ムジカの写真帳

世界はキラキラおもちゃ箱・写真館
写真に俳句や短歌を添えてつづります。

あざむきのくぼみ

2018-05-30 04:19:37 | 短歌





あざむきの くぼみに苦き 乳を汲み さかき目をする 子にかへされぬ





*これは、インスタグラムでの活動の中で詠まれた歌ですね。ご存じの通り、インスタグラムでは、心を惹かれた作品に、歌を送ることにしています。

表だっての反応は少ないが、送ってさしあげた人たちにはかなりよろこばれているようだ。ですが中にはこのように、少々きつい歌もあります。

これは確か、ある陶芸家の作品に送った歌でした。白くてそっけない形の小さな器がいくつか並んでいた。昨今流行りの、シンプルで品のよい感じの作品ですが、何か痛いものが染みついていた。

はっきりとは言いにくいですが、盗作に近い匂いがしたのです。

ですから表題のような歌を詠ってみたのですが。詠われた人には、なんとなく伝わったのではないかな。

あざむきの香りのするくぼみのある器に、苦い味のする乳を入れて進めてみたら、賢そうな目をしている子供に、こんなのいらないと言って返された。

子供というのはあなどれません。痛いところで大人のしていることを見ている。そしてかなりきついところを見抜いていたりする。

見くびっていると、時に痛い一撃を食らったりする。

嘘をついていても、いずれだれかに見抜かれてしまいますよ。いえ、もうだれかに見抜かれているかもしれませんよ。

いずれ苦いことになりきる。

もう嘘は通用しなくなる。なんのために馬鹿がそれをしているのかを、人間はもう知っている。

自分がつらいのだ。嘘でなければすべてに勝てないと思っているのだ。だからあらゆる姑息な方法を使って、自分をいいものにしようとする。彼は自分を立てるために、どうやら人ひとりをつぶしているようだ。

しかし本当の人間は、馬鹿な人間につぶされても、見くびっていたらいつの間にかどこかでまたよみがえってくる。

自分の嘘のために利用していたものが、新たなものとしてまた芽生えてくる。

そのときにどうするつもりなのか。






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