538ねん。

プログラムピクチャーとごみ映画を懐かしく語りたいなと・・・

無頼 殺せ

2012-10-08 22:41:30 | 邦画
渡哲也の「無頼」シリーズの6作目
そしてこのシリーズの最終作になる。
タイトルは「殺せ」と書いて「バラせ」と読ませる
このシリーズは一応日活ニューアクションの萌芽と言える作品群だが
集団時代劇で新境地を拓いた池上金男さんの貢献だろうけど

ある意味旧アクションとニューアクションの橋渡しでしょうか
この作品から協同脚本に永原秀一が加わってるのも見逃せない
この後永原作品から「野良猫ロック」が生まれるンですねぇ
ということで相変わらずの集団滅亡映画
特に今作は徹底した集団滅亡の極致

もうここまでシリーズが進むと時代設定が
定かでなくなって来てるのは、
時代設定によって表現したいテーマに制限がかかることを
極力避けて時代背景をある意味製作時代の
昭和44年当時の状況に置くことで
より映画のテーマである集団滅亡を鮮明にしたンでしょうか

場所は川崎市ですか、
組織拡大の為に鉄砲玉を送る大組織と
地元の旧態一家との確執の中で
所謂空の青、海の青にも染まないで海の上を
飛翔するカモメのような主人公は相変わらずの姿ですけども
今回は古い一家の代貸に世話になっていて
その奥方の妹に松原智恵子さんが
一途さがだいぶ薄くなったキャラでした

キャラと言えば鉄砲玉が主人公に土壇場で助けを求めようとするのが新しい
鉄砲玉の郷鍈治がよい悲哀感を滲ませていたキャラを演じて好演

渡哲也と松原智恵子さんが語り合う川辺は
多摩川のコロムビア水門ですか
このコロムビアの工場番地が港町13番地だとか
美空ひばりさんのあの歌はここで生まれて、あのタイトルが付いたとか
ってのはTVの番組で知った余計な知識ですけども
裏切った近藤宏が追われて転ぶ踏み切りは浜川崎線ですか
昔の川崎の風景がある意味懐かしいな

お里帰りしたンでしょうか?
カタルシスはゴーゴー喫茶で、ゴーゴーガールのミニスカを
ガラス床板越しに見える地下室で
麻生レミとフラワーズのロック「君恋し」と
カットバックでのアクションでしたね

1969年製作、日活作品
澤田幸弘助監督、小澤啓一監督作品
池上金男・永原秀一脚本
渡哲也、松原智恵子、江原真二郎、野添ひとみ、和田浩治、
水島道太郎、郷鍈治、須賀不二男、今井健二 、近藤宏出演