日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

世界の指導者の国民支持率の重要性

2022年04月27日 09時50分24秒 | 日々雑感
 ロシアがウクライナに侵略を始めたから2か月が経ち、益々混迷を深めているが、ロシア政府系の世論調査機関の調査では、プーチン大統領の国内支持率は侵攻後に軒並み上昇しているのだそうだ。政府側の調査ではさもありなんと思うが、独立系の調査でも、3月の支持率は83%を記録し、2月の71%から12ポイントも上昇したそうだ。

 プーチン大統領は世界の国々から非難を浴びており、この人気は異常で理解に苦しむが、支持する人の多くは高齢者や地方に住む人達などで、彼らの唯一の情報源となっているのが政権のプロパガンダを伝える国営放送で、多くの人が国営メディアで伝えられることが事実だと政権の意図をすり込まれているためだと指摘する人も結構多い。

 一方、米国ではトランプ前大統領の支持率が相変わらず高そうである。トランプ氏はバイデン現大統領に大統領選で敗れた後も選挙に不正があったと主張するなど往生際の悪さを表していたが、それでも支持率は約40%と驚くほど高かった。この支持率の高さは岩盤支持層と呼ばれる熱狂的な支持層の存在のようであり、ロシアと異なり情報源が限定されている訳ではないだろうが、自分たちの不満を代弁する情報のみに耳を傾け、他の情報には耳を塞ぐのであろう。外部からの規制ではなく、自らの規制と言える。

 さて、トランプ前大統領はウクライナ侵攻の直後の2月26日、南部フロリダ州の大規模集会で、一応侵攻を非難したものの、ロシア批判よりもバイデン政権への攻撃を優先し、2024年の次期大統領選挙への再出馬を匂わせたものと思われているそうだ。

 また、最新の米世論調査ではバイデン大統領の支持率が40%と就任後最低を更新し、国内で物価高が進み、ロシアによるウクライナ侵攻に対する弱腰外交で、次期大統領選挙を危ぶむ声も聞かれる。しかし、単なる支持率の投票と大統領選の投票は別物と考えた方がよさそうである。

 つい先日行なわれたフランス大統領選挙において、現大統領のマクロン氏が得票率58.6%、極右政党のルペン氏(53)が41.5%となり、マクロン氏が再選されたが、ルペン氏は大幅に投票率を伸ばし敗れたものの勝利したかのような喜びだったそうだ。EU協調派のマクロン氏が勝利し、対ロシア作戦はこれまでと変わらないであろうが、対ロシア柔軟派の伸びはプーチン氏を内心喜ばせているだろう。

 支持率の数値だけからすれば、プーチン氏が圧倒的に国民に支持され、バイデン大統領やマクロン大統領は国民の半数にしか支持されない。しかし、普通のアンケートでも質問の仕方により結果が異なることは良く知られている。

 プーチン氏はウクライナのロシア占領地域で住民投票を計画しているとの情報もある。住民の多数の意見を聞くための住民投票は一見民主的な手法であるが、為政者にとって住民をある方向に誘導する手法にもなる。民主国家においては様々な意見が存在する。圧倒的な支持率はむしろその背景を疑ってみるべきであろう。2022.04.27(犬賀 大好ー810)


1 コメント

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プーチン国内支持率  (もののはじめのiina)
2022-05-15 11:34:40
独裁国家内で、プーチン不支持とは言えないから当然にプーチン支持率は上がります。

それでも、ある程度残虐行為を行っても国内が混乱するよりは、強いことは好いことだとする国民性があるなんてテレビで解説してました。

まさしく、プー珍現象です。
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