日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

総選挙の出口調査結果が外れたのは日本人のバランス感覚のゆれ

2021年11月10日 09時42分26秒 | 日々雑感
 10月31日に行われた衆議院総選挙で、自民党は261議席と改選前の276議席から減らしたものの単独で絶対安定多数を確保し、共産党等との共闘体制だった立憲民主党(立民党)は改選前の110議席から96議席に後退したのは、全くの予想外であった。

 安倍政権、菅政権と事あるごとに丁寧な説明をすると言いながら、国民が納得できる説明が聞かれなかったのは、圧倒的多数を占める自民党の驕りと思われ、今回の総選挙で国民の怒りが反映されると思っていたからだ。

 さて、立民党の後退は共産党と組んだ野党連合の失敗だとする論調が目立つ。しかし、小選挙区では当選議員数を増やしながらも、比例区での減少が足を引っ張っており、比例区での投票で立民党と書か無かった人が多かった点を重視すべきであろう。

 枝野代表は選挙に際し、政権選択の選挙であると主張していたが、立民党は国民から政権を委ねられるだけの信用があるのだろうか。枝野代表は昔の民主党政権時代の幹部であり、民主党政権時代の混乱を思い出させ、いくら立派なことを主張しても実現できないことを知っているからだ。

 メディアの世論調査では、自民候補vs.立憲候補という構図が多くなり、自民党は大幅に議席を減らすとの見方が広がっており、また、投票締め切り直後の出口調査結果でも自民党苦戦が語られていた。公平さをモットーとするNHKの調査結果による当選者数の予想は、自民党が212~253、立憲民主党が99~141であった。NHKは、間違いを恐れるためか予想幅を大きくしていたが、結果は、自民が261で立民が96であり、その幅の中にも入らなかった。出口調査は各メディア毎も行っており、どこでも似たり寄ったりであった。

 従来の選挙では、出口調査の信頼性が高く、投票締め切りと同時に発表される当確情報が間違いなく当たり、開票速報の興味が半減することが多かった。しかし、今回の選挙では出口調査を含む世論調査の結果が外れたのはなぜであろうか。

 出口調査とは選挙結果をいち早く知るために、投票所の出口で投票した人に直接投票行動を尋ね、それに基づいて実際の得票数を推定することである。この手法は昔から行われており今回も同じはずである。

 さて、国民の大多数は政府の説明に納得できていないと感じていたはずだ。しかし、立民党に政権を委ねる訳にもいかず、与野党伯仲の構図を望んでいたのではないだろうか。

 自分の1票が伯仲構造を実現するためにはどこに投票すべきか悩み、選挙前のマスコミの自民苦戦に乗せられ自民党と書いたのではないだろうか。

 選挙結果に関する世論調査で、野党の議席が”もっと多いほうがよかった”が40%、今回の結果で”ちょうどよい”が41%で、拮抗している。岸田新内閣に対する期待が”ちょうどよい”との評価になったのであろうが、来年の参院選までに丁寧な説明が実現されるであろうか。2021.11.10(犬賀 大好ー762)


コメントを投稿