みかんの部屋

自分の趣味(映画・漫画など)に関しての雑記ブログです。

『ダゲレオタイプの女』観ました。

2017-09-26 16:00:00 | 洋画
2016年:仏・白・日。 監督:黒沢 清。 WOWOWからの録画。
わりと評判作のようなので観てみました。
ですが、これは観る人によって評価の別れそうな作品だと感じました。

 
写真家エグレー氏宅を訪れる。          幸いアルバイトとして採用になる。

ジャンはアルバイト(カメラマン助手の働き口)に応募するため、エグレー家を訪問。
中途半端に写真を齧っている人間よりも、何も知らない素人の方が却って使いやすいと
いう理由でジャンは運よく採用となる。
応対に出た男が雇主エグレー氏を呼んでいる間、奥の方から人の気配がする。
見ると少し謎めいた女性が階段を上って行くところだった。

 
階段を上っていく謎めいた女性。         ダゲレオタイプカメラによる写真。

雇主エグレー氏はダゲレオタイプカメラによる独特な写真を個性とする写真家だった。
いまどき巨大なダゲレオタイプカメラを使用する職業カメラマンなどまずお目に掛れないが、
逆にそれが強い個性となって、今でもそれなりの人気を博しているようだ。
エグレー氏にはダゲレオタイプカメラこそが本物であり本来の写真だとの信念があるようだ。
ただし、その極端に長い露光時間に合わせるためモデルには長時間のポーズの固定が要求され、
そのためのさまざまな手法・器具などが必須という、恐ろしく面倒なカメラではあるようだ。

 
ダゲレオタイプカメラによる撮影。        マリーへ就職面接の通知がくる。

エグレー氏の妻の存命中には妻が、亡くなってからは娘のマリーがモデルを務めている。
ただ時にはポーズ中に気絶してしまうほどダゲレオタイプカメラのモデルは厳しい仕事なのだった。
それでもエグレー氏のモデルに対する要求には容赦がない。
ある時トゥールーズの植物園から就職のための面接通知がマリー宛てに届く。
彼女にとっては植物の世話をしている時が一番心が安らぐ時間。
できればパリから遠く離れたトゥールーズの植物園で働きたい。
父親のそばでモデルをしているよりも、その方がずっといい。

 
人生を語り合うジャンとマリー。         亡き妻の霊に怯えるエグレー氏。

同じ屋根の下で若い男女が惹かれあうのは自然なことだったのか。
ジャンとマリーはいつか親しくなり愛し合うようになる。
時にはカフェで将来や人生について語りあったりもする....。

中盤以降、物語にはお金の絡む生々しい要素が出てきます。
それと共にしだいにストーリーにスリラーめいた色彩が加わるようになります。
そこをあまり書いちゃうとネタバレになるので控えますが、
その部分をどう考えるかでこの映画への評価はかなり変わると思います。
ですが本作のストーリーには現実と虚構の境目に相当に曖昧なところがあり、
少し視聴者に判断をまかせ過ぎじゃないですかと監督に言いたい気もします(^^;

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