日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

2030年冬季五輪札幌招致と東京五輪の反省

2022年02月12日 09時01分09秒 | 日々雑感
 2月12日現在、冬季北京五輪開催中である。次の冬季五輪はイタリア北部の都市ミラノで初であるが、1956年に冬季五輪を開催したコルティナ・ダンペッツォと共同開催することになったのだ。成熟都市での開催は、国家発揚の場ではなく、地域のインフラ整備等地域振興が目的と変わってきているようだ。

 ミラノの次の2030年の大会に札幌が手を挙げている。前回1972年大会開催を機に冬の観光都市、札幌を打ち出し成功した。今度は成熟した札幌市として一層の成果を上げることが目的のようだ。

 2030年は東京五輪からわずか9年後であり、常識的には招致は難しいように思えるが、冬季五輪の立候補国が少なくなっている現状、意外に実現されるかも知れない。財政基盤がしっかりしているため、IOCとしても歓迎するだろうが、招致のためには市民の協力を得なくてはならない。

 五輪開催は莫大な費用を必要とするため、地元住民の反対が強い。このため、世界の主要な候補地も軒並み立候補を断念している。札幌招致での最大の問題は住民の開催意欲だ。、札幌市は、北京五輪が追い風になると期待し、住民アンケートを3月にも実施する予定のようだが半数以上の賛同が得られるとは思えない。

 札幌市は昨年11月末、2030年冬季五輪・パラリンピックの大会概要案を公表した。これまで3100億~3700億円と試算していた開催経費を最大900億円削減し、2800億~3千億円とするとした。今夏の東京五輪では開催経費の肥大化に批判が高まったことから、招致への市民の理解を得るため、既存施設を有効活用する方針だそうだ。

 東京五輪に対する組織委員会の総括はコロナ感染が拡大せず予定の全種目を実行できたことで大成功と位置付けているが、日本の国、あるいは東京都としての総括はどうであろうか。

 東京五輪でも当初既存施設を活用するコンパクトな開催の予定であったが、国立競技場の建て替え等、施設の新設等が目立ち、五輪後の維持費用に頭を痛めているとのことだ。東京五輪の招致目的は、東日本大震災からの復興記念とか、新型コロナに打ち勝った証とか二転三転したが、行政側の真の目的である湾岸地域の再開発等のインフラ整備は実施された。

 東京五輪はコロナ感染と重なる不運があり、観光客増大による経済効果は無くなってしまった。2030年札幌五輪は疫病の感染より、地球温暖化による異常気象の方がリスクが大きい。

 今年は異常気象で例年になく雪が多いそうだが、近年は記録的な雪不足が北海道各地での冬のイベントやスキー場を直撃している。東京オリ・パラ組織委員会の橋本会長は、持続可能な札幌市をつくりあげていく転換期になる五輪を見てもらいたい、と抱負を語るが、五輪成功より、インフラ整備が目的のようだ。2022.02.12(犬賀 大好ー789)


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