日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

発達障害者と普通の人の違いは?

2019年12月25日 09時12分51秒 | 日々雑感
 発達障害とは体や心の何れかにおいて、”発達が遅れた状態”との意味のようだが、その原因は生まれつき脳の一部の機能に不具合があり発達の遅れに伴う能力の不足は生涯にわたって治る事はないようで、人間失格の意味のようにも聞こえるいやな響きだ。

 ”発達が遅れた状態”と言うからには”発達が正常な状態”があるのであろうが、正常とは明確な基準がある訳でなく、極ありふれた人、極普通の人の状態位の意味であろう。

 発達障害はいくつかのタイプに分類されており、自閉症がタイプの一つだとは分かるが、注意欠如や学習障害なども含まれているのには合点がいかない。人間誰しも時には注意欠如や学習障害を感ずることがあり、自分も発達障害では無いかと不安になることもある。

 発達障害の診断は、タイプ毎にそれぞれ国際的な診断基準があり、精神科医が相談者との面談や検査を行いながら、時間をかけて総合的に判断するのだそうだ。発達障害の特性は子どもの頃から存在しているものなので、現在の症状が子どもの頃の特性とどのように結びついているかを見極める必要があり時間がかかるのだそうだ。

 見極めが困難と言うことは、発達障害と判断されなくても発達障害に極めて近い人もいるとのことになろう。発達障害の人の特性と普通の人の特性の間には明確な壁などなく、両者の特性は連続的に繋がっており、その間の人は無数に存在しているのだろう。

 自閉症の患者の中には、記憶力が抜群に優れている人間やIQの高い人間もいるようで、そもそも普通の人間とは何かを考え出すと、よく分からなくなる。普通とは、辞書で調べると、他と特に異なる性質を持ってはいない様であり、多くの人と調子を合わせられる状態が普通の状態と言ってよいだろう。

 そこには多くの人とコミュニケーションが出来ることが重要で、知能の良し悪しは関係ない。より多くの人が平均的思っている状態が普通の状態となろう。

 最近電車の中でスマホを弄る人が多いが、これが過半数を占めるようになれば、スマホを操作する人間が正常な状態となり昔ながらの本を読む人間は異常となるのであろうが。

 自分が正常であるためには、より多くの人と同じであることが必要になり、仲間を増やすために多くの人との何かしらのコミュニケーションが果たされなくてはならない。この意味で、孤立した人間あるいは引きこもりの人間は他人とのコミュニケーションが足りないと言う点では理解できる。

 新潟県でひきこもり外来を開いている精神保健福祉士の河合氏によると、今年1月から8月までにひきこもり外来を受診した人達67人のうち発達障害と診断された人は22人に上ったようだ。

 また、厚労省の研究班が2007年から2009年にかけて行った調査でも、山梨県などの精神保健福祉センターにひきこもりの相談に来た当事者148人のうち、発達障害の診断を受けた割合は約35%という結果が報告されているそうだ。

 引きこもりの約3割強の人が発達障害が原因であるようだ。残り7割の引きこもりの原因は、家庭環境など後天的な原因で引きこもったとの結論になろうが、発達障害と診断されなくとも発達障害に極めて近い人も、また生まれながら人付き合いが苦手な人間はいくらでもいる筈だ。

 最近の中高年の引きこもりの原因は卒業時が就職氷河期であったと説明されるが、根はもっと深い所にある。2019.12.25(犬賀 大好-560)


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