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菱沼康介の、丸い卵も切りよで四角。

日々の悶々を、はらはらほろほろ。

拝むほど。 『オガムド ~五感度~』

2020年04月22日 00時00分58秒 | 俺は好きなんだよ!

【俺は好きなんだよ】第1237回は、『オガムド ~五感度~』(2009)

 


原題は、『오감도』(OGAMDO)。

『五感図』らしい。『五つの感覚図』ってとこかな。

英語題は、『Five Senses of Eros』。

『エロスの五つの感覚』 ですね。

 

 


上映時間: 128分
製作国: 韓国
映倫: R18+

 

 

 

スタッフ。

監督:ピョン・ヒョク(第1話)、ホ・ジノ(第2話)、ユ・ヨンシク(第3話)、ミン・ギュドン(第4話)、オ・ギファン(第5話)

脚本:ピョン・ヒョク、シン・ムホ(第1話)、

撮影:キム・ムユ(第1話)、ユン・ジウン(第2話)、コ・ナクソン(第3話)、キム・ビョンソ,キム・ジュニョン(第4話)、キム・ヨンフム(第5話)

 

 

 


出演。
チャン・ヒョク (チョン・ミンス)
チャ・ヒョンジュン (ハン・ジウォン)

キム・ガンウ  (夫のヒョヌ)
チャ・スヨン  (妻のヘリム)

ペ・ジョンオク (パク・ファラン)
キム・ミンソン (キム・ミジン)
キム・スロ (監督のポン・チャヌン。ミンスの兄)
 

オム・ジョンファ (妻のイ・ジョンハ。ヒョヌの姉)
キム・ヒョジン  (後輩で愛人のカン・ナル)
ファン・ジョンミン (夫のミン・ジェイン)


キム・ドンウク (陸上が得意なジウン)
イ・ソンミン (赤いコートのイ・ユンジョン。キム室長の姪)

チョン・ウイチョル (美術部のサンミン)
イ・シヨン  (ゲームが上手いチョン・セウン。キム室長の姪)
アン・ソンミン (美術の先生)

ソン・ジュンギ (留学するチェヒョク)
シン・セギョン (黄色い上着のスジョン)

 

 

 

 

内容。

“視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚”に訴えかけるというコンセプトで作られた五話のオムニバス。

それぞれの挿話の粗筋。

1話=『彼の関心』(原題:『his concern』)
高速鉄道KTXの中で男は前の席の女に一目惚れする。

2話=『私はここにいます』(原題:『나 여기 있어요』)
病気の妻と妻を気遣う夫、妻は隠れて夫を驚かせる。


3話=『33番目の男』(原題:『33rd MAN』)
ホラー映画の現場で、未熟な新人女優のせいで撮影が停滞し、ベテラン女優が怒り出す。


4話=『終わりと始まり』
(原題は『LA FIN et LE DEBUT』。英語題:『In the End is My Beginning』)
夫が愛人と密会中に自動車事故で死亡。残された妻の元に愛人が現れ、夫の幽霊が現れる。


5話=『瞬間を信じます』 (英語題:『One Fine Day』)
三組の高校生カップルがお互いの相手を交換してデートをする。

 

 

 

 

 

韓国を代表する5人の監督が、“五感を刺激するエロス”をテーマに描くオムニバス・ラブストーリー。

『スカーレットレター』、『Interview インタビュー』のピョン・ヒョク(第1話)。

『八月のクリスマス』、『ラスト・プリンセス 大韓帝国最後の皇女』のホ・ジノ(第2話)。

『アナーキスト』のユ・ヨンシク(第3話)。

『背徳の後宮』、『アンティーク ~西洋骨董洋菓子店~』のミン・ギュドン(第4話)。

『ラスト・プレゼント』、『ファッションキング』のオ・ギファン(第5話)。

 

 

 

 

 

どの話がどの感覚か探りながら見るのも楽しいです。

R18+ですが、エロスは一本を除いて、そこまででもないです。毎話官能的なベッドシーンはありますが。

 

 


オムニバスは、5本中で2本 好みの話があったら勝利です。1本だと引き分け。平均点なら惜敗。あとは大敗。でも0本だってよくあることですから。
あと、話の順番、多様性、コンセプトがちゃんとしているか、どうかでも見て欲しいですね。

 

豪華な監督とキャストが低予算(総製作費約10億ウォン=約1億円)のR18+指定の映画で、エロスに挑み、話題になった。

撮影はそれぞれ一週間ほどだったそう。 

 

 

 

2010年8月~9月開催の<韓流シネマ・フェスティバル2010>にて上映。

 

 

 

 

 

 

 

ネタバレ。

全話は、ちょっとリンクしてます。

第1話でミンスの兄で第3話の映画監督が出演。ミンスも芸能関係の仕事していて、キム室長とも仕事仲間だと分かる。兄がイタリアで賞を獲ったこともわかる。

2話の妻のヘリムは映画の仕事をしていたらしく、3話の映画のスタッフの一人として出演(クレジットを見ると。大勢のスタッフの中に似た人はいる)しているらしい(時間軸が逆になりますが)。

第3話にキム室長の姪として、5話のセウンとユンジョンが出演。

第4話の妻ジョンハの弟として、2話の夫ヒョヌが出演。

 

 

時間軸順に並べると・・・。

1話では3話の兄が生きているから、1話は3話と2話より前。

3話では2話の妻がまだ生きているから、2話は3話より後。

4話では2話の妻が夫といない(仕事の関係かもしれないが)から、4話は2話より後。

3話では5話の二人がまだ友人(交換を経ても友人かもしれないが)だから、5話は3話より後。

ということで、推測もあるが、1、3、2、4、5の順ではないかと。

 

  

内容での関連では・・・。

1話の一目惚れする女性はキュレーター。5話の女子高生が前に付き合っていたのは美術の先生。

3話の監督は結婚しているので新人女優に手を出したのは不倫で、劇中映画では姉が死んだ妹の夫とねんごろになり、妹の幽霊が出てくる上、妹は夫も姉も殺したそう。4話の夫婦は不倫で学校の後輩が愛人。夫の幽霊が出てくる。

2話の妻は死に、幽霊として出てくる。

4話の姉と2話の弟が幽霊話。弟は妻の幽霊を呼び出すが見えない(妻にしかないのかも)、姉は夫の幽霊を呼び出すし、見える。見えるのは実は愛人の力かもしれない(写真を浮かしているので)。

3話の女優二人はレズビアン(バイセクシャルか?)で、4話の愛人はどうやらレズビアン(バイセクシャルか?)。

 

 

 

 

翻訳(字幕)がいまいちなのが、残念。

 

 

 

 

1話の『彼の関心』は、視覚。一目惚れ、キュレーター、妄想。愛の始まりてとこですかね。
2話の『私はここにいます』は、嗅覚。相手の匂いで、愛を思い出す。思い出すと幽霊として現れる。
3話の『33番目の男』は、聴覚。芝居の声、泣き声、叫び声、笑い声、官能の声、歌声といろいろ。愛の発動てとこですか。
4話の『LA FIN et LE DEBUT(終わりと始まり)』は、触覚。愛の拘束でしょう。
5話の『瞬間を信じます』は、味覚ではなく、時間感覚ではないかしら。相性とか愛のタイミングみたいなものでしょうか。

 

ただ、どうやら各話が各々一感覚を担当ではなく、一話ごとに入れられる感覚はなるべく入れているようです。(というか第5話だけが明確な感覚を扱っていないともいえる)

全話に食事(味覚と嗅覚)、写真や撮影や美術品(視覚)、ベッドシーン(触覚)が出てきます。
各話セックスシーンでは主題とは違う感覚を強調してます。

あと、 全話、首に巻き物(1話はネクタイとマフラー、2話はマフラーの遺品、3話はマフラーの贈り物、4話は首のギプス、5話は学校のネクタイと妙に首に手を回したり、絵も首を描く)が出てくる。

 

 

 

第2話が、自作『かく恋慕』に似ていて、驚く。
方向性がだいぶ違うし、こちらは幽霊話だけど。

3話は、ホラーコメディ好きとして、かなり好きな作品。 『ニキータ』からインスパイアされているのかも。

 

4話は1カット目で半分勝利。(岩井俊二の『undo “アンドゥー”』がインスパイア元か?)
かなり複雑な話で、さすがにちょっと処理しきれてない感も。つまりは、愛人(後輩)は先輩(妻)のことが好き(若い頃はレズ行為もしていたよう)で彼女と同化するために夫を寝取ったらしい。しかも、劇中では妻に愛されるよう夫とも同化して見せる。その上、超能力者。最後、訪ねて来たのは誰だろう?

 

おいらは、234話が好みだったので大勝利です。

ただ、幽霊(三話は劇中映画内で幽霊。しかも吸血鬼もの)で三連続は、構成をもうちょっと考えてもよかった気もする。第六感を入れようとしたんだろうね。
1と5があるから、ファンタジーがコンセプトじゃないだろうに。

 

 

 

今作は、順番がいまいち。

おいらなら、パートナーの死を繋げないように、三話連続超常現象ものにしないようにして、4話は脳が動いてないときついので3つ目以降にするかな。で、おいらなりの並び。

1、『彼の関心』(1話)
2、『33番目の男』(3話)
3、『LA FIN et LE DEBUT(終わりと始まり)』(4話)
4、『瞬間を信じます』(5話)
5、『私はここにいます』(2話)

1話は始まりの話だから先頭、コメディが続くけどテンションを保てる3話を二番目(タイトルから行くと三番目がいいのだけど)、幽霊にモンスターと続くけど4話を三番目(幽霊話を離すために)、同様の理由で5話を四番目、2話の余韻で映画を終わらせるために五番目に。

 

結局、5話が最後だったのは明確な感覚ではないからじゃないのかな。

エロさもないので、期待をそがないように最後に回されたのかも。

最後のまとめのポエムを入れやすいからかもしれないね。

 

 

マーク・トウェインが言った。「セックスは人生で過大評価された楽しみだ」

イヨネスコは言った。「むなしいことだけが生き残る価値がある」

 

 

 

 

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