538ねん。

プログラムピクチャーとごみ映画を懐かしく語りたいなと・・・

無頼 人斬り五郎

2012-10-05 19:20:58 | 邦画
「無頼」シリーズ第四弾は、シリーズ第二作の
小澤啓一さんが監督として復帰、
更にチーフ助監も澤田幸弘、そして
後の池宮彰一郎こと池上金男さんがこれまた脚本を
小澤啓一さんと共同執筆
ある意味本家返りしたスタッフですが
1,2作とは明らかに違う作品

オープニングで五郎に命を狙われ、息の根を絶たれるのは
大滝秀治さん、台詞は断末魔のうめき声のみですが
そこは名優、見事な死に様です
って本日大滝さんの訃報に接しました
そんな日に、ありし日の死に様演技に巡り会えたとは・・・
また一人名優がおなくなりになってしまわれた
御冥福をお祈りいたします。

ってかこの映画には馬渕晴子さんとNHK専属女優として
活躍された小林千登勢さんも出演されてましたね
弟の裁判費用捻出で苦界に身を沈めた薄幸な役で

ドラマは弟分の裏門仮釈放を見送り
その姉を尋ねて三河まで行く五郎に
名古屋の大組織が親分大滝秀治の私恨をはらそうと

松原智恵子さんも三人目の別人キャラでの出演ですが
相変わらず五郎に寄せる想いは一途なんですね
あまりの一途さ故に、ってかこのキャラ自体が
この映画製作時には日本の女性がいつのまにか
どっかに置いてきてしまった純情を

ノスタルジーな比喩として意図的に創作したンですねぇ
脚本の段階でねぇ
それがピタリと嵌まったって感じかな

毎作、五郎の回りというか、彼に関わった人物は
必ず命を落とすという構図でしたが
今作岡崎二郎と秋とも子のカップルが逃げれたなぁ
と、思わしといての彼らの貨車だけ切り離されてて
やっぱ心中という形であたら若い命を散らしてしまうのねぇ

秋とも子さんがレイプされるシーンでは
彼女のおっぱいがチラっと露出されちゃってましたね
本番で役者さんがミスったンでしょうか
コマ落とししないと見過ごす程度ですから

今作ではあの楽曲だけだったテーマに歌詞がつけられ
渡哲也さんが歌唱されてるのですね
前作では2曲劇中で披露されてた曲は
原作者藤田五郎さんの作詩でしたけど
今作は滝田順氏が詩を書いてる。

ラストのカタルシスは塩田での泥まみれですか
ヤクザ社会の土汚い社会の比喩として
カタルシスでの泥まみれがメッセージとしてパターン化されてきたのかな
次作「無頼 黒匕首 」を見るのが楽しみになってきた

1968年製作、日活作品
小澤啓一監督・脚本作品
池上金男脚本
渡哲也、松原智恵子、小林千登勢、藤竜也、佐藤慶、南原宏治、
小池朝雄、岡崎二郎、秋とも子、大滝秀治、高宮敬二出演

無頼非情

2012-10-05 01:07:19 | 洋画
「無頼」シリーズの第三作目
1,2作とは明らかに違う作品ですか
所謂プログラムピクチャーでのシリーズの持ってる宿命的な
主人公だけ同じキャラで違うお話を作り続けていくという

ある地方都市という設定で、時代は昭和31年
どっから見ても熱海ですがねぇ
冒頭義理で殺しにいくため、雨の中見つめてるアパートは
前作二谷英明さんが住んでいたアパート
近くの公園の遊具まで一緒
続けて見ると変なところが見えてしまうのね

殺される相手側は葉山良二さん
でその奥さんになんとその後国交大臣になった
扇千景さん、病院で寝てられる姿がお美しいし
お若くてスレンダーな容姿に感嘆
こちとら国交大臣の姿しかしらねえし

またまた舞台は横浜ですか
松原智恵子さんも前二作とは別人キャラではありますが
一途さは前作キャラと同じですか
これもシリーズもののお約束ですね

脚本が山崎巌と江崎実生、監督が江崎実生さんなので
所謂ニューアクションというよりは
ある意味コテコテのヤクザ映画になってる

主題歌やEDには渡さんが歌ってますし、
サイドストーリーには
内田良平、藤江リカの夫婦と悪役渡辺文男で
次郎長映画で有名な吉良の仁吉三下り半のエピソードを
パクっていましたねぇ

熱海から横浜ですから東海道ですか
列車がオレンジとグリーンの電車でしたが、
昭和31年にこのカラーの列車って走っていなかったのでは?
前の二作では蒸気機関車だったのにねぇ

藤江リカさんの歌唱シーンと擬闘シーンとの
カットバックとか、
カタルシスの擬闘での7色ペイントブチマケシーンなんかは
シリーズの統一性の表れの演出だと思うけど
どっから見てもコテコテなヤクザ映画だったと
もう一回言っておく

1968年製作、日活作品
江崎実生監督・脚本作品
山崎巌脚本、藤田五郎原作
渡哲也、松原智恵子、扇千景、葉山良二、和田浩治、内田良平、
藤江リ カ、渡辺文雄、名和宏 、郷鍈治、玉川伊男出演