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みかんの部屋

自分の趣味(映画・漫画など)に関しての雑記ブログです。

『KUBO 二本の弦の秘密 3D』観ました。

2018-06-30 16:00:00 | 劇場用アニメ
2017年・米ライカ。 監督:トラヴィス・ナイト。 3DBDセルにて視聴。
あの『コラライン...』のライカスタジオ制作で、それなりに評判も高い作品の
ようなので、高値がちな3Dソフトですが気合いれて購入(^^;

 
嵐のなか赤子を抱いて舟を進める女。        その赤子の片方の目はえぐり取られていた。

荒れ狂う海。一艘の小舟に乗った一人の女。そしてその胸元には赤ん坊が。
だがその赤ん坊の片目はえぐり取られていた。誰がそんな酷いことを?
女は追手に見つからぬように必死に逃げていた。
人間ならざる者たちから。

 
以来、母子は二人で生きてきた。          食うために大道芸をこなすクボ。

女が気がつく。とある浜辺にうちあげられていた。幸い赤子も近くに。
以来ひっそりと母子だけで生きてきた。
母親は病弱のため伏せっていることが多い。
そんな彼女の世話をするのはクボの役目。
ときには食うために近くの村に出て大道芸を見せ、わずかな銭を稼いだりもする。

 
今日は盆。先祖の霊を迎える日。          先祖の霊を見送る精籠流し。

きょう村では盆を迎えていた。クボにとっては絶好の稼ぎどきでもある。
しかし人々の会話から、盆はご先祖に会える日でもあることを知る。
亡き父親の霊に会い、話をしてみたいと思いついたクボ。
手作りの紙の精籠に向かって一心に祈り続けるが、何も起こらない。
それどころか「ついにお前を見つけた」と声を掛けてくる者たちがいた。
仮面を被り、高い帽子を頭に乗せた女性ふたり。
クボには見覚えがないが、二人とも彼の叔母さんに当たるのだと言う。

 
気がつくと、いつの間にか夕刻になっていた。    出現した二人の女。実はクボに向けられた刺客。

クボの母親は、夕方を過ぎて外にいてはいけないといつも強く言い聞かせていた。
この日の彼は、そのことをすっかり忘れてしまっていたのだ。
辺りはもうすっかり暗くなり、魔界の者たちが動き出す時間にかわっていた。
叔母ふたりはクボに残ったもう片方の目が欲しいのだと言う。
問答無用で襲いかかってくる彼ら。
そこに割って入ったのは死に物狂いの形相をした母親だった。

前期待はけっこう大きなアニメでしたが、実際に視聴してみた印象はいまいち(^^;
外国人の作った”日本をテーマにした”映画や創作は、日本人の目からすると
しばしば違和感を感じてしまう面がありますが、このアニメにも同じことを感じて
しまいました。
監督でありライカのceoでもあるナイト氏は大の日本マニアなんだそうですが。
中国や韓国のイメージがごっちゃになっているぜ、と感じる部分も多く
日本というより、ちょっとだけアジアひとまとめな感じですかね~。
もちろんかなり日本を勉強しているなと感じる部分もありますので
総合的にはプラスなんですけどね。

決定的なのは絵柄(=キャラデザイン)に魅力が乏しいこと。
あと全体に物語に完結感が薄いのもマイナス点ですね。
ストーリーの背景がキチンと説明されていない部分が多いうえに、
終盤を迎えた時点で、本当にジ・エンドなの?という感じが残るのも問題ですね。
採点すれば65~70点くらい?
期待度が大きかった作品だけに、ちょっと残念感が残るアニメでした。
ただ劇中、三味線に合わせて動く折り紙の表現はなかなか見事で楽しかったです。

3D効果はイマドキ風に、立体感をさほどに感じさせない程度に抑えています。
ですが正直この程度の立体効果だったら、価格の安い2D盤でも良いかな、とも思う。
『コラライン』のクッキリした3D感が貴重に感じます。

『メアリと魔女の花』観ました。

2018-06-18 16:00:00 | 劇場用アニメ
2017年スタジオ・ポノック制作。 監督:米林宏昌。 米BD盤にて視聴。
国内盤はクォリティ的に入念な仕上げがされているようですが(特にUHD盤)
自分は内容さえ分れば良いと思い、割安な米BD盤を購入しました。
結果的に間違ってはいなかったように思います。

 
大おばさんの家ではメアリはすることがなく退屈。   庭師の仕事を手伝おうとするが失敗。

大おばの家に一家で夏を過ごしにやってきたメアリ。
ただ両親は仕事の都合で後から来ることになっているが、それにしてもまったく
年の離れた大人ばかりの中で彼女には遊び相手もなく退屈で堪らない。
ある日メアリは飼猫の後を追いかけ、森の奥で一輪の”夜間飛行”を見つける。
それは魔法の力をもつ不思議な花なのだった。

 
森でとても綺麗な花を見つける。           花の名前は”夜間飛行”と庭師に教わる。

とても綺麗な花なのだが名前を知らない。庭師のお爺さんに聞いてみると
”夜間飛行”というのだそうだ。窓辺に飾って眺めてみたりするメアリ。

 
森の奥で”夜間飛行”の魔力がスパーク。       メアリの手のひらでもスパーク。

森の奥で”夜間飛行”の魔力が激しくスパーク。
そしてメアリの持ち帰った”夜間飛行”にも同じ現象がおこる。
そしてメアリはなりゆきで魔法のホウキに乗り、大空へ飛び出す。

 
ホウキは一路天空のエンドア大学をめざす。      メアリに対してバカ丁寧な学長。

ホウキは魔法界最高学府エンドア大学に到着。
大学側の手違いにより、メアリは最高クラスの優秀な新入生として手厚い歓待を受け、
舞い上がる。
だがそれは彼女の実力ではなく、全ては”夜間飛行”の魔力のお陰にすぎない。
それにしても学長は卑屈なほどにメアリをもちあげる。
しかしメアリがただの女の子にすぎず、大して利用価値がないと分ると学長の態度は一変。
捕えられ、実験材料として牢に閉じ込められてしまう。
追いつめられたメアリは何とか事態の挽回をはかろうと奮闘するが。

このアニメ、ファミリー向けのアニメではあるんですが、それにしてもちょっと
大人がマジに観るには内容がちょっと他愛ないように思いました。
ストーリーその他、すべてがジブリ風味で既視感ありあり。
話の展開や意外さという意味ではほとんど感心するべきところが見当りませんでした。

作画技術的にはさすがに安定していて、注文をつけるところって無いですね。
このアニメを観るようなひとってどんなひとかと考えたんですけど、
① ジブリ作品が好きで、同じようなテイストを求めている人。
② アニメ愛好家で、新作なら”話の種タネに一度は観ておかなきゃ”って人。
自分に思いつくのは、この二通りのパターンですかね。

『心が叫びたがっているんだ。』観ました。

2018-06-12 16:00:00 | 劇場用アニメ
2015年:A-1Picture制作。 監督:長井龍雪。 WOWOWからの録画。
大好評だったTVアニメ『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』の
スタッフが再集結して制作、またまた高い評価を獲得した劇場版アニメです。
ただ正直、自分的には『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』を
世評ほどには買っていません。
この『心が叫びたがっているんだ。』に対しても同じく、特別な印象を
もつことはありませんでした。

成瀬順(なるせ・じゅん)は幼いころに両親の離婚で心にトラウマを受けた。
自分が放つ言葉は、ことごとに人を傷つけてしまうという暗い思いこみがある。
口を利くととたんに激しい腹痛を起こして喋れなくなってしまうのだ。
身体の機能には問題はない。これは精神状態からくる彼女だけの特殊な症状なのだ。
そのためクラスメートからは、ほとんど喋ることのない子なのだと思われていた。

 
両親の離婚は自分のせいと思いこむ順。       以来、彼女はめったに喋ることがなくなった。

そんな彼女の心にも、ある切っ掛けによって変化が訪れる。
それが”地域ふれあい交流会”。
地域内の住民の親睦を計る意味で行われる毎年恒例の行事で、
順の在籍している高校も協力していた。
だが普通の高校生に”地域の親睦と振興”などという意識はない。
まわり持ちで指名されたクラスが決りきった簡単なプログラムを
毎年こなしているだけだ。

 
実行委員を一方的に指名する担任・城嶋。      抗議したくても腹痛のため話せない順。

クラス担任の城嶋教諭は毎年おなじように合唱とか朗読が続くことに飽きていた。
今年こそ生徒連中にハッパをかけて、ぱっとした趣向を実現したいと思っていた。
多少強引なのは承知の上で一方的にやる気のありそうな生徒数名を実行委員に指名してしまう。

 
「何とか頑張ってみないか」と励ます担任。     順と拓実、偶然帰りが一緒に。携帯を介しての会話。

指名され困惑する生徒たち。担任は簡単な出しものでは納得してくれそうにない。
たまたま成瀬の声がとてもキレイだと気づく坂上拓実(さかがみ・たくみ)。
普通の会話は強烈な腹痛がでて無理だが、歌うのなら大丈夫なのではという話になる。
実際歌ってみたところではお腹が痛くなることもないようだった。
それなら今年は順を主役にしてミュージカルをやろう、と思い切った方向に話が進んでいく。
それも順の作るオリジナルの物語で。
初めのうち級友たちも半信半疑、しかし次第にみんなもその気になっていき....。

 
役割の分担がそれぞれ決まっていく。         交流会にむけ、みんな練習に熱がはいる。

もうひとつのストーリーへの仕込みとして、
生徒たちの間の”恋愛”の要素も入っています。
拓実は順に対してとても好意的に接してくれる。
彼女の声質を褒め、ピアノもかなり弾ける。
いつの間にか順はそんな彼に淡い感情を抱くようになる。

だが拓実は、クラス委員長・仁藤菜月(にとう・なつき)と以前つきあっていた
時期があった。それがちょっとした行き違いから今は交際が止まっているが
二人の気持ちはまったく変わっていない。
そのことを偶然知ってしまった順は、交流会当日、朝から雲隠れしてしまう....。

このアニメに対する自分の印象を言えば、良く練られた、ソツのない青春もの”
というところですかね。お話はどこといって欠点らしきものは見当たりません。
しかし80点(合格点)は取れているものの、ガツンンとくるような感動という
ものが見当たりません。
”傑作”というものが、そんなに簡単に作れるものじゃないってのも解りますが、
全てが想像の範囲内でのストーリー展開なので、突き刺さってくるような何かを
見つけられないままエンドロールを迎えてしまいました。
作りの丁寧さは感じるものの、何かしら隔靴掻痒の思いが残りましたね。

『プリンス&プリンセス』観ました。

2018-06-09 16:00:00 | 劇場用アニメ
1999年・フランス。 監督:ミッシェル・オスロ。 DVDにて視聴。
この作品の初見はWOWOWからの録画(D-VHS)によるものでした。 
ハイビジョン放送そのものががまだ登場まもないころで、当時の主流ソース
だったDVDとは比較にならない圧倒的な画質をみて愕然としたことを憶えています。
なのでセルDVDが出ても全く食指が動かず、長くBD版の登場を待っていたの
ですが、どうやらもはや発売される可能性は薄そうです(^^;

最近、中古DVD(送料こみで900円弱でした)をアマゾンで見つけて購入。
早速視聴してみました。
画質的には....やっぱりDVDの画質でしかないですね(^^;
格下の画質で観ても、作品の魅力があまり伝わってこず....
32インチ以下のテレビで観るならまあまあかな。
40~50インチ超えのテレビではアラが見えてちょっとキツイかも。
まあ初めから簡単に予想のつくことなので、これはもう仕方がないですね。

 
『プリンセスとダイアモンド』から。        『少年といちじく』から。

 
『魔女』から。                  『泥棒と老婆』から。

 
『冷酷なプリンセス』から。            『プリンス&プリンセス』から。

本作は『夜のとばりの物語』『夜のとばりの物語2』と同時期に
オスロ監督により制作されたものです。
というか同じパターンで作った作品群を、何本かごとに纏めて、
それぞれにタイトルを与えたという話なので、基本的に技法が同じなのは当然ですね。
どれも”影絵スタイル”で”短編集”という体裁になっています。
自分はカラフルで絵画的な愉しみを与えてくれるこの監督さんの作風が好きなので、
出来れば全部BDで揃えたかったのですが、仕方がないですね。
でも、長い間DVDのみだった『キリクと魔女』のBD盤が最近ようやく出ました。
だから同じ展開がひょっとすると『プリンス&プリンセス』にも起こるかもです。
なので引き続き気長に待とうと思います(^^;

『しわ』観ました。

2018-06-03 16:00:00 | 劇場用アニメ
2011年・スペイン。 監督:イグナシオ・フェレーラス。 セルDVDにて視聴。
スペインの漫画家パコ・ロカによる同名作品をアニメ化。
しかしフェレーラス監督のコメント(=特典映像)にあるように、
漫画とアニメ(映画)の語法は同一ではなく、アニメに移植するに際しては
可なりの工夫・手直しが必要だったと述懐しています。
『しわ』というタイトルからわかるように、本作のテーマはずばり高齢化社会。
しかし高齢者自体が問題なのではなく、高齢者を取り巻く環境がむしろ問題なのだと
監督は指摘しています。
そして自分のような年代の者こそ現状を改善していくべき責任があると発言しています。

とてもシビアなテーマですが、必要以上に深刻にならず、しかし現実から目を
逸らすこともなく、時には明るさを感じさせつつアニメは進行していきます。
これは多くの方に広く薦めたい秀作だと感じました。

 
認知症の傾向が出て家族の手に余るようになる。   施設の玄関で息子夫婦と別れる。

元・銀行の支配人として長年を堅実に勤めあげたエミリオ。
しかし今は引退の身となり、毎日をぼんやりと過ごすことが多くなった。
最近では認知症の傾向も見え始め、ついに息子夫婦は老人施設に預ける決心をする。

 
同室のミゲルとの顔合わせ。            ミゲルに施設内を案内される。

同室のミゲル。気さくで親切な男に見えるが、実は要領よく抜け目がない。
自ら施設内をまわって案内・説明してくれるが、
老人たちの判断力低下につけこんであちこちで小銭かせぎをしている。

 
女性はいま列車で旅行していると錯覚。       気が合うエミリオ、ミゲル、アントニアの三人。

自分はいま鉄道に乗って長旅をしていると信じている女性。
ミゲルは車掌のふりをして、”検札”と称してそんな彼女から少額の紙幣を巻き上げる。
まだ頭がしっかりしている者は彼のそんな行動をたしなめるが、
まったく意に介しないようすだ。

 
2Fへの階段。症状が進んだ老人たちのエリアだ。   雨の日。暗い窓外を眺めるエミリオ。

ただそんなミゲルもニ階への階段の前では足を止め、先に進もうとはしない。
「ニ階へ行ったら、もうおしまいだ」吐き捨てるようにつぶやく。
認知症などの症状があるレベルを超え、他者の介助なしでは
生活ができなくなった者のためのエリア、それが”ニ階”なのだ。
みずからの先を思い、ときには雨のふる暗い窓外をじっと眺めるエミリオ。

”BDでは出ていない作品”となぜか勘違い。仕方なくDVDをポチったのですが、
後になってちゃんとBDも出ていると気がつきました(^^;
あちゃー、やってもーた。
でもこのDVDの場合は、わりとみやすい画質でまあまあでした。
もちろんBDには多分敵わないのですが、本作のシンプルな画調のおかげで
あまりアラを出さずにすんでいるという感じかな。