538ねん。

プログラムピクチャーとごみ映画を懐かしく語りたいなと・・・

大幹部 無頼

2012-10-04 20:12:32 | 邦画
渡哲也の無頼シリーズの第二弾
前作「無頼より大幹部」と紛らわしいタイトルでしょう
前作で舛田監督の助監督ファーストだった
小澤啓一の監督昇進第一作で、それに花を添えるかのような
結構日活としては豪華な俳優陣だし

スタッフにも助監督ファーストに澤田幸弘がついている
脚本は前作同様池上金男さんと久保田圭司さん
ということで前作のラストから物語ははじまり
五郎は青森行きの列車で過去を回想する

青森のうらびれた駅頭で踊り子芦川いづみを助ける
芦川さんが大変美しいけど
このまま消えてしまわずに後半は娼婦となって
五郎と絡むも、薄幸な佇まいはなんとも言えない
この娼婦に入れあげてるやくざに「北の国」のお父さん

田中邦衛さんほんとうに儲け役
梶芽以子さんが大田雅代さんで出てましたねェ
恋人の岡崎二郎が殺され五郎の前で泣き崩れるシーンがいい

二谷英明さんとか日活を支えて来てるホボ重鎮クラスまで
出演していて映画に厚みを添えていた
欽ちゃんの奥さんでブレークする前の真屋順子さんお若いこと

ラストどぶ川でのカタルシスなんですが
擬闘と女子高生たちのバレーボールとの
カットバックとのすばらしい演出は
前作でも青江三奈さんの歌う姿と擬闘とのカットバックともダブる

今作の小澤啓一監督は前作のチーフ助監督だった人
ということで、片や堅気の人びとの日常的な描写と
やくざ世界のド汚い日常とのコントラストを描きたかったのでしょうか?
これも脚本なのか監督の演出なのかわかりませんが
前作のラストの映画タイトルといい
今作の健康的な女子高生たちの健全な肉体の躍動
ってのは主人公が堅気になりたくてもなれない比喩か?

従ってどぶ川で泥まみれになりはがらもがくやくざたちの
汚れた肉体という構図か
紋付き袴の袖が引きちぎれた内田良平の背中から左腕には
びっしりと彫られた倶利伽羅紋紋と
小澤啓一の演出も細かい

細かいといえばドスが梯子の鉄わくに触れた時に火花散らしていましたねぇ

1968年製作、日活作品
池上金男・久保田圭司脚本
渡哲也、松原智恵子、二谷英明、芦川いづみ、内田良平、
田中邦衛、岡崎二郎、大田雅子出演