前回ご紹介したプウホヌア・オ・ホオナウナウ。現在は歴史国立公園になっています。すでに述べたように古来、本当に文化的に重要な聖地でした。そこにあるヘイアウ、ハレ・オ・ケアヴェには昔、カメハメハ大王のひいおじいさんを含め、偉~い首長、23体のご遺体が安置されていてあまりに神聖だったため、1819年、カメハメハ2世によってハワイ中のヘイアウに破壊令が下された際も、破壊を免れたほどです(今は遺体は移されています)。
そんな聖地が1961年には歴史国立公園に認定され、アメリカの連邦政府によって保護されているのは、嬉しい限り。今回の訪問の際も、それが実感できるある出来事を目撃しました…。
公園の海辺の一角は小さな湾になっています。ごく小さな、でも美しいその湾はその昔、王族のカヌーだけが出入りできる特別な場所でした。一般人は立ち入り禁止だったそうです(入ったら、もしかして死刑になったのかも?)。
私がその湾の写真を撮っていたその時。海でスノーケルをしていた白人夫婦が湾近くで顔を出し、上陸しようとしました。すると! どこで見ていたのか、制服を着たパークレンジャーが大急ぎでやってきて、大声で警告。
「そこの人たち!! ただちに湾から出てください~!!!」
そして夫婦になりやら言うと、夫婦はまた湾の外へと泳いでいきました。シニアのご夫婦でしたが、2人に周囲の視線がいっせいに集中して、ちょっとお気の毒だったなあ。
湾の回りのビーチには、黄色のテープが張られていて。まあ立ち入り禁止だったのですが、海から湾に近づいた夫婦にはそれがわからかなったんですよね。ビーチ側からは一目瞭然だったので、私はテープの外から写真を撮りましたが。
でもそのテープの理由は、正直私にはわかりませんでした。まさか、ここが聖なる湾だからじゃないよね~、海亀の生息地なのかな? と私は推測していたのです。
そこで以上の光景を目撃した後、(ちょっと怖かったけれど)パークレンジャーに聞いてみたのです。「なぜこの湾は立ち入り禁止なのですか?」と。パークレンジャーは米本土出身風の白人男性でしたが、
「ここは昔、王族だけが出入りできた神聖な湾だからです」(レンジャー)
「ああ! だから今もしっかり護られているんですね?」(私)
「その通りです」
…私は感動しました。土地で生まれたハワイアンではなくても。パークレンジャーの人たちはしっかりと聖地に目を光らせ、護っているんですね。正直言って、連邦政府の職員って、そういうこと全く気にしていないのかと思いました。でも違った! ハートを注いで聖地を護っているのが、よ~く感じられました。あの人たちのお陰で、これからもずっとこのハワイの聖地は、護られていくのでしょう。
そんなことを考えながら、なんだかとても温かい気持ちになって、美しい湾を後にしました。
(今回のタイトル、白レンジャー、みたいでした?)
本当に、私もこの目で見るまで、パークレンジャーのハワイ文化への真摯な姿勢、知りませんでした。
きっとキラウエアやハレアカラのレンジャーもそうなのかも。
そういえば数年前に、プウホヌア・オ・ホオナウナウのレンジャーが、公園外の道路で頭のおかしい人に射殺されるという事件がありましたね。余談ですが。
そんなハワイのヘイアウ等、歴史的意義が有る地に訪れるには
それなりの敬意を払いたいもんです。
いまや、日本のパワースポットと言われる場所は観光地化してしまっています。
そうならないためにパークレンジャーの活動を継続して頂きたいことと、訪れる方々もその辺を踏まえてもらいたいですね。
そうですよね~。今もハワイでは、聖地絡みだけでなく王族への敬意が行き届いていますね。
王国は消えたけれど、王族への敬愛は現役です!
確かに日本ではパワースポットという言葉が一人歩きして、なんだかすごいことになっているとか。
たとえば縁結びの神様の神社のある島?への渡り船は、独身女性でギッシリとか。本当ですか?
一方、ハワイでの聖地の位置づけは、もっと生活に密着したもの。観光地化…したら悲しいですよね。