昨年12月、大阪府と読売新聞大阪本社は包括連携協定を結んだそうだ。この包括連携協定は、府民サービスの向上、府域の成長・発展を図ることを目的とし、教育・人材育成、情報発信、安全・安心、子ども・福祉、地域活性化、産業振興・雇用、健康、環境等の8分野にわたっているとのことだ。
新聞社の紙面を用いた情報は、スマートホン等を介した電波情報伝達に太刀打ちできず、デジタル新聞等に手を広げているが、見通しは暗い。そこで情報を得易くする為であろうか、サービス向上の名目で政治と手を結んだ。
先述の包括連携協定は文字面良いことだらけで表面上何ら問題ない。しかし、大阪府関係で政治的に不都合が生じた場合、大阪府側から公表を控える等の要求があるかも知れない。ジャーナリストとして当然拒否はするだろうが、日本人には忖度の得意技があり、府におもねる人や組織も出てくるだろう。
昨年暮れ、ツイッターの匿名アカウント「Dappi」の書き込みに対する損害賠償訴訟が東京地裁で始まった。このツイッターは、野党議員の言動の一部を切り取り事実と異なる内容で執拗に攻撃していたそうだ。
投稿に使われたインターネット回線の契約者は、東京都内のウェブコンサルティング会社と判明したが、契約者と投稿者の関係は分かっていない。攻撃内容から、投稿者は個人ではなく組織的に行っていると判断され、そこに政治的な介入があると伺わせる。資金のあるのは政権側だ。政権側に都合よく動くのは思想的に合致するからではなく、金のためであろう。
このような国民の不信を買う出来事の発生は今回が初めてでは無いが、安倍元首相が拍車をかけたことは間違いない。森友学園・加計学園問題から始まり、桜を見る会まで、その都度安倍氏は国民に丁寧に説明すると言いながら、国民の大半は今もって納得できないでいるが、岸田現首相は菅前首相と同様に過去の話として頬被りでいる。
最近、首相とメディア幹部との会食の話はあまり耳にしないが、安倍元首相とメディア幹部との頻繁な会食は有名であった。2016年2月、当時の高市早苗総務相は国会で、政府が政治的公平に反すると判断した放送局には停波を命じることができると答弁し、首相も擁護した。この発言に代表されるように、安倍政権によるメディアへの露骨などう喝と介入の一方で、目立つのは右派メディア幹部との親密さであった。
最近、首相とメディア関係者の会食の話は余り聞こえてこないが、本当に無くなったのか、あるいはあったとしてもメディアが忖度して報道しないのか、それすら分からない。
労せず政権側の情報を得るためには、仲良くすることが一番であろう。しかし一般国民が知りたい情報が選択される恐れがある。先の包括連携協定のより本来の国民の知る権利が損なわれないことを願うばかりだ。2022.01.08(犬賀 大好ー779)
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