森出じゅんのハワイ生活

ハワイ在住のライターが、日々のあれこれをつづります。

斎藤栄先生の想い出@横浜

2024年06月25日 | 日記


今は昔…。横浜の洋光台という町に住んでいた時、うちのすぐ近所にミステリー作家の斎藤栄先生が住んでいました。そんなわけで知り合いの編集者が洋光台にやって来ることがあり、斎藤先生のおうちに一緒に伺ったことも。そんな縁で、その後何度か先生に編集部からの資料を届けたりと、簡単なお使いをするようになりました。当時の私は編集部のアルバイト…ではなかったのですが、そのような立ち位置だったのですね。

もちろん当時、斎藤先生はすでに超売れっ子作家で。ですが独立仕立てホヤホヤのフリーライターの私にも偉ぶることはなく、ものすごく腰の低い方でした。…一応、長い間生きてきて思うのは、本当に偉い人って腰が低いということです。全く威張らず、誰にも丁寧。斎藤先生も、まさにそのような方でした。

その後、先生は神戸に引っ越されたので縁は切れてしまいましたが、昨日、訃報を聞きました。享年91歳だそうです。当時のことが思い出され、「ああ、一度、ハワイから本をお送りすればよかった!」と後悔の念でいっぱいになりました。私の名前は覚えていらっしゃらなくても、洋光台に住んでいたライターの…といえば、もしかしたらちらりと思いだしてくれたかもしれません。ごくマイナーながら本を何冊か出したことも、先生ならきっと喜んでくれたのではないかな…。

ちなみに私は先生の著書のなかでは、タロット日美子シリーズが大好きだったんですよね。ちと神秘の香りもあり、ミステリーとしても抜群に面白くて。真面目な斎藤先生から、あのいかにも女性らしく美しい日美子のキャラクターが生み出されたというのも、やや不思議な気がします(笑)。日美子シリーズ、久々に読んでみたくなりました。

斎藤先生のご冥福を、ハワイよりお祈り申しあげます。

(冒頭の写真は東海岸のカウポビーチです)

コメント (2)
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