チャロアイトを探索したので、他に三大ヒーリングストーンといわれるスギライト、ラリマーも探索したほうがよさそう。
「私が立てている人間の意図にのっとり、一番役立つ、効率良い、最適化された、生産性の高い探索をガイドやヘルパー達やチャロアイト、石、パワーストーンの助けもかりて行う」
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チャロアイトがでてくる。
守護する感じ。付き従っている。従者。
「スギライトにいきましょう」
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暗い森。
そのなかの一本の木の大きなウロに、スギライトの精が見える。
髪の長い妖精っぽい女の子。
じとっとした目でこちらを見る。
「あなたとは合わない」と言われる。
そうですか、としか言えない。うすうす感じていたことだから。
石としてのスギライトは、きつい感じだけど
この妖精は儚げというか、弱そう。
「非物質の世界と、物質の世界は、また違いますから」
スギライトは私の姿を見ると迷惑そうに、でも怯えている。
もっとウロの奥に隠れたいのに、浅いので隠れられない。
「なぜこんなに嫌がられるのかね」
「そこはノーコメントで」
「自分で考えろということ?」
「その意味もありますけど、でも考えても仕方ないかな」
「合わないものは合わない、ということ?」
「そうですね。ここは理由深掘りしても仕方ないし」
「ああ、ルーツだのなんだの、そっちが絡むのか」
「そういうことです」
「じゃあ次にいきましょう。今度はラリマーで」
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ラリマーの世界。
海。
ラリマーはカリブ海で産出されると事前知識をいれていたせい?
「それもありますけどね。
おおむね、ラリマーは海ですよ。
海、夢、羊水のなか」
ラリマーも物質としての石はあわないけど
非物質だとそうは思わない。
が・・・
「ああ、ここで寝ないでください」
気持ちよくて探索中なのに自我が離散して消失しそうで、砂浜だか潮だかに飲み込まれて消えそうなところを、エンゼルさんとチャロアイトに引っ張り出される。
「ラリマーのエネルギーにさらされると、あなた人間として役に立たなくなるんで」
失礼な。
でもまあ、知ってた。
なんか、エヴァンゲリオンも水の中に溶けて消えるよな。
海、海の生物。
あの大きな液体のなかは、意識がゆるくつながり平和だ。
弱肉常食はあるけど。
「ということで、あなたはラリマーには近づけさせません。
役に立たなくなるので」
なので、チャロアイトか。
チャロアイトだと、手のひらの上で私を転がすこともうまそう。
これは働かされるな〜。
「馬車馬のように働かせたりはしませんよ」
チャロアイトがコロコロ笑う。
「そんなことしたら、エンゼルとかメインガイドとか、"上"にヌッコロされますから」
物騒なことをいう。