軍と戦うことなど夢想だにしていなかった。片や海軍も、アメリカ軍のような、島を一つひとつ落としていくという長期的発想も持たず、巨艦同士の戦いによる短期決戦だけを考えていました。お互いの意思統一も不完全だった。これでは勝てるわけがありません。

新浪 最初からローソンプロジェクトは短期決戦ではなく長期決戦でいくと決めていました。先ほども言った通り、三菱商事全社の経営資源を利用して、ローソンの企業価値を最大限に上げようとしたのです。

 僕がローソンに移る時、本社のトップからこう言われたのを憶えています。「三菱商事だからといって気を使うな。同じもので安くなければ、他社から購買してもまったく構わない。ローソンの企業価値を毀損するようなことは絶対やるな。何かあったら遠慮なく相談してくれ」と。

野中 いい話だ。

日本のITを強化するため属人的統合からの脱却を

新浪 実は最近また『失敗の本質』を読み直しました。痛感しましたね。ここで描かれている旧日本軍的発想が今の日本の企業社会にも残っていると。

野中 ほう、具体的にはどんなことでしょう。

新浪 システムによる統合よりも属人的統合を重視することです。端的にいうと、それがITの弱さになって現われていると思います。日本企業はハードをつくらせたら抜群によいものをつくるけれど、ITになると弱くなる。業務の標準化が徹底せず属人的になり、最後は人に頼ってしまうからです。

 人に頼れば人を整理しづらくなる。人を整理する発想が経営者になくて、情緒的に判断しますから、ますます業務の標準化が進まない。結果、日本独自のITサービスはなかなか育たない。まさしく悪循環です。70年前に日本はアメリカに負けましたが、今またIT分野で敗北を喫しているのは、失敗から学んでその本質が変わっていないからだと思います。

アメリカ軍が優っていたもの衆知独裁と機動的人事

野中 太平洋戦争で日本軍がアメリカ軍に負けました。正確にいうと、負けた相手はアメリカ海軍と海兵隊なんです。陸ではなく、空も含めた海での戦いで負けたわけです。

 海軍・海兵隊は1920年代から日本を仮想敵国ととらえ、どう戦えば勝てるかを研究していました。それも当時の若手たちが、三菱商事のローソンプロジェクトのように、自由な議論を行っていました。そうやってまとまったのがオレンジプランです。

 彼らが何に着目したかというと、日本とアメリカを隔てる太平洋が生み出す不確実性でした。その不確実性にうまく対応し、味方につけるにはどうしたらいいか。彼らが出した結論が「水陸両用」という新しい戦い方です。もはや戦艦の時代ではないと見抜き、「動く基地」としての航空母艦の力を最大限に使って、海と空から太平洋の島々を一つひとつ取っていく。島々には飛行場をつくり、最終的にはサイパンから飛び立ったB-29が本土を爆撃する。これで勝負あったということです。

 そこにあったのは、海と陸と空を統合するオープンな議論と、結論が出たら絶対やり抜く姿勢でした。いわば衆知独裁です。ローソンプロジェクトの話と通底するものがありますね。

新浪 どんぴしゃりの話ですね。

野中 もう一つ、アメリカ軍が優れていたのは人事の機動性です。その代表例がテンポラリープロモーションと呼ばれる臨時昇進制度です。ハンモック・ナンバー(海軍兵学校の卒業席次)に象徴される年功序列が最後まで崩れなかった日本軍とは大違いでした。

新浪 私がローソンの社長を仰せつかった時も、人事で年次の逆転がありましたが、私より年次の古い社員一人ひとりとトップが話し、フォローしてくれました。当時、相当な危機感があったのだと思います。三菱商事ではまことに異例の人事でした。その時、ハンモック・ナンバーが維持されていたら、きっと企業価値向上は厳しかったと思います。パラダイムシフトをしていくには、年功序列は障害であったことは間違いありません。

日本の営業は白兵戦から機動戦に移行せよ

野中 三菱商事のような伝統的な企業からどうして新浪さんのような革新的な人材が生まれたのか、よくわからなかったのですが、今日のお話を聞いて、初めて腑に落ちました。

新浪 旧日本軍的発想といえば、陸軍の白兵戦思想もいまだ日本企業の間で根深く残っています。特に営業現場がそうです。兵卒と軍曹くらいまでは一糸乱れず強いわけです。そこで兵站は大丈夫か、というと、これが心もとないんです。新しい武器を用意するかといえば、それもありません。

 これだけインターネットが進化しているのに、びっくりするくらい、まだまだ使われていない。そんなものを使うんだったら、もうあと1回余計に、お客さんのところに足を運べと。それは重要ですが、新しい武器がなくては、まさに白兵戦です。これがなかなか改まりません。

野中 海兵隊は第二次世界大戦後、白兵戦から機動戦に移行しています。機動戦とは知恵を駆使して「賢く戦う」、ファイティング・スマートの戦法です。日本の営業もいたずらに靴底をすり減らす白兵戦から、ネットも駆使した知的機動戦に移行すべきなのでしょう。

(構成・文/荻野進介)

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コメントにこの記事を寄せていただきました。

功なり、名遂げたかたの記事であれば、納得できる記事だろう。

しかし、加盟店をMSで追い込み、彼が育て上げたMOが棲息吐息。

それを見越してサントリーに、異常な逃避をしていった彼が喋ると

真実味がない。

「 ローソンの企業価値を毀損するようなことは絶対やるな」という三菱商事の大義を

実現したのか?

賢く戦うということは、MSで加盟店に罠をかけ、一気にMO化し

加盟店から収奪することなのか?

商品の添加物を増加させる賞味期限を長くさせ、配送便を少なくし

新鮮なイメージをナチュラルローソンでだし、消費者を欺くことなのか。

中国1万店、ナチュラルローソン3000店、ローソンマート500店?と称し

嘘の発表をし続けることなのか?

ローソンの企業価値を高めてサントリーに行ったのか?

疑問だらけです。

人を騙し続け、この記事で何を騙そうとしているのだろうか?

この記事の先にあるものに関心があります。

こんな記事をみると、三菱商事に疑問を感じます。

三菱酒販、三菱食品すべての帳合い先が、不正に関与して

いると思われても仕方がない。