男の子は、誰でも、無条件で、カブトムシが、大好きである。幾つになっても?子供達が、小さい頃、夏休みに、夜中に、眠い目をこすりながら、懐中電灯と虫かごをぶら下げて、テニス・コートの傍らの街路灯に、群がるカブトムシやクワガタを取りに行ったものである。ホーム・センターで、買ってきた飼育キットを、育てたら、見事に、立派な大きなオスのカブトムシが、サナギに、変身した後、土の中から、這い出してきた。大きかったので、子供達は、大(おう)ちゃんと名付けて、かわいがっていた。一人では、淋しかろうと、自然界に、育ったメスを、一緒に、大きな箱の中に、入れて、飼って観察していたら、何と、夏の終わり頃に、卵を産んだ。驚いたことに、翌年の夏、それは、無事、冬も、越して、サナギを経て、その子供が、誕生した。そして、その翌年も、又、同じことを繰り返し、3回ほど、「大(おう)ちゃん」の世代交代が、繰り返された。今では、そのお墓は、駐車場のコンクリートの下に、なってしまったが、夏に、カブトムシの飼育キットを見る度に、こうした思い出が、懐かしく想い起こされる。