で、ロードショーでは、どうでしょう? 第1312回。
「なんか最近面白い映画観た?」
「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」
『デッドプール2』
不死身の体と世界の仕組みを知ってしまったダークヒーローのデッドプールことウェイド・ウィルソンが、未来からやって来た超人“ケーブル”と対峙する痛快アクション・エンタテインメント大作。
ライアン・レイノルズ主演で、従来の常識をことごとく覆す型破りなヒーロー像で、前作はR18(日本ではR15+)でありながら、世界的に空前の大ヒット作の続編。
監督は、新たに、『ジョン・ウィック』、『アトミック・ブロンド』のデヴィッド・リーチ。
そのかわり、多くのスタッフ、キャストが前作から続投している。
物語。
現代、アメリカ。
愛しのヴァネッサを取り戻したデッドプールことウェイド・ウィルソン。
傭兵稼業を正義の味方にシフトして、悪党をぶち殺しまくっていた。
だが、不幸な出来事が続く。
その一つが、半機械の男ケーブルが未来からやってきたこと。
彼の狙いは、ミュータントの孤児院に暮らす少年ラッセル。
だが、最強の能力+未来の技術のケーブルに全く歯が立たない。
そこで、ウェイドは、新聞広告で能力者を募集し、チームをつくることにする。
脚本は、レット・リース、ポール・ワーニック、ライアン・レイノルズ。
出演。
ライアン・レイノルズが、ウェイド・ウィルソン/デッドプール。
ジョシュ・ブローリンが、ケーブル。
モリーナ・バッカリンが、ヴァネッサ。
カラン・ソーニが、ドーピンダー。
T・J・ミラーが、ウィーゼル。
レスリー・アガムズが、ブラインド・アル。
ザジー・ビーツが、ドミノ。
ビル・スカルスガルドが、ツァイト・ガイスト。
テリー・クルーズが、ベドラム。
ルイス・タンが、シャッタースター。
ロブ・デラニーが、ピーター。
B・Pが、バニッシャー。
ジュリアン・デニソンが、ラッセル/ファイヤーフィスト。
エディ・マーサンが、理事長。
アンドレ・トリコチュー(体)とステファン・カピチッチ(顔と声)が、コロッサス。
ブリアナ・ヒルデブランドが、ネガソニック・ティーンエイジ・ウォーヘッド。
忽那汐里が、ユキオ。
イズリー・ハーヴォーネンが、ホープ。
ヘイレイ・サレスが、ケーブルの妻。
ジャック・ケシーが、ブラック・トム。
スタッフ。
製作は、サイモン・キンバーグ、ライアン・レイノルズ、ローレン・シュラー・ドナー。
製作総指揮は、スタン・リー、ジョナサン・コマック・マーティン、ケリー・マコーミック、イーサン・スミス、アディッティア・スード、レット・リース、ポール・ワーニック。
撮影は、ジョナサン・セラ。
プロダクションデザインは、デヴィッド・ショイネマン。
衣装デザインは、カート・スワンソン、バート・ミューラー。
編集は、ダーク・ウェスターヴェルト、クレイグ・アルパート、エリザベット・ロナルズドッティル
音楽は、タイラー・ベイツ。
音楽監修は、ジョン・フーリアン。
現代アメリカ、ぶっ飛びヒーロー見習いが未来戦士からミュータント少年を守ろうとするアメコミ・コメディ・アクション第2弾。
ファミリー映画、神話、時間操作、ラブ、チーム、精神世界、第4の壁、ストレート、デウスエクスマキナなど、話法ごった煮でぶち込みながら、ひたすらのボケとアクション。エロは減ったがグロは増やして、色々と前作の4倍増。
膨大なネタはある意味では『レディ・プレイヤー1』を凌駕。
メタは滅多クソ切れが良くなり、映画史上最高のおまけが2つ。
ストーリーの骨子はどストレートの主役と敵を対比させつつ、連鎖を断ち切り接ぎ木。現代的テーマまでさらっと隠し味。
ライアン・レイノルズ愛している。ザジー・ビーツ遠くから愛してる。ジュリアン・デニソン愛したい。なんつっても脇キャラ愛が溢れてる。
父さん、映画はここまで来ちゃいましたよ。いや、行き過ぎちゃいましたよ。
顔アボカドの下半身裸で銃を出すマンが自分と同じレベルで世界をも救う玉作。
おまけ。
現代は、『DEADPOOL 2』。
『DP2』でも宣伝してますね。『T2』からの流れですね。
そういえば、『ダーティハリー5』の原題は『THE DEADPOOL』でしたね。死の賭けの意味で、1作目にはそのネタ出てきましたな。それは、ウェイドが娘を誘拐される夢を見たと言っており、これはリーアム・ニーソン主演映画『96時間』ネタ。で、リーアム・ニーソンは『ダーティハリー5』(原題『THE DEADPOOL』)に映画監督役で出演していたことから、あえて使ったとのこと。
上映時間は、120分。
製作国は、アメリカ。
映倫は、R15+。
キャッチコピーは、「もう、ぼっちじゃない クソ無責任ヒーロー ド派手にカムバック!」。
前作がXーMENのスピンオフの単独作で、一人の傭兵が仲間を得る話だったので、続きであると言う意味だが、実はファミリー・ムービーであること、チームものであることにもかけている。
バニッシャー役で、大スターがカメオ出演しています。というか、いろいろカメオがいっぱいいます。1人はマット・デイモンですが、たぶん分かりません。
監督は、同じ新鋭ではあるが、大作でスタッフを手がけてきたデヴィッド・リーチに交代。第一作のティム・ミラーは『ターミネーター』のリブートを準備中で、XーMENシリーズのキティ・プライドの単独作が待機中。
前作の撮影は、ケン・セングでコメディ寄りの人だったのが、アクション大作になるために、アクション小作も大作(『トランスフォーマー/最後の騎士王』など)も手がけているジョナサン・セラに監督と共に交代。
字幕だとネタが結構削られているので、吹替版でも見たいね。
ややネタバレ。
予告編と本編では違う映像を使っている。
最近、ハリウッドメジャー大作では、製作の時から関係ないシーンを撮影したりして、ニュースで出たりする情報によってストーリー展開を予想されないようにさえしている。そこまでしなくても予告編で本編と違うシーンを使ったりしている。
今作では、同じセリフやシーンではあるが、テイク違いや削除カットを使っている。監督のデヴィッド・リーチもそのことを公開前に公式に発言した。
忽那汐里演じるユキオは、『ウルヴァリン:SAMURAI』に出てきたユキオと同じ名前ですが、違うキャラで、能力的には原作のサージことノリコ・アシダという日本人キャラの改変だそうです。
X-Forceの面々の日本語吹替キャストは、MCUで、ソー、キャプテン・アメリカ、ブラック・パンサー、ドクター・ストレンジを務めている人たちをあえて起用しているとのこと。
前回の『フェリスはある朝突然に』ねたのようなラストおまけ映像はなかったが、歌でのおまけがあった。
ネタバレ。
Xフォースの面々がガンガン死ぬのは、ドミノの能力が幸運だけでなく、周囲の運を吸い取る、運勢調整だから。
不死身、第4の壁突破、金属製、幸運、時間操作と主役側が負けない設定がこんなに出てくる映画はなかなかないです。主役集合映画『リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い』でも3つくらいだからな。
バニッシャー役は、ブラッド・ピットですね。ケーブルで起用される予定だったが、スケジュールが合わず、交代。ジョッシュ・ブローリンに急遽決定。(だから、サノスとかぶった)
他にカメオ出演は、前作と同様ヒュー・ジャックマン、第2シリーズのXーMENの面々(ジェームズ・マカヴォイ、ニコラス・ホルト、エヴァン・ピータース、タイ・シェリダンほか)、マットデイモン。
あと、ウェポンX、ライアン・レイノルズてとこでしょうか。もちろん、スタン・リーもね。
ちなみに、スタン・リーはストリップクラブのDJ役で、マット・デイモンはケーブルが現代で最初に殺す二人の内の一人(特殊メイクあり)です。
デッドプールがケーブルに言う「片目のウィリー」は、『グーニーズ』に出てくる伝説の海賊のこと。『グーニーズ』にジョッシュ・ブローリンが出演しているからですね。他にもサノス、ウィンター・ソルジャーみたいな腕のクソじじいとも呼んでいます。有名スターにも例えていたような・・・。
あと、ドーピンダーをブラウンパンサー、ドミノをブラック・ブラックウィドウ、ピーターをレアード(衣裳スタッフの名前だそう)、ギャングのボスをスタン・リー(「くたばれ! スタン・リー」)と呼ぶ、普通の人であるピーターをホークアイと同じだと言ったり、呼び名ネタは他にもいっぱいありました。
噂では、『X-Force』というチーム作(監督はドリュー・ゴダードが交渉中)が準備中。で、『デッドプール3』もまた別でやるような話もあります。
さらに、噂では、ディズニーとFOXが合併するので、ついにX-MENがMCUと合流する可能性もあると言われており、今回のタイムマシーンはそのために使われるのでは? なんて話も。
今作に出てきたミュータントの子供を隔離する施設は、X-MENシリーズの新機軸『The New Mutants』とつながるのではないかと。ドミノも出身ですしね。『X-MEN』シリーズに出てきたエセックス社と関連した施設なので、『ローガン』に出てきた実験施設とどちらも同じ組織の施設ではないかとも推測できます。
なにしろ、『デッドプール』はX-MENシリーズ最大のヒット作になってしまったので、今後のX-MENシリーズの大黒柱になると言われているのです。
ドミノ(ニーナ・サーマン)は、マーベルの人気キャラの一人で原作だと白い肌と斑がトレードマークなので、黒人キャストで実写化したのはかなり冒険だった。(原作者は、人種を設定したことはない、と発言している)
今作で評判になったのもあり、まだ能力を使いこなせていないときの若い頃の単独作もありえますね。原作では、セクシーキャラで、コロッサスなど多くのキャラと肉体関係をもっている。
ケーブルも単独作あるかもね。
日本だと、『オンリー・ザ・ブレイブ』(生身)、『デッドプール2』(半身)、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(零身)が同時公開中で、ジョッシュ・ブローリン祭り。
シェールは劇中映画『愛のイエントル』に出てくるからわかりますが、トッドって誰?
コロッサスに謝って、助けてと頼むシーンは『セイ・エニシング』ネタ。
下半身だけになったデッドプールがドミノに担がれるのは『スターウォーズ』。
足組み換えは『氷の微笑』。
OPの映像は、『007』風で、一応、『007:スカイフォール』。(『007:スペクター』もちょっと)
ちょくちょく歌うのも、ヒュー・ジャックマンへの対抗意識でしょう。
クレジットでふざけるのは『裸の銃(ガン)を持つ男』シリーズだったかな。ZAZ作品とくくった方がいいかな。
画面に映る数々の小道具による隠しネタ、いわゆる”イースター・エッグ“を入れるためだけの専門スタッフがいたそうですよ。
字幕だと訳されてない固有名詞ネタがけっこうありました。
ケーブルは、本名ネイサン・サマーズ。原作では、サイクロップスことスコット・サマーズとジーン・グレイのクローンのマデリン・プライアーの息子という設定。ケーブルの左目が光っているのは、サイクロップスからの遺伝によるもので、これは機械化ウイルスとは関係ないそうです。そうそう、あの機械の半身は改造ではなく、そういう病気(テクノウィルスの感染)という設定。
ちなみに、ジャガーノートはあのプロフェッサーXの義兄です。あのヘルメットは考えを読まれないための装置です(じゃあ、なんで刑務所で拘束されている時にもつけているのかは謎)が、これはマグニートーと同じものですね。『X-MEN:ラストスタンド』でダサくなってたのが原作通りになったのも、この作品の良さ。悪人だけどラッセルとの約束守るしね。
燃やされて灰色になったデッドプールのスーツは、原作のXフォース在籍時の隠密バージョンとして有名。
反差別主義者のデッドプールの主義を反映して、X-MENではなく、Xフォースにしたり、レズビアンカップルが登場したりするわけです。これが現代的テーマってとこですね。
あのアイスボックス刑務所には、『X-MEN:ラストスタンド』のマグニートー側も入ってたんでしょうね。
サノスもタイムストーンで時間を戻す当たり、アメコミものは実はネタはよく似ている。デッドプールもウィンターソルジャーとケーブルの片腕機械ネタについて、またかよ的なことを言ってますね。
そういう意味でも脚本はご都合主義の詰め込み煮込みですが、ネタが優先なので、それがいい。
構成としては、3つの鏡構造。
恋人を殺され正義のヒーローになろうとしたデッドプールは子供を虐待してた施設の職員をぶっ殺してしまう。
妻と子を殺されたケーブルは妻と子と世界を救うために、子供の頃のラッセルを殺しに来る。
ラッセルは虐待していた理事長へ復讐しようとし、自分をないがしろにしたデッドプールやケーブルを殺そうとする。
デッドプールとケーブルは家族を殺されたことの反応が鏡。
ラッセルも、虐待(現在も子供らが施設にいるし)への復讐という思いに駆られた行動が鏡。
正義を行おうとするけど悪に取られる点で3人は一致しており、鏡構造になる。
そこに、正しい心の位置ということがテーマになる。
タイムマシンが直ったなら、ケーブルは未来に帰れるはずだが、デッドプールはどうしたんだろう?
ライアン・レイノルズが殺されたのは、あの世界における現実という別の世界線で、現実とも違う、デッドプールの世界線はフィクション。