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みかんの部屋

自分の趣味(映画・漫画など)に関しての雑記ブログです。

『ブレードランナー2049』観ました。

2018-07-30 16:00:00 | 洋画
2017年・米。 監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ。 WOWOWからの録画。
この映画を観る前提として、前作の”『ブレードランナー』を視聴済み”は
やはり必須事項でしょうね。
もちろん自分も観ていますが、だいぶ以前のことなのでちょっと忘れている部分も(^^;
割とイイ感じのSF風味コイバナという印象が残っています。
この映画はその『ブレードランナー』の続編となっています。


物語の大詰め。もの哀しい気分の漂うシーン。

主人公Kは新世代のレプリカント(人造人間)。捜査官として旧型レプリカント
の捜査および必要とあらばその”処理”を職業としている。
日々の業務を忠実にこなしつつも、彼の内部には、ある記憶のかけらが住みついていた。
それは、彼の幼いころの記憶。
その記憶が本物なのか、それとも人工的に植え付けられたニセモノの記憶なのか
それが彼を悩ませ続けていた....。
その答えは物語の終盤になって明かされるのですが、なかなか切ないものがありました。

Kを演じるのは、いま多くの話題作に出ているライアン・ゴズリング。
生き残りの旧型レプリカント役として前作同様にハリソン・フォードが。
ちょっと長めの上映時間ですが、なんとか終りまで集中が切れることなく観せてくれました。
それにしてもこの映画を色で例えるならば、自分には濃いグレーと感じました。
ちょっと暗欝な、しかし深みのある色とでも言いますか....。

『私は、ダニエル・ブレイク』観ました。

2018-07-24 16:00:00 | 洋画
2016年/英・仏・白。 監督:ケン・ローチ。 WOWOWからの録画。
『麦の穂をゆらす風』など、社会や政治に対する視点を色濃く反映した
作風で知られる英国のケン・ローチ監督。
一時は引退を表明したものの、それを撤回してまで
”撮りたいテーマが見つかったから”と発表したのがこの映画です。

一言でいってしまえば、国の制度や役所というものの四角四面な執務の
ありかたを批判している映画のようです。
何事も規則優先のあり方は、役人の立場にしてみれば効率的に仕事を進めていける
メリットはあるでしょうが、
我々は血の通った人間なんだ、規則づくではなくまず人間として扱って欲しい。
そんな叫びが聞こえてくるような映画でした。

 
心臓に痛みを感じ、検査を受けるダニエル。     係員は規則ばかり言いたてて不親切な対応。

ダニエルは近年心臓に痛みを感じるようになり、病院の検査を受ける。
医師は彼の心臓に疾患を見つけ、仕事は控えるようにと診断する。
そのためダニエルは生活支援金を受けようと役所に出向くが、まずはパソコンで
手続きをしてくださいと係員に言われる。
だがパソコン操作などまったく出来ない彼は何度やってもうまく入力できない。

 
説明を受けるが、チンプンカンプン。        窓口で口論になる子連れの母親。

役所の職員には操作の説明をしてくれる親切な人間もいるが、
流石につききりになるのは無理だ。
散々奮闘したあげく、結局書類作成を諦めてしまうダニエル。

 
静かにしないと”警察を呼ぶ”と係員。       困窮と空腹のあまり母親は倒れそうに。

ダニエルの近くで子ども連れの若い母親が、窓口員とモメていた。
静かにしないと警察を呼びますよ、と役所側。
気の毒に思ったダニエルは声をかけ、母子とともにその場を離れる。
彼は善意の団体が運営する食料配給所に彼らを連れていく。
母親は今にも倒れてしまいそうなほど困窮し疲労していた。

ダニエルは若いときから腕のいい大工として、長年きちんと
働き税金を納めてきた。
体調をくずしてマトモに働けなくなったこんなときこそ
国は支援の手を差し伸べるべきなのではないか。
何重にも複雑で面倒な事前の手続きをキチンとしなければ話さえ
ロクに聞いてもらえないのはどう考えてもおかしな話だろう。
パソコンを扱えないダニエルには申請書の作成さえ難しい関門だし。
こうした鬱屈した思いが何重にも重なって、ついに彼の感情が爆発。
役所の建物の壁にスプレーで
俺の名はダニエル・ブレイク

大きく落書きして警察に逮捕されてしまう....。

イギリス国民じゃない自分には、イギリスの詳しい国内事情は
もちろん分りません。しかし英国が威勢の良かった頃に作られた
さまざまな福祉制度が、長い不況によって持たなくなってきている
だろうことは想像できます。
まして世の中にはさまざまな制度をうまく利用して、国の支援を受け
働かずに暮らしている層が一定ていど英国内に存在すると聞きます。
国家にとっては癌か寄生虫のようなモノですかね。
テーマがテーマなので面白く観れる娯楽映画とは違いますが、
たまにはこうした作品も、勉強の意味では見る価値があると思います。

『ダンケルク』観ました。

2018-07-09 16:00:00 | 洋画
2017年・英仏米蘭。 監督:クリストファー・ノーラン。 WOWOWから録画。
かなり話題になった映画なので、ぜひ見たいと思っていました。

先の欧州大戦下、連合国側のダンケルク撤退作戦の様子を熱く描いた戦争映画。
要するに戦争序盤のこの頃、ドイツ側の破竹の勢いに連合国側は為すすべもない
といった状況が克明に描かれていきます。
しかしそのことが却って英国人の負けじ魂に火をつけてしまった。
そういう経緯がよく描かれているなと感じました。

 
敗走する英国兵の頭上にドイツ軍のビラ。      降伏を勧める内容のビラだ。

破竹の勢いのドイツ軍側。連合国側は防戦一方の苦しい戦いを強いられていた。
形勢は圧倒的に不利、急いで撤退せざるを得ない状況。
しかし制空権はにぎられ、海には多くのUボートが潜んでいる。
撤退するだけでも大変な困難が伴う。
こうしたときに現場の指揮系統は乱れがち。何とか自分だけは生き残ろうと
あがく者も出てくる。

 
海岸で救助を待つ膨大な人数の英仏両軍。      そこに独戦闘機からの機銃掃射。

救助船を待つ大勢の連合国兵士たち。頭上を舞うドイツ戦闘機からの機銃掃射。
近づいてきた赤十字の病院船も例外なしに攻撃され沈没。
救助船に乗るまでも大変な苦労だが、乗ったあとも一安心ではない。
魚雷攻撃でせっかく乗った船から再び飛びおりねばならない危険は常にある。

 
防波堤は攻撃されて大型船は近寄れない。       敵魚雷を受け炎上沈没する救助船。

埠頭代わりの防波堤は破壊され、大型船は近づけない。
英軍は急ぎ民間のすべての小型船に召集をかける。
乗船可能な人数は少なくても、船の数でカバーしようという作戦だ。
その間もドイツの爆撃機、戦闘機がひっきりなしにやってくる。
英空軍も頑張ってはいるが、なかなか及ばない。
ただ空中戦はクリアーに撮れている印象を受けました。

 
爆撃を受け英軍艦沈没。              飛び込んだ海は重油の炎に包まれていた。

はじめにも書きましたが、苦渋の撤退の記憶が強く刻まれたからこそ、
英国人の心の中に最終的勝利にむけた決意が形成されたと言えるでしょう。
長い長い勝利への道のりのスタートが、”ダンケルク”から始まった....
そのことがよく解る映画になっていました。

これはなかなか飽きさせずに見せてくれる映画だったと思います。
今回ノーラン監督は妙な色気を出さずにうまく纏めたと思いました。

『たかが世界の終り』観ました。

2018-07-06 16:00:00 | 洋画
2016年/加・仏。 監督:グザヴィエ・ドラン。 WOWOWからの録画。
第69回カンヌ映画祭グランプリを獲るなど評価の高い映画なので、観てみました。
しかし自分にはまったく期待ハズレで、かなり退屈な映画でした。
エンドロールまで漕ぎつけた時は思わずホッとしました(^^;


家族との20年ぶりの再会。左から兄嫁、ルイ、妹、母。

自分がゲイだと気づいた青年ルイは、家を出て都会へ。
20年ほど経過した今は、劇作家として成功。
多少なりとも世に名前を知られる存在になっている。

そんな彼は、あるとき医師から末期癌の告知を受ける。
動揺もしたが終活の一環として家族との再会を思い立つ。

しかし20年前に彼が家を出たのも無理はないと思えるような、
しじゅうモメごとの絶えない厄介な家族がそこにはいた。
とくに兄アントワーヌは気分屋で攻撃的、しじゅう喚きつづけて
周囲にカミついている印象で、またこれにいちいち反抗する妹シュザンヌ。
兄嫁カトリーヌはひたすら宥め役に徹する。
母親マルティーヌは事なかれ主義で、
たとえ表面だけでも”楽しい家族”であればそれでいい。
ですがこんな”不毛な会話劇”に付き合わされる観客の立場としては
たいへん疲れるし、かなり迷惑でも有ります(^^;

ただ兄嫁だけは気配から何となくルイの健康状態を察したらしい。
それらしいことをちょっと質してきたりはするが。
結局ルイは肝心なことは何も言えないまま帰ることになる。
この映画の結論としては血を分けた身内といえども自分を理解して
くれるとは限らない、むしろ他人(兄嫁)の方が気づくこともあるかも

ということでしょうか。

俳優陣はなかなか充実しています。
兄役=ヴァンサン・カッセル、兄嫁役=マリオン・コティヤールなど。
とくに妹役のレア・セドゥは印象に残りました。

『ワンダーウーマン』観ました。

2018-07-03 16:00:00 | 洋画
2017年・米ワーナー。 監督:パティ・ジェンキンス。 WOWOWからの録画。
話題の一本なので、観てみました。
マーベルコミックならぬ、ライバル誌のDCコミック出自の”戦うお姫様”です。
こうした架空世界の物語にお話の荒唐無稽さは、むしろ必須の要素と言えますが、
新しいバットマンシリーズあたりから、
ヒーローに人間的な悩み・弱みを加味するのがハヤリになっていると感じます。
要はそのサジ加減なのですが、うまくすれば物語に深み厚みがでると思いますが
本作のばあい自分はちょっとチグハグな印象を受けてしまいました。


物語の終盤。アレスとダイアナとの死闘。

人間の世界に戦争と不幸をもたらす軍神アレス。
人間たちを守るために、最高神ゼウスはアレスと戦いこれを打ち負かす。
ゼウスはアマゾネス島の女王と交わり、ダイアナという女児を設ける。
いつかアレスが復活したときに、その野心を再び挫くために。
そして長い年月が経過してダイアナは美しい女性に成長。

おりしも人間の世界では欧州戦争が勃発、
その火の粉がアマゾネスの島にも飛んできた。
ダイアナは、人間界に起こっている悲惨な戦争はアレスのせいに
違いないと確信。
彼女は自分に課せられた役割を果たそうと、米軍人(スパイ)の
スティーヴと共に故郷の島を出発するのだった....。

終盤のダイアナvsアレスの死闘は それなりに盛り上がりを見せ、
引き込まれるのを感じました。
あまり深く考えずに時間つぶしに観るなら、良い映画なのでは。