明け方のことだろうか、それとも、深夜、真夜中のことだろうか、夢うつつの中で、何時頃かは、よく思い出せないが、低く、野太い、その声は、明らかに、「ホッホ、ホー」と何度も、何度も、誰かに、呼びかけているように、闇の中で、辺りに響き渡るように、こだましていた。何年か前の冬、いつもの松林を、老犬と散歩していた時、後ろから、何か、大きな影が、頭上を、かすめるように、飛び去って行くので、思わず、首をすくめてしまった。その影の飛び去って行く方向を視ると、1m程もあろうかと思われる両翼を大きく拡げて、白いフクロウと思しき鳥が、赤松の樹の間を、見事に、くぐり抜けて、低空で、滑空していった。開発条件の中に、ここでは、自然保護樹林を設ける約束で、四半世紀余り経過した今でも、保護樹林は、立派に、その機能を維持しているようである。トカゲや、蛙、果ては、ハツカネズミなどの小動物が、豊富に、生息しているので、きっと、森のどこかで、ひっそりと、生き抜いてこれたのであろう。これからも、ずっと、「森の守り神」として、しっかりと、生き延びて貰いたいものである。そう願いつつ、夢着心地の中で、又、寝入ってしまった。
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