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みかんの部屋

自分の趣味(映画・漫画など)に関しての雑記ブログです。

「春琴抄」観ました。

2015-10-08 16:00:00 | 邦画
1976年:東宝。 監督:西河克己。 日本映画HD(CS)からの録画。
ご存知”山口百恵+三浦友和コンビ”による文芸映画の一作。
ある百恵ファンに言わせれば彼女の出演作の最高傑作だそうです。原作は谷崎潤一郎。
自分はこの映画、初めて観ましたが”スターの映画”としては出来の良い方ですかね?

 
爪を切らせる琴。何かと口うるさい。        佐助を伴い琴の稽古に出る。

大阪船場の薬種問屋・鵙屋の次女=お琴は琴・三味線の名手だったが後天的な盲目者だった。
そのため身の回り一切の用事を雇い人の佐助に負う生活を余儀なくされていた。
佐助はお琴を後生大事に思い、お琴は佐助をかけがえのない存在と感じている。
だがきつい性格もあり、お琴は佐助に対してはいつも主人としての厳しい態度を決して崩さない。
昔はそういう身分のけじめがハッキリしていた時代だったということでしょう。

 
師匠㊨との琴の稽古。               雪の降る夜中、寝ずに三味線の稽古。

お琴の演奏は師匠から”自分の後継者に”と望まれるほどの立派な水準に達していた。
すでに名取りも果たして「春琴」の号を得ていた。
佐助はお琴の心のせめて一端だけでも理解したいと、寝る間も惜しんで三味線を独学で稽古。

 
独学の三味線をお琴の前で弾く。          年末の忙しい時に三味線どころやない、と姉からの苦情。

それがお琴の耳に留まって、直接指導を受けることになる。時節構わずの厳しい稽古が始まる。
姉のお良からは「年末の書き入れ時に三味線どころじゃない」と佐助を叱るが
妹のお琴も負けていない。
佐助の三味線は自分が彼に命じたこと、お叱りなら私が受けましょうと譲らない。
母親のとりなしにも「いつも妹にばかり味方して」とムクレてしまうお良。

 
妻からの報告を受け佐助をお琴専門にさせる。    気の強い彼女に似合わず涙を見せる

あとで事情を聞かされた父親・鵙屋安佐衛門。それならばいっそ佐助を店の仕事から解放して
お琴専門の世話係にしてしまおうと決心。
親にしてみれば姉妹のどちらも可愛い。無用の喧嘩の種はなくしてしまうに越したことはない。
あるとき大きな地震が起こる。この時ばかりは普段の構えをかなぐり捨てて佐助にすがりつくお琴。
”いつまでもお嬢さんとは離れませんよ”と繰り返す佐助の優しい言葉に安堵して落ちる涙ひとすじ。

 
佐助に真相を問いただす安佐衛門。         母親のしげもお琴に父親の名前を問う。

あるとき、お琴の妊娠が発覚する。誰が子どもの父親なのか?
佐助に問いただすと天地神明にかけてお嬢さんに手を出すなどということはありえませんと断言。
お琴に訊いても相手のお名前は絶対に云えませんと母親にさえ打ち明けてくれない。
結局、真相は最後まで闇のままになってしまう。産まれた子どもは已むなく里子に出される。

それから間もなくして父親の安佐衛門が病を得て、あっさり故人となる。
続いて琴三味線の師匠だった春松検校も高齢のため死去。
薬種問屋の家業は姉・お良夫婦に任せて自分は佐助を伴い街中の琴の師匠として独立するのだが。
世の波風は世間知らずのお嬢さん=お琴には思いのほか厳しいのだった.,...。
ラストは如何にも谷崎潤一郎(原作者)らしい展開です。

一応”山口百恵+三浦友和コンビ”の映画は全作録ってあります(^^;
すべて何年か前に契約していた日本映画HD(CS)からのものですが。
ただ日本映画HDの画質は、WOWOWなどに比べると、かなり落ちます。
いまは改善されているのですかね~?
せっかく録ったのだから塩漬けにしていないでボチボチとでも観ないと勿体ないかな?

「陸軍中野学校(五) 開戦前夜」観ました。

2015-09-27 21:00:00 | 邦画
1968年:大映。 監督:井上 昭。 WOWOWからの録画。
いよいよ「中野学校」シリーズのの最終作です。ストーリーのパターンはいつも通りです(^^;

 
椎名大尉は香港での任務についていた。       各国のスパイ合戦が熾烈を極める英領香港。

支那事変に始まる日中戦争はその戦闘地域をますます拡大していた。
そんな中で日本の諜報機関員・椎名次郎大尉はP機関とよばれる英米合同の
スパイ組織と鎬をけずる毎日を送っていた。
しかし一旦日本に戻るよう草薙大佐から指令が入る。
日米戦近しの情勢はもはや確定的だったが、問題はそれがいつ始まるのか?
という一点に向けて、P機関スパイの暗躍が激しくなってきている。
開戦の日程は近く開かれる御前会議で決定するが、椎名大佐には機密漏洩の絶対防止と
P機関潰しを頼みたい。

 
事情が変わって急ぎ日本に呼ばれる椎名。      目下のターゲット=ダイク大佐。

P機関としては、まず御前会議の出席者の周辺を暗躍するだろうとの予測のもと、
こちら側もそれを目当てに行動してゆくのが手っ取り早かろうと計算する。
あらかじめ海軍情報部の調査によって、駐マレーのダイク大佐という人物が浮上していた。
彼は宿泊しているホテルのバーに毎晩現れては30分ほど時間を過ごすのが日課だ。
その30分の間に部屋に忍んで証拠を掴まねばならない。

 
部屋に侵入して極秘情報を写真に撮る。       椎名は怪しまれて敵側の手に落ちてしまう。

薄氷を踏む思いで何とか情報の盗撮に成功する。しかし”何となくこいつは怪しい”
というスパイ同士の勘から敵側に怪しまれて捕えられてしまう椎名大尉。
自白剤を飲まされるが鋼鉄のような強い意志で自白の強要を撥ねかえす椎名。
連絡の途絶えたことを不審に思った仲間が駆け付けてきて、ようやく彼は救けられる。

 
いよいよ御前会議は決した。行動の段取りを検討。  この頃すでに日本側は開戦準備を進めていた。

辛抱強く情報の収集を重ねてきた日本軍情報部。
自宅静養中の大物政治家・大原氏。どうもこの人物の周辺から重要な情報がリークしている様子だ。
その一連の流れもおおよそ浮かんできたが、踏み込むにはまだ明確な証拠が足りない。
だがP機関の方でも一刻も早く日本側の決定の情報を掴みたい、とあせっていた。
そのため敵側の行動に綻びが見えてきて....椎名たちはそれを見逃さなかった。

「百円の恋」観ました。

2015-09-08 18:00:00 | 邦画
2014年:東映ビデオ。 監督:武 正晴。 WOWOWからの録画。
評判の良い映画なので観てみました。期待通りでしたね。
それにしても主演の安藤サクラさん、ストーリーに合わせて映画の前半と後半では
全く表情が違いますね。別人のようです。
それが仕事とはいいながら、役者さんというのは大変なもんだなあと思いました。

 
一子と出戻りの姉。始終ケンカ。           生活のためコンビニで働く。

引きこもりの一子は32歳にもなって外へ働きに出たことがない。
そこへ姉二三子が子供とともに実家に出戻ってきた。家業の弁当屋を手伝うでもなく
自堕落な毎日を過ごす一子にイライラする姉。毎日のように姉妹喧嘩が絶えない。
母からはお前もいい加減に家を出て一人暮らしをしてみろと諭される。
当座の費用としてそれなりのお金を渡す母親に二三子は「全く甘いんだから」と憤慨。

アパートを借りて一人暮らしを始めたものの、さすがに働かなければ喰っていけないことは
一子にも解る。なんとかコンビニのバイトの口を見つけてそこに滑り込む。

いつもバナナを買いに来る男の客が居た。バイト達は陰で「バナナマン」と揶揄。
そのバナナマン=狩野からデートを申し込まれ、応じる一子。

 
何となく誘われて動物園でのデート。         狩野はボロ負け。

なんとなく満更でもない二人。
ある日ボクシングのチケットを渡され、彼の試合を見に行く。ところが結果は圧倒的な
ぼろ負け。彼は今まで一度も勝ったことがなく、しかも年齢的にも最後の試合だったという。
試合ののち残念会が持たれたのだが、その後二人は誤解が元で疎遠になっていく....。

 
一子もボクシングに興味を持ち入門。         豆腐屋の姉ちゃんに鞍替えされる。

狩野の影響でもないのだろうが、一子もプロボクサーを目指して青木ジムに入門。
以来、ひたむきに練習を積んでいき、メキメキと実力をつけていく。
偶然、道で狩野と出会う一子。ただし豆腐屋の姉ちゃんと二人で豆腐の巡回販売中。
鞍替えされてしまったようだ。

 
必死の形相で練習の一子。              いよいよプロのリングに上がる。

それからは形相さえ変わって、いままで以上にトレーニングに打ち込むようになる。
プロテストにも一発で合格。
そうなると、これまでは”女がプロを目指したって無駄だ” ”だいいち女のプロは
32歳までという年齢制限があるんだ”と反対していたジムの空気も段々と変わりはじめる。
幸い試合相手も決まって、デビュー戦に向けて鍛錬を積む一子。

彼女、気がついているかどうか。これは狩野へ向けた一子の純愛ストーリーでもあるんですね。
中々いじらしいヤツ、と思いましたね~。

「超高速!参勤交代」観ました。

2015-09-06 18:00:00 | 邦画
2014年:松竹ほか。 監督:本木克英。 WOWOWからの録画。

タイトルが結構面白そうだったので”観てみようか”となりました。
しかし面白いギャグが連発(期待してましたが)....とまではいかず、
ほんのりユーモア調と云う程度でしたね(^^;
いまどき腹を抱えて笑えるようなギャグを連発ってなかなか難しいんでしょうね。

 
江戸詰から国元に帰ってきた藩主一行。       好物の沢庵がしみじみと旨い。

一年の江戸詰めを終えて、ようやく国元に戻ってきた藩主・内藤政醇の一行。
やはり故郷はいい。空気も旨いし大好物の沢庵も存分に食える。心が和む。

 
幕府からの登城せよとの達しが届く。        途中を省略せねば到底間に合わない。

だが青天の霹靂とも言うべき事態が勃発。
帰ってきたばかりの内藤に対して、再度江戸に参勤するようにとの通達文が届く。
しかも期限はわずか五日しかない。これはあまりに無茶な要求だ。
貧乏藩の財政はとうに底をついている。
どう考えてもこれには何か裏の事情がありそうだが、さりとて悠長に
詮議などしている時間はない。直ちに支度を整えて江戸に向かわねば。
それにしても通常のルートを使っていたのでは到底間に合わぬ。
ほとんど全行程を山越えで、関所の役人の目の前だけ行列姿で通過する作戦を思いつく。
しかし藩内の山地ならともかく、江戸までの山道に詳しい者はいるのか?

 
道案内役としてはぐれ忍者を雇う。         藩主従者みな駆け足での出発。

そこに少々怪しげな風体のはぐれ忍者、霧隠段蔵の登場だ。
自分は江戸までの困難な山越えのルートを自宅の庭のごとく知っている。
ついては道案内役として自分を雇ってほしいと申し出る。
10両+酒で交渉成立。
彼を雇ったことが果たしてプラスになるのか、マイナスになるのか.....。
いずれにしても藩の存亡を賭けて翌朝早くに少数精鋭の人選で藩主一行は
駆け足で湯長谷城を後にするのだった。

「陸軍中野学校(四) 密命」観ました。

2015-09-04 17:00:00 | 邦画
1967年・大映。 監督:井上 昭。 WOWOWからの録画。
このシリーズの視聴もいよいよ4本目になりました(^^;

 
いきなり憲兵に逮捕される椎名中尉。        同房となった高倉氏と。次第に親しくなる。

外出中にいきなり憲兵に拘束されて日本へ強制送還。なんと身に覚えのないスパイ容疑が
かけられている模様だ。必死に冤罪を叫ぶが、その声を聞こうという者は居ない。
その時にたまたま同房となった高倉氏。元大臣まで務めた人物で内外の要人の間で友人も多い。
彼の思想は時の政府の方針に沿わぬがために、明確な理由もなく収監されていたのだった。
似たような境遇に二人の間には親しみの感情が徐々にわいてくるのだった。

 
事情を説明する草薙中佐。             箱根の高倉別邸を訪問する椎名中尉。

草薙中佐によれば、最近日本国内に大物スパイが潜入してきた模様だ。
そのためにトップシークレットが非枢軸国側に頻繁にリークしている形跡がある。
その大物スパイのコードネームはキャッツアイ。その実態は全く解っていない。
ただ高倉氏の広範な交友関係の中にその人物が入っている可能性が高い。
そこで高倉氏と親しくなって、なんとか早くキャッツアイの手掛かりを掴んでほしい。
スパイ容疑云々も高倉氏とのとっかかりを作るための工作だったと明かされる。

とにかく椎名少尉は箱根の高倉別邸を訪問し、歓待を受ける。
娘の美鈴は椎名に好意を持つようになり、父親の身辺警護を依頼するが....。

 
腑に落ちぬ体の高倉氏。              情報通の浅井夫人に近づく。

高倉氏は内外の要人を招いて自邸でパーティーを催す。
そこでの椎名中尉のあまりに洗練されたマナー、達者な外国語に非常な違和感を覚える。
”こいつは一体何者なんだ”。そして椎名の正体(諜報員)を見破る。
『スパイは嫌いだ、この家から出て行け』
素直に出ていく椎名を美鈴は呼びとめ、彼へ協力を誓う。(惚れちゃったようですネ)

 
美鈴は椎名へ協力を申し出る。           高倉氏の暗殺。

あれこれ手を尽くしてみるのだが、捜査は思うように進まない。浅井夫人の線は
有望と思われた。実際彼女はキャッツアイの正体を掴んだようだったが、その直後に
彼女は何者かに殺害されてしまう。またも振り出しだ。
同盟国ドイツ大使館付きの武官ウインクラーは日本の諜報機関を無能だと決めつける。
誇りを傷つけられた椎名中尉は「二週間以内で解決する」と明言するが、そのタイム
リミットは容赦なく近づいてくる....。