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みかんの部屋

自分の趣味(映画・漫画など)に関しての雑記ブログです。

「鉄砲伝来記」観ました。

2015-12-12 16:00:00 | 邦画
1968年:大映。 監督:森 一生。 WOWOWからの録画。

 
1543年の秋。                   南蛮船が台風のため種子島に漂着。

時は1543年の秋。明(今の中国)を出港した南蛮船が折悪しく台風に出会い遭難。
船は日本領・種子島に漂着する。
領主の種子島時尭は一行を吟味した結果、船を修理するまでの間、島に滞留する許可を与える。

 
南蛮船の一行を吟味する時尭。           銃の威力に一同愕然となる。

船長ピントオは感謝の印として南蛮銃を贈り、その場で銃の試射をして見せる。
その威力を見せつけられた時尭はすぐさま刀工の八坂金兵衛を呼びつけて南蛮銃の模造を命じる。
「銃も刀も鉄のものだ。刀工のお前ならできるだろう」。
偉い人ってのはどうしてそういうムチャな理屈を言えるんですかね(^^;
領主の厳命を受け何とか銃の模造を成功させようと、あれこれ工夫を重ねるが何度も失敗。
とうとう銃の暴発事故で重傷を負い、床に伏せるようになる金兵衛。

 
時尭は金兵衛に南蛮銃の模造を命じる。       快く銃を貸してくれるピントオ。

そんな時に領主から預かった銃が盗まれるという重大な事態が起きる。
金兵衛の娘・若狭はピントオ氏がもう一丁の銃を所持していると聞きつけ、
半ば泥棒のように銃を持ち帰ろうとするところをピントオ氏に発見されてしまう。
二人は揉み合うが、あまりに真剣な若狭の表情に、ピントオ氏は銃を一時貸すということにする。

 
医療の心得のあるピントオ。            世界地図を前に話の弾む若い二人。

外科医療の心得のあるピントオ氏は、金兵衛の体から弾の破片を手術で取り除く。
そのお陰で金兵衛の体は直ぐに回復に向かう。
ニ度も大きな恩を受けて、若狭の気持ちはピントオ氏に傾いていく....。

これは鉄砲伝来の史実をダシにして創作された悲恋ストーリーですね。
残念ながらドラマとしての出来ばえは平凡です。
出演陣は若尾文子、東野英治郎など当時の一流どころですが、
今の時点で見るとさほど魅力的には映らず、
まあ時間があれば観ても良いかな、というくらいの映画ですかね?

「剣」観ました。

2015-11-16 16:00:00 | 邦画
1964年:大映。 監督:三隅研次。 WOWOWからの録画。
三隅研次監督+市川雷蔵主演による「剣 三部作」の第二作目。
前作「斬る」同様に、たいへん日本的なものに触れる思いのする映画です。
原作は三島由紀夫と聞いて「なるほどなあ」と感じました。

 
国分の信念は「強く正しく、さもなければ死」     毎日の真剣な稽古風景。

東和大学の剣道部主将・国分青年。彼の人生における信条はシンプルで明快だ。
強く正しく、さもなければ死。
とかく人間はどうしても物事を自分の基準で考えがちなものだ。
自分にその気はなくても、いつの間にか周りにも自分の考え方を押しつけてしまう、
そんな行動をとりがちなもの。
とりわけ同じ剣道部員の賀川は、上から目線で圧迫されるような不快感を国分から
常に感じさせられてきた。そのため国分に対しては反抗的だ。
逆にそんな国分の純粋さに惚れこみ、強く慕う後輩・壬生がいたりもする。

 
遊び半分で大学の鳩を撃つ連中を追い払う。      経緯を始めから見ていた。国分に好意を抱く恵理。

大学の敷地内で飼っている鳩を面白半分に空気銃で撃っている連中を
見かけて追い払う国分。
物陰で初めから経緯を見ていた文学部の恵理。しだいに彼に惹かれていく。

夏の合宿の時期が近づいてきたが、部の財政状態は正直厳しい。
国分は実業家で金廻りの良い父親の事務所へカンパを頼みに行く。だが不調に終わる。
「お前はクソ真面目すぎる」女を買う金なら幾らでも出すと言うのだが(^^;
仕方なく、というか例年通り部員総出のアルバイトで合宿の経費を工面する。

 
起床後すぐに3キロのランニング。          午後は中学校の体育館を借りて稽古。

いよいよ夏の合宿がスタートだ。
初めに主将・国分から注意事項の伝達。海が目の前にあるが泳ぐのは厳禁。
気が緩んで合宿の妨げになるからのようだが....面と向かって不満を言う者はいない。
第一、余りの猛練習でげんなりして三日ほどは皆の食欲すらない。
だが四日目に入ると体が猛然と食べものを要求。これで最初の厳しいハードルは越えた。
以降、順調に合宿の日課をこなしていく。

 
「泳ぎに行こうぜ」賀川が言いだす。         みんな嬉々として海に入る。

だが日程も八日目になり、あと二日で合宿が終る。皆の気持ちに緩みが生じる。
顧問が合宿に顔を出すと言うので国分ほか三人で駅まで迎えに行く。
歩くと往復ニ時間はかかる距離だ。その間にちょっとだけ海に泳ぎに行こうと賀川が提案。
”国分がダメと言うことなら何でも反対したれ”そんな感じがありあり。
合宿所の目の前に海がある。みんな少し迷うが結局は同意してしまう。
だがこのことが後になって深刻な結果を招くことになる....。

自分的にはこの映画の結末は、ちょっとエキセントリックすぎる感じですね。
当時の観客には違和感は無かったんでしょうか?
まあ三島(原作者)らしい展開とも言えますが。

「バンクーバーの朝日」観ました。

2015-11-10 16:00:00 | 邦画
2014年:配給=東宝。 監督:石井裕也。 WOWOWからの録画。
中にはこの映画をあまり評価しない向きもあるようですが、自分的には良いと思いました。
太平洋戦争戦争直前のカナダにおいて野球に打ち込む日系青年たちの足跡を描いています。

 
苦労の連続だったカナダ移民の一世たち。      日系青年たちは野球チーム結成。

白人社会のカナダにおいては日系人は何かと差別され、決して住みやすい国ではない。
辛いことも多いが、青年たちは前向きだ。同志を募って野球チームを結成。

 
巨躯の白人が投げる球はさすがに威力がある。    何とか打とうという気はあるのだが....。

もちろん初めのうちは全く勝てない。
日系人の小さな体では白人たちの大きな体駆から繰り出されるパワーには抗しがたい。
普通に考えれば、運動をするのに他が同条件ならば体の大きい方が有利。それは動かない事実だ。

 
白人たちは打撃力も凄い。             これが試合結果。完敗。

だがそれを乗り越えて、何とか勝てる方法はないのか?
考えに考え抜いた挙句、主将の頭に一つの小さなアイディアが浮かぶ。
バントだ!
これに賭けるしかない!

 
考えた挙句のバント攻撃。             ようやく一勝をもぎ取る。

苦労の末に思いついたバント作戦は大当たり。ようやく一勝をもぎ取る。
突破口を開いたことで、チーム全員が積極的に動き出す。
白人たちは確かに体が大きいしパワーも凄い。だが細かな駆け引きには弱いようだ。
バント作戦に続いて思いついたアイディアは、徹底した盗塁作戦。
相手の一瞬の隙をつくこの作戦は日系人の打撃力不足を大いに補うことになる。
こうしてバンクーバーの町の朝日チームは、一歩一歩勝利を積み上げてゆく。

最初朝日チーム側はバントにせよ盗塁にせよ、正攻法の戦い方ではないとの
認識があった。いわば勝つためになけなしの知恵を絞った情けない勝ち方だと。
しかし白人側からは寧ろ「頭脳的プレイ」との評価が高いことで、
なにも自分たちを恥じる必要はないのだと考えが変わる。
それならこの戦法で徹底してやり抜くしかない!

やがて日米間で戦争勃発。真珠湾攻撃にはじまる太平洋戦争は、
アメリカの同盟国であるカナダ政府の日系人への締め付けをますます厳しくさせる。
政治情勢に敏い者は一足先に日本行きを決意したりする。
だが一世たちの祖国日本にも日系人を差別する風潮があり、必ずしも住みやすそうではない。
徴兵制度もある。いずれにしても厳しい決断を下さねばならない。
やがてアメリカ国内同様に、日系人だという理由だけで強制収容所に送り込まれるようになる。

日系人が強制収容所から開放されたのは日本の降伏後、四年の後のことだった。
さらに戦前の小さなバンクーバー町の朝日チームがカナダ野球史の殿堂入りしたのは2003年。
現在のバンクーバーは発展を遂げブリティッシュコロンビア州最大の大都会であり州都とも
なっている。

「うさぎドロップ」観ました。

2015-11-01 16:00:00 | 邦画
2011年:SABU制作。 監督:SABU。 WOWOWからの録画。
宇仁田ゆみさんの原作(漫画)による実写映画です。
ただ個人的にはTVアニメの方を先に観てしまったために、
”同じようなストーリーをなぞって観ている”という感覚から離れられませんでした。
ただ終盤のエピソードがTVアニメとはちょっと違っていました。

 
爺さんの葬式。                   爺さんには隠し子がいた。

河地大吉(ダイキチ)の祖父にあたる鹿賀宋一氏が亡くなった。
その時になってジイ様には隠し子がいたと発覚して親戚一同、仰天する。

 
親戚一同で協議。誰も引き取り手がいない。      改めて帰路の途中、これからのことを考える。

いずれにしてもまだ小さな子だ。誰かが世話をしなければならない。
だが誰も引き受けようとしない状況にダイキチは義侠心から手を挙げる。
というか、つい挙げてしまう(^^;
この時は子ども一人を引き受けるということが、どんなに大変なことか全く分かっていなかった。

 
りんの握ったおにぎりでの食事。           多忙な職場のため激務が続く。

いざ子どものいる生活が始まってみるとハードルは思いのほか高い。
初めに子どもを保育園に入れる必要がある。
身の回りのもの一切を買い揃えなければならない。
子どもの健康にも気をつけなければならない。
おねしょすれば子どものプライドを傷つけないように後始末もしなければならない(^^;

 
朝の混雑の中をりんを抱いて通勤。          夜は遅く迎えに。保育園にはりんしか残っていない。

もともとダイキチの職場は多忙で残業も多い。夜の保育園への迎えも遅くなりがちだ。
彼は今の職場にいたままでの育児は負担が重すぎるとの結論を得る。
そして残業のない部署への異動を願い出て受理される。
当然出世コースからははずれることになる。
果たして彼ダイキチは、育児のために自分を犠牲にしたことになるのか?
必ずしもそうとは言えない。
ダイキチは次第に子どもを育てることから受けるものの大きさを実感していく。
最後は露骨に泣かせるシーンがあります。自分は退いてしまいましたが(^^;

この映画、デキは平均以上だとは思いますが、先に観たせいかTVアニメ版の方が好みですね~。
それにしても芦田愛菜ちゃんは可愛いですな。ファンが多いのも判ります。

「斬る」観ました。

2015-10-29 16:00:00 | 邦画
1962年:大映。 監督:三隅研次。 WOWOWからの録画。
三隅研次監督+市川雷蔵主演による「剣」三部作と呼ばれる作品群の第一作。
この映画は大きく二つのストーリーに分けられます。
  前半部:主人公・高倉信吾の出生に関する秘密。
  後半部:幕府大目付松平大炊頭に仕えた三年間。

 
三年間の武者修行に出る信吾。           父とともに兄の帰りを待ちわびる妹・芳尾。

高倉信吾は父=小諸藩士・高倉信右衛門の許しを得て三年間の武者修行に出る。
三年の後、信吾は必殺の剣を体得して国元に帰ってきた。

 
水戸藩士との真剣勝負。              死ぬ間際に出生の秘密を打ち明ける義父。

ちょうどそのころ水戸の剣客・庄司嘉兵衛が小諸藩の招きに応じてやってきていた。
当時の通例として、歓迎の意味もあり早速剣術の試合が催される。
抜群の強さを見せる庄司嘉兵衛に信吾は必殺の剣で勝利を収める。

話が変わって隣家の池辺義一郎・義十郎父子。
息子・義十郎の嫁にと妹・芳尾を望んだが高倉信右衛門に断られ、
これを恨んだ池辺父子によって信吾の留守中に父と妹は斬り殺されてしまう。

 
国境で追いつき父と妹の仇を討つ。         亡き実母の墓守として生きる実父。

すぐに池辺父子を追いかける信吾。国境で彼らに追い付き父と妹の仇を討つ。
そのまま彼は藩を脱するが、信吾の出生の事情を知る藩主は「追いかけては成らぬ」と厳命。
しばらくあてどのない旅をした後に江戸に流れ着く。
千葉道場の門を叩き、道場主と手合わせするが、「これは相討ちになってしまうしかないようだ」。
信吾も納得して勝負は引き分けということになる。
そこの道場主に見込まれ、就職先の世話をされる。幕府大目付松平大炊頭の護衛職だ。

ここからは後半部となりますが、敢えてこれ以降は書かないことにします。
ただ言えることは、日本的情感が流れるシーンが多いなあという印象です。
明確な筋書きは必ずしも意味をもたないのかもしれない映画と感じます。