日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

国会議員のその志とするところは何か?

2019年12月14日 09時31分54秒 | 日々雑感
 今月4日、アフガニスタンで日本人医師の中村哲(73)氏が車で移動中に銃撃され死亡した。長い戦乱が続くアフガニスタンで現地住民のために農業支援や医療支援を30年間行ってきた信念の人であり、日本人として誇に出来る人だ。

 さて、今月9日安倍首相主催の「桜を見る会」への招待者名簿を首相の周辺の誰かが意図的に破棄したことなど数々の疑問を残したまま、臨時国会が閉会した。立憲民主党を始めとする野党は、真相を追及するが、与党議員は一刻も早く鎮静化を図りたいと幕引きに応じた。

 首相は事ある毎に当事者本人の説明責任と強調するが、桜を見る会の当事者は首相自身であることは明白であるが、国民の大多数は説明責任が果たされたと思っていない。自民党代議士の一部からは、首相は説明責任を果たしたとの声もあるが、これは首相へのゴマスリ以外の何物でもない。

 野党は、首相が説明責任を果たすように会期延長を申し出たが、今国会では米国との貿易交渉等の審議が十分なされなかったにもかかわらず、自民党の森山裕国対委員長は会期を延長する理由がないと釈明し、与党賛成多数で閉会した。

 安倍政権が2012年に誕生してから早7年、安倍一強体制が確立し、”寄らば大樹の陰”や”長いものには巻かれろ”体質がすっかり定着した。

 高級官僚の政府に対する過度な忖度は人事権を握る内閣府へのゴマスリであり、出世するための知恵と理解できなくも無い。桜を見る会での参加者名簿の破棄に関し、野党の追及の矢面に立たされた官僚のシドロモドロの答弁に宮仕えの悲哀をしみじみ感ずる。こんなことでは将来国を支える優秀な官僚がいなくなるのではないかと心配する有様だ。

 一方、国会議員たる者何かしらの志を持って国会議員になっている筈である。その志の片隅には国民の為に役立ちたいとの思いがある筈だ。既に風化しつつある森友学園問題や加計学園問題における公文書の改竄や破棄問題に対する教訓が全く生かされていないのは、自民党や公明党の与党国会議員の怠慢だ。今回の桜を見る会の不祥事に対して自民党議員からは非難の声は聞こえてこない。

 ポスト安倍の有力候補として石破元幹事長の名前が最近ではすっかり影を潜めてしまったが、石破氏からの発信も無く折角のチャンスも生かしていない感もする。報道が無いのはマスコミのせいかも知れないが、石破氏本人も自民党のぬるま湯体質にすっかり馴染み問題視していないとすると、本人も候補者から降りる覚悟を決意したのかも知れない。

 このような安倍政権下における”右へ倣え”体質の原因は首相に人事権が握られている等が言われているが、政治家の二世議員の多さに主原因があるのでは無いか。二世議員は地盤、看板、カバンを親から引き継いだ議員であり、国民ファーストより一族ファーストであろう。国会で大臣になり一族の名前を上げるため、人事権を握る安倍首相に媚びているのであろうが、他国に尽力し死亡した中村哲氏の爪の垢でも煎じて飲ませたい位だ。2019.12.14(犬賀 大好-557)