森出じゅんのハワイ生活

ハワイ在住のライターが、日々のあれこれをつづります。

えひめ丸と聖マリアン@カカアコ臨海公園

2013年03月20日 | 歴史


先日、カカアコ臨海公園を訪れた際、公園の丘の上にあるえひめ丸の記念碑を見てきました。愛媛県の水産高校の実習船、えひめ丸がカカアコ沖で事故に遭い、実習生や教官、9名が亡くなったのは、もう12年も前になるんですね。

娘たちは当時まだ、2歳ちょっと。娘も友人のKちゃんも、えひめ丸の事故のことを知らなかったので、記念碑を前にいろいろ説明しました。「アメリカ海軍の潜水艦は、海上に船がいるかどうかも確認せずに、その日潜水艦に招待していたお客さん方に『急浮上』をやって見せて、えひめ丸に衝突したのよ」。そういうとKちゃんは大変ショックを受けたようで、記念碑の写真をたくさん撮っていました。

えひめ丸のイカリを中心に据えた立派な記念碑はカカアコの海を見下ろす素晴らしいロケーションに設けられ、ハワイの団体が持ち回りで掃除しているとか。いつも大変きれいに保たれています。毎年ここで事故の起きた2月9日には慰霊祭が行われ、今年も200人が参加したそうです。

そうそう、昨年10月に、19世紀のハワイでハンセン氏病患者の救済に尽くした聖フランシスコ教会所属の修道女、マザー・マリアン・コープが、バチカンで聖人の列に加えられました。以前、その銅像を、カカアコ臨海公園に設置しようとの案が持ち上がった時のこと。「なぜ聖マリアンとは何の所縁もないカカアコに?」との反対の声があがり、その案は実現しなかったのです。銅像は、結局お隣のケワロ公園に建立されたのでした。

関係者は、きっと風光明媚な場所に聖マリアンの銅像をたてたかったのでしょうが…。ワイキキやアラモアナは人が多いですしね。でも、いくら聖人といっても、理由なくカカアコに銅像はたてられなかったのです。

でもえひめ丸の記念碑というのは、(すみません、誰が設置の任を負ったのかはわかりませんが)カカアコ臨海公園でも最も素晴らしく見晴らしのいい場所に、すんなり造られたのですよね。そこになんだかハワイ州の誠意というか、(州が潜水艦を所有していたわけではないですが)悔恨の情を感じました。
コメント (4)
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