で、ロードショーでは、どうでしょう? 第2315回。
「なんか最近面白い映画観た?」
「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」
『ソウルメイト』
幼い頃からの無二の親友ミソとハウン、二人の女性の強く濃く絡み合う絆と友情を描くドラマ。
原題は、『소울메이트』。
英語題は、『Soulmate』。
『魂友』。
製作年:2023
製作国:韓国
上映時間:124分
映倫:PG12
配給:クロックワークス
物語。
少し前の韓国の済州島。
絵を勉強しながら世界中を旅したいという夢を抱く自由人のミソとそんな彼女に憧れを抱きながらも堅実に生きることを願うハウン。
性格も価値観も真逆な2人の幼なじみ、楽しい時もさみしい時もずっと一緒。
だが、ある出会いをきっかけに2人の関係が変わり始めた。
香港のデレク・ツァンが手がけた中国映画『ソウルメイト 七月と安生』(2016)を、韓国でリメイクして実写映画化。
主演は、ドラマシリーズ『梨泰院クラス』、『The Witch 魔女』のキム・ダミ、ドラマシリーズ『ボーイフレンド』のチョン・ソニ。
共演は、ドラマシリーズ『力の強い女 カン・ナムスン』のピョン・ウソク。
スタッフ。
監督:ミン・ヨングン
PD:パク・チュノ (KAIROS Makers)
原作:曽国祥
脚本:カン・ヒョンジュ、ミン・ヨングン
助監督:ヤン・スヒ
撮影:カン・グッキョン (CGK)
照明:キム・ヒョソン(現実照明)
編集:ハン・ミヨン
音楽:モグ
美術:オ・フンソク(ムービーアート)
武術:イ・サンミン (ポンスタント)
出演。
キム・ダミ (アン・ミソ)
チョン・ソニ (コ・ハウン)
キム・スヒョン (幼いミソ)
リュ・ジアン (幼いハウン)
ピョン・ウソク (ハム・ジヌ)
チャン・ヘジン (ハウンの母)
パク・チュンソン (ハウンの父)
ホ・ジナ (ミソの母)
カン・マルグム (キュレーター)
ナム・ユンス (キフン/ミュージシャン)
ヒョン・ボンシク (ファンシー店 社長)
イ・ヒョンギュン (チョン・ダルチョ 担任)
オ・ミネ (ヨンオク)
チョン・スジ (デスク看護師)
キム・ジョンヒョン (担当医師)
パク・チヨン (美術先生)
パク・チンス (ハウンの担任先生)
キム・ソホン (アン・ハウン 7歳)
パク・ソンヨン (ソンヨン)
キム・セビョク (獣医師)
マル (猫/お母さん(オンマ))
『ソウルメイト』を観賞。
少し前韓国、幼い頃からの無二の親友ミソとハウン、二人の女性の強く濃く絡み合う絆と友情を描くドラマ。
『少年の君』で知られる香港のデレク・ツァンが手がけた大ヒット中国映画『ソウルメイト 七月と安生』(2016)を、韓国でリメイクして実写映画化。
女性二人の強い絆を現実味あるメロドラマで語り上げる。
切り離しがたい無二の親友であり、ガールズラブ感が強い。
オリジナルがかなりよかったので、こちらも見に行ったのです。
オリジナルとリメイクは筋はほとんど一緒だが、印象がけっこう違っている。
どちらも観た人には、脚色と演出の違いを楽しめる。
この違いで、好みはだいぶ分かれそうだが、どちらも楽しめた。
現代日本だと、韓国版の方が設定も描き方も現代寄りなので、見やすいと思う人が多そう。
オリジナルの方がドラマチックで物語性も高いので。
おいらは、オリジナルの方が好み。なので、オリジナルを見てからリメイクを見る順番を押したい。
なにより、キャストの方向性が違っている。
こちらは、ドラマシリーズ『梨泰院クラス』、『The Witch 魔女』のキム・ダミ、ドラマシリーズ『ボーイフレンド』のチョン・ソニの二人でなじみやすいタイプにしている。オリジナルは特別性が高いので。
キム・ダミの存在感と年齢変化の見せ方は、さすがでお見事。影と光の関係をうまく体現するチョンソニもよく、二人の主演が映画を一段引き上げている。
脇キャラ描写は薄めだけど、大事しているのは好み。
リメイクは、女性目線が多様的になっており、現代性が高めている。それは、ピョン・ウソク演じるジヌの男性の描き方にも表れている。
オリジナルよりもちょっとダメ感強めで、存在感が薄くされている。
リメイクの方が、二人の女性の関係の方に焦点が当てている。
オリジナルとリメイクもまた光と影になっているといえる。
映像もキレイめで見やすい。
映画館で見るにも自然が美しいので、いいですよ。
一番の違いは、オリジナルのミステリー具合を減らしているところとウェブ小説からブログと絵画にしたところ。
これは、脚色の妙で、同じメディア間での味変として、よかった。それによりミステリーは減ったのだが、クライマックスのエピソードのパンチ力は上がった。(オリジナルは時間と記憶の方が強いので、物語と映画全体との絡み合いが濃い)
少し特別で、どこかにありそうな、あなたの隣にある物語になっている。
二つの魂が一つになって、また二つになった一本。
韓国映画には、『ザ・ソウルメイト』(2018)というマ・ドンソク出演の映画もあります。
こちらは幽霊が絡むクライム・ファンタジー・コメディ・アクションです。
ミン・ヨングンの前作の長編映画『短い記憶』はWATCHAで独占配信中だそう。
観てみたいな。
ネタバレ。
折地鳴りとリメイクの人物の対応は、ミソがアンシェン、ハウンがチーユエ、ジヌがジアミン。
自転車は中国的で、バイクは韓国的よね。
日本語だと、ソウル(都市)の友達にも見える。
曲中で流れるジャニス・ジョプリンの曲は、『ミー・アンド・ボビー・マギー』(クリス・クリストファーソンのカバー)。
歌詞に「自由とはこれ以上失うものがないということ)』という一節がある。
オリジナルでは匂わせるだけだったTHE 27CLUBをフューチャーしている。
オリジナルとリメイクでは、時代と国が変わったことで、結婚の重要性がだいぶ変わっている。
リメイクは、結婚以外を女性が選べるようになっている。ハウンが自ら結婚をやめ、結婚を選んでいない女性3人のシェアハウスで暮らしているエピソードもある。(オリジナルでは二人が同棲する)
リメイクは、ジヌがダメ男に描き、女性二人の関係に焦点を当てるようにしている。(「どこが好き?」「全部」の意味も逆になっている)。オリジナルではジアミンをアンシェンは信用しているので、男性を立てているともいえるし、ジアミンが重要なキャラになっていて、三角関係度が高い。
オリジナルはアンシェンをまあまあ奇抜な女性にしており、女性同士の強い関係を特殊なものとして描いているが、リメイクは二人ともどこかにいそうな二人で女性同士の強い関係を一般的にあるものとして描いている。
オリジナルの方が物語性が強く、韓国版はリアリティを上げている。