前の記事はこちら RoboCupJunior Rescue Simulation – Rules 2020 続き
さて、いよいよ、2020年ルールの目玉、SuperTeam Rule です。
これまでと同様に SuperTeam の競技だけ、WORLD_1に実機ロボットが使われます。( Individual の競技では、WORLD_1もWORLD_2も仮想ロボットの競技)
まあ、この実機ロボットは、わざわざシンガポールから持ってくるし、電池の管理がメンドイので、もう失くしてしまっても良いと思うのですが・・・始まりが「仮想と現実の架け橋」だから、仕方がないのですかねぇ。
あっ、また話がずれました。
で、大きく変わったのが・・・
これまでは、SuperTeamも対戦でした。でも、今回のは対戦ではなく、2つ(以上)のチームが協力して、より得点の高いチームが勝ち、というゲームに代わったようです。(ルール 15.1)
これは、なかなか、素晴らしい進化だと考えます!
チーム(SuperTeam)は、1台の実機ロボットと2台の仮想ロボットで構成されます。2台の仮想ロボットは ROBOT_2_RED と ROBOT_2_BULEの2台で、それぞれ別々のプログラムで動きます。(ルール16)
文章の説明だけでは、良く分からないのですが、この図を見て分かりました。
例えば TeamA と TeamB が SuperTeam を組むとします。
TeamA が WORLD_1の実機ロボット(ROBOT_1)と WORLD_2 の ROBOT_2_BLUE のプログラミングをします。そして、TeamB が WORLD_2 の ROBOT_2_RED のプログラミングをします。
競技時間は8分間で、競技がスタートすると、WORLD_1 では 実機ロボット(ROBOT_1)が動き出します。そして、同時に WORLD_2では仮想ロボット(ROBOT_2_RED)が動き出します。
競技開始から3分~5分の間に、ROBOT_1 が活動を停止してテレポーテーションすると(ROBOT_1が停止して)WORLD_2 で ROBOT_2_BLUE が動き出す・・・と言う感じです。(だと思います。)
WORLD_2 では、REDとBLUEのロボットが協力して、高得点を目指す・・・
分からないのが・・・
Phase_1で、ROBOT_1は他のチーム(他のSuperTeamのことだと思う)の実機ロボット同士で対戦する。と書かれています。(ルール17.2.1)
しかし、Phase_2には、他のチームと対戦する・・・とは書かれていません。
これ、WORLD_1は、他のチームとの対戦で、WORLD_2は、自チームだけの競技・・・なの!?
もし、WORLD_2も対戦型なら、WORLD_2は4台のロボットが動くことになりますね。
・・・実際、これは、どういうやり方になるのでしょうか?
2台のPCでやるってことかなぁ・・・!?
さらに・・・分からないのが・・・
Phase_2で、2つのロボット(REDとBLUE)がお互いに協力して高得点を目指すのは分かりますけど・・・
17.4.2 ROBOT_2_RED and ROBOT_2_BLUE are able to communicate via a self-defined protocol and work collaboratively on the rescue mission.
の communicate via a self-defined protocol これって、何!?
そのまま訳すと、自分達で定義した通信でコミュニケーションをとる・・・通信を定義するって・・・そんなことできるの?
で・・・競技のやり方は Section 13 を見なさい。(ルール19)と書かれているので、普通の Individual の競技と同じような対戦型の競技のように想像できるのですが・・・
ルールを読んだだけでは、良く分からない、謎のルールです。
これ、2020年用の CsBot を動かしてみればわかるのでしょうか!?
ということで、SuperTeam のルールが大改革された(らしい)のですが・・・実際、見てみないと、何がどのように変わったのかが(ルールを読んだだけでは)良く分かりませんでした。
ついでに、Rescue Simulation のルールでの謎(単に私が疑問に思っていること)
①競技の終了は、なぜ5分後以降でないとだめなの!?
13.6.2 A team may decide to stop a round early if the lack of progress cannot be resolved and 5 minutes have passed.
ジュニアレスキューで言うところの「リタイヤ」です。なぜ、競技開始から5分までは「競技終了」ができないのでしょうか? 別に8分の競技時間のいつでも「リタイヤ」しても良いように思うのですが・・・
(何度も書くけど、「リタイヤ」というのは、日本だけです。世界大会では通用しません。)
②SuperTeam競技では、なぜ、競技の終了を早めることができないの?
19.2.2 Teams are not allowed to stop a round early.
SuperTeam では、「リタイヤ」自体ができません。 どんな状況でも、8分が経過するまで競技が終わりません。 なぜ?
③競技の直前でプログラムの変更を認めたら、順番が後のチームが有利になって、公平性がなくなりませんか?
13.3.3 b) The OC determines whether it is possible to change the AI submitted by the team.
競技が始まってから正式なマップがリリースされるので、正式なマップがリリースされた後にプログラム(AI)の変更を認めたら、公平性が無くなってしまいますよね。上のルールでは「OCが決定する」と書かれていますが、そもそも変更を認めちゃダメでしょう。
④これは私の英語力が足りないだけかもしれませんが・・・
13.9.4 Teams are not allowed to quit a game 5 minutes before the game started.
この文書を素直に読むと、「競技スタートの5分前は競技を中止することができません。」になると思います。
「競技スタートの5分前」は、当たり前ですが、競技中でなく、競技を開始する前ですね。
で、ルールの意味は、「競技をスタートしてから、5分経過するまでは競技を中止ができない」(スタートして0分~5分は中止できない。5分~8分は中止できる)なのですが・・・私は、この英語の文を、そのように解釈ができないのですが・・・