で、ロードショーでは、どうでしょう? 第26回。
「なんか最近面白い映画観た?」
「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」
『ヤング@ハート』
アメリカのマサチューセッツ州の小さな町ノーサンプトンで高齢者向け公営住宅の住人によって結成されたコーラスグループ。
それが、ヤング@ハート。
メンバーの年齢はだいたい75~93歳。
彼らのロックやパンクなどの激しいレパートリーが話題になり、海外公演を行うほどに。
この映画は、彼らが新しいショーを作っていく過程を、7週間にわたって追ったドキュメンタリー。
人生の晩年を迎えた彼らの、歌が、ショーが大好きだって、のがグググゥっと胸に迫ってきます。
ロックの名曲が、下手すりゃオリジナルより深く深く染み入ってくるのは、刻み付けられた経験と生き様のせいか?
ロックは音楽のジャンルじゃない、生き様なんだと、言ったのは誰だったか?
かのキング・エルヴィスは、「俺がやってるのは、音楽じゃない。ロックなんだ」と言ったそうだ。
シド・ヴィシャスのベースなんて、そう大したもんじゃないが、その生き様にロックの何かが凝縮しているから、彼もまたアイコンになった。
ローリング・ストーンズがスゴいのは、還暦を過ぎてもバンドやり続けているからじゃない。
還暦過ぎてもロックしているからなんだ。
そういう意味では、ポール・マッカットニーは、ロックして無いんだろう。
今だって、最高級のミュージシャンではあると思うが。
そして、そういう意味で、ヤング@ハート面々は、まさにロックしているのだ。
おいら的に好みなのは、彼らが歌う曲をすべて好きなわけではなく、リーダーのボブ・シルマンの好みと彼らが歌ったら面白いという考えに乗っかってやっているところ。
ただ歯向かうだけがロックなのではなくて、壊れると分かっていても、ぶつかっていくことが、ロックだからだ。
そして、彼らは間違えたりしながらも、真正面から、ぶつかっていく。
ソニック・ユースの『スキゾフォルニア』を歌いあげる様には、そういうロックな姿勢がある。
やらされているから、ではなく、やり遂げるというエネルギーを感じるのだ。
予告編の歌を聴いて、びびっと来たなら、観にいって間違いなし。
この映画用に撮られたミュージック・クリップも実によい出来です。
実は、このドキュメンタリー自体が限りなくフィクションに近いところがある。
それは、ショーをやって、人が楽しんでくれるから、自分たちも楽しいのだ、というエンターテインメントの精神が、この老人たちの心に根付いているからだろう。
これが、アメリカというものなのかもしれない。
死ぬ間際まで好きなことをしてやるんだ、という、まさにロックな煩悩が昇華していくのを味わえます。
年の瀬、胸を熱くしたいなら、いや、これからの生き方を見つけたいなら、コレ、オススメです。
「なんか最近面白い映画観た?」
「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」
『ヤング@ハート』
アメリカのマサチューセッツ州の小さな町ノーサンプトンで高齢者向け公営住宅の住人によって結成されたコーラスグループ。
それが、ヤング@ハート。
メンバーの年齢はだいたい75~93歳。
彼らのロックやパンクなどの激しいレパートリーが話題になり、海外公演を行うほどに。
この映画は、彼らが新しいショーを作っていく過程を、7週間にわたって追ったドキュメンタリー。
人生の晩年を迎えた彼らの、歌が、ショーが大好きだって、のがグググゥっと胸に迫ってきます。
ロックの名曲が、下手すりゃオリジナルより深く深く染み入ってくるのは、刻み付けられた経験と生き様のせいか?
ロックは音楽のジャンルじゃない、生き様なんだと、言ったのは誰だったか?
かのキング・エルヴィスは、「俺がやってるのは、音楽じゃない。ロックなんだ」と言ったそうだ。
シド・ヴィシャスのベースなんて、そう大したもんじゃないが、その生き様にロックの何かが凝縮しているから、彼もまたアイコンになった。
ローリング・ストーンズがスゴいのは、還暦を過ぎてもバンドやり続けているからじゃない。
還暦過ぎてもロックしているからなんだ。
そういう意味では、ポール・マッカットニーは、ロックして無いんだろう。
今だって、最高級のミュージシャンではあると思うが。
そして、そういう意味で、ヤング@ハート面々は、まさにロックしているのだ。
おいら的に好みなのは、彼らが歌う曲をすべて好きなわけではなく、リーダーのボブ・シルマンの好みと彼らが歌ったら面白いという考えに乗っかってやっているところ。
ただ歯向かうだけがロックなのではなくて、壊れると分かっていても、ぶつかっていくことが、ロックだからだ。
そして、彼らは間違えたりしながらも、真正面から、ぶつかっていく。
ソニック・ユースの『スキゾフォルニア』を歌いあげる様には、そういうロックな姿勢がある。
やらされているから、ではなく、やり遂げるというエネルギーを感じるのだ。
予告編の歌を聴いて、びびっと来たなら、観にいって間違いなし。
この映画用に撮られたミュージック・クリップも実によい出来です。
実は、このドキュメンタリー自体が限りなくフィクションに近いところがある。
それは、ショーをやって、人が楽しんでくれるから、自分たちも楽しいのだ、というエンターテインメントの精神が、この老人たちの心に根付いているからだろう。
これが、アメリカというものなのかもしれない。
死ぬ間際まで好きなことをしてやるんだ、という、まさにロックな煩悩が昇華していくのを味わえます。
年の瀬、胸を熱くしたいなら、いや、これからの生き方を見つけたいなら、コレ、オススメです。