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菱沼康介の、丸い卵も切りよで四角。

日々の悶々を、はらはらほろほろ。

おしまいですか? 『死霊館のシスター』

2018年10月13日 00時00分41秒 | 映画(公開映画)

で、ロードショーでは、どうでしょう? 第1382回。


「なんか最近面白い映画観た?」
「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」

 

 

 

『死霊館のシスター』

 

 

 

近代の東欧の修道院で、起こった謎の若き修道女の自殺の裏にある秘密を暴くホラー。 

『死霊館 エンフィールド事件』に登場した黒い修道女に焦点を当て、『アナベル 死霊館の人形』に続き、さらに深く恐怖の原点を描き出す、ホラー映画史上に刻まれる大ヒット・ホラー『死霊館』シリーズのスピンオフの第3弾。

 

主演は、オリジナル・シリーズに主演したヴェラ・ファーミガの実妹で『ファイナル・ガールズ 惨劇のシナリオ』やTVドラマ『アメリカン・ホラー・ストーリー』シリーズなどで若きスクリーム・プリンセスとなったタイッサ・ファーミガと、『チェ 39歳 別れの手紙』と『チェ 28歳の革命』でフィデル・カストロを演じたデミアン・ビチル。

 

 

監督は、『ザ・ハロウ/侵蝕』のコリン・ハーディ。

 

 

 

 

物語。

1952年、ルーマニアの修道院で、若いシスターが自ら命を絶った。
その死には不可解な点が多く、バチカンは調査のため、バーク神父と尼僧見習いのアイリーンを派遣する。

調査を開始した2人は、修道院に隠された恐るべき秘密とその裏にいる邪悪な存在にたどり着く。

 

原案は、ジェームズ・ワン、ゲイリー・ドーベルマン。
脚本は、ゲイリー・ドーベルマン。

 

 

 

 

出演。

タイッサ・ファーミガが、尼僧見習いのアイリーン。

デミアン・ビチルが、バーク神父。

 

ジョナ・ブロケが、フレンチー。

 

オーガスト・マトゥーロとジャック・フォークが、ダニエル。

イングリット・ビスが、シスター・オアナ。
シャーロット・ホープが、シスター・ヴィクトリア。
サンドラ・テイルズが、シスター・ルース。
アニ・サヴァが、シスター・ジェシカ。


ボニー・アーロンズが、ザ・ナン。

 

ヴェラ・ファーミガが、ロレイン・ウォーレン。
パトリック・ウィルソンが、エド・ウォーレン。

 

 

 

 

スタッフ。

製作は、ジェームズ・ワン、ピーター・サフラン。
製作総指揮は、リチャード・ブレナー、ウォルター・ハマダ、デイヴ・ノイスタッター、ゲイリー・ドーベルマン、マイケル・クリアー、トッド・ウィリアムズ。

撮影は、マキシム・アレクサンドル。


プロダクションデザインは、ジェニファー・スペンス。

 

編集は、ミシェル・オーラー、ケン・ブラックウェル。

音楽は、アベル・コジェニオウスキ。

 

 

 


50年代ルーマニア、奇蹟調査員の二人が尼僧の自殺を調べるホラー。
『死霊館2』の原点を描くスピンオフ第3弾。
東欧の古き修道院を舞台にしたゴシックホラー。
ホラー職人のマキシム・アレクサンドルの撮影とジェニファー・スペンスの美術が素晴らしい。
脚本は雑。伏線よりも見た目。
アトラクションとしての楽しさで補う。これを見せたいだけで突き進む潔さは買えるし、笑えるほど。
タイッサ・ファーミガとジョナ・ブロケのキャラが魅力。
さらに膨らむ死霊館の資料に埋もれる祈作。

 
 

 

 

 

 

 

おまけ。

原題は、『THE NUN』。

『尼僧』または『修道女』。

 

邦題だと、『死霊館』のロレイン・ウォーレンであるヴェラ・ファーミガの実妹であるタイッサ・ファーミガのことにも読めたり。(21才差の姉妹だそう)

ナンとシスターの違いは、ナンが職業や立場を表わす言葉で、シスターは呼称のような感じなのかな。
『天使にラブ・ソングを…』(原題は『SISTER ACT』)でシスター・クラレンスと呼んでいたから。
たとえば、「○○先生」みたいな呼び名で、職業は医師とか教師みたいな感じなのかな。自分で先生とは名乗らないものね。
劇中でも、フレンチーはアイリーンのことを「ナンか」(字幕では「シスターか」)と言っていたし、アイリーンとは呼んでもシスターとは呼んでいなかったのは、まだ見習いだからだろうか。

英語のクレジットでは、バーク神父は、Father Burke、アイリーンは、Sister Ireneになっている。

 



上映時間は、96分。
製作国は、アメリカ。
映倫は、G。

 

 

 

キャッチコピーは、「呪え。祈れ。」。

シンプルで、ポスターデザインを含めてみるとすごくいいです。
オカルト・ホラーを示す表現としては極みですし、対立を示すタイプとして極上。
『シン・ゴジラ』の「現実(ニッポン)対虚構(ゴジラ)」に匹敵するミニマムキャッチコピーの傑作。
あ、でも、「呪え。祓え。」でも面白かったかも。

あと、思いつくのは、「憑く。払う。」とか、「襲え。守れ。」とか、「闇。光。」とか、「黒。白。」とかもアリだったかも。

今作がヒットしたら、"それ"みたいに、このタイプのキャッチコピーが流行るかもなぁ。ある意味、楽っちゃ楽だし。

 

 

 

 

 

『死霊館』シリーズは、今後、正編の『The Conjuring 3』、スピンオフ第4弾『アナベル3(Untitled Annabelle Project)』、スピンオフ第5弾『The Crooked Man』が製作予定。
合わせて8本となり、数では『SAW』シリーズと並ぶことになる。

ジェームズ・ワンはこれで、映画史上でも数少ない、4作以上続いたヒットシリーズを3つ以上生み出した映画監督となった。(もう一つは『インシディアス』シリーズで『4』は日本ではソフトのみ)。
ほかには、『ジョーズ』シリーズ、『インディー・ジョーンズ』シリーズ、『ジュラシック・パーク』シリーズのスティーブン・スピルバーグ(プロデューサーとしては『シュレック』シリーズ、『トランスフォーマー』シリーズ、『メイン・イン・ブラック』シリーズもある)や『エルム街の悪夢』シリーズ、『スクリーム』シリーズ、『サランドラ』シリーズ(リメイク含む)のウェス・クレイブンがいる。
日本では『男はつらいよ』シリーズ、『学校』シリーズ、『家族』(『東京家族』含む)シリーズを持つ山田洋次と『次郎長三国志』シリーズ、『丹下左膳』シリーズ、『日本侠客伝』シリーズなどのマキノ雅広がいる。

ちなみのちなみに、脚本(主演と一部で監督も)では、『ロッキー』シリーズ、『ランボー』シリーズ、『エクスペンダブルズ』シリーズ(4作目は準備中)のシルヴェスター・スタローンがいる。(脇で出演した『デス・レース2000年』シリーズもリメイク含め5作作られていたりする)

 

 

『呪われた死霊館』(2018)は全く関係ない邦題だけ似せたもの。

 

 

古城に向かう時の俯瞰の画の光とか森の中の木漏れ日とか谷を望む風景ショットなど、デジタルで描いたのかもしれないけど、非常にいい映像が多い。
夜や室内でもぐっとくる画に凝ってます。

撮影のマキシム・アレクサンドルは、『アナベル 死霊人形の誕生』に続いての登板。
『ハイテンション』、『ミラーズ』 (2008) 、『ヒルズ・ハブ・アイズ』 (2006) などのアレクサンドル・アジャとのコンビでも知られており、ホラーでいい仕事を残していますが、『ルイの9番目の人生』、『アース・トゥ・エコー』などのジュブナイル的な作品でもその力量を発揮しています。
あと、『サイレントヒル:リベレーション』も担当してます。実は、今作には『サイレント・ヒル』にそっくりな画があります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ややネタバレ。

ザ・ナン役のボニー・アーロンズは、『マルホランド・ドライブ』のホームレスの(BUM)婆役もやっている。

 

監督のコリン・ハーディは、モンスターマニアだそうで、今作も独特の造形の人間型怪物、腐敗死体、顔の見えない修道女、袋被った生贄などが出てきますが、基本、ヴァラクは『死霊館2』だし、大きく独創性を出せるモンスターがいないため、少々消化不良な感じ。ダニエルの蛇とかもっといろいろやって欲しかった気も。

 

 

 

 

 

 

 

ネタバレ。

今作でも出てくるモーリスことフレンチーのその後は、『死霊館 エンフィールド事件』でロレイン夫妻が講義で説明している。

 

脚本としては、最初の語りの入りが弱い、伏線が雑などいろいろ難あり。
バーク神父もアイリーンも過去の重責を抱えている。それは会話や攻撃として出てくるが。
以下は、おいら案。
最初のバーク神父がまだこの手の仕事とは距離をとりたいというが、司祭はアイリーンという尼僧見習いをこの担い手として育てたいと思っており、それを任せるなら、君だと思ったんだ、と話す。なぜ新人をバーク神父に任せたいのかで惹きつける。
実は、前の仕事でバーク神父はアイリーンと同じような力を持つダニエルを死に至らしめていたからだった。
アイリーンは孤児院で再び悪夢に悩まされていた。しかも、それは自殺する悪夢。ゆえに、終生請願をすることをためらっていた。そこに、バーク神父が迎えに来る。寝耳に水の調査の仕事だったが、アイリーンは自分と決着をつけるために同行を決める。
なんてね。

 

バーク神父がダニエルにかまい過ぎて、最後にちょっと気をそらす程度でほぼ無能。

悪魔は名前を呼ばれると弱くなるとう設定(『死霊館2』)のだが、バーク神父はそれを知らないようだ。

あの墓穴の中に本を置いたのは誰なのかしら?
ヒントありありの本のところに閉じ込めるとか、ヴァラクはけっこうおっちょこちょい。
アイリーンの周りに修道女の霊が助けようと現われたんだから、彼女らが置いたのだろうけど。

 

 

村と修道院の間には取り決めがあるのに、フレンチー以外には死体があったことを修道院に誰も言わないのね。

 

侯爵の黒魔術を封印するために、城を修道院にしたってことなのね。 だから、実際に城をロケ地にしたのだろう。

 

 

アイリーンの背中に五芒星を書いたのはなんでだろう?
憑依のため? ヴァラクが憑依しやすくなるために描いたのかな?
ヴァラクを呼び出すときにも使っていたけど。人間側以外も使うのね。

 

 

バチカンがアイリーンを送ったのは、バーク神父がダニエルのことを乗り越えるためか、彼女をミラクルハンターに育てるためか。

『インシディアス』も霊能力者の老婆が主人公になるし、今後、アイリーンとバーク神父のその後が描かれるかもしれない。

今作は、評価は低いものの興行成績ではシリーズ1を記録したので、『The Crooked Man』にバーク神父とシスター・アイリーンのコンビが出てきたりしてね。それとも『死霊館3』に出てくるのかな。
1971年でロレインは30才前後?
1952年でアイリーンは18~20才くらい?
アイリーンが『死霊館』の正編に出るとしたら、40代の設定になるから過去の話で出てくるか。逆にロレインの若い頃の話をタイッサが演じて、40代のアイリーンをヴェラが演じる逆転も面白いかも。これ、フレンチーを救う『死霊館のシスター2』でやってくれないかね。

 

 

 

ネットに落ちてた、シリーズの年表(に追記)。 

1700年代頃
侯爵の手により、ルーマニアで悪魔ヴァラクが召喚される

1863年
魔女バスシーバ、我が子を殺し自殺
バスシーバ、ロードアイランドのハリスヴィルの一軒家にとり憑き、住人を恐怖に落とす

1930年代
ローリー、森で失踪

1945年
アナベル・マリンズ、事故死
アナベル人形に悪魔が憑依するも封印される

1940年代後半
シャーロット、ルーマニアの修道院を訪れる
バーク神父、悪魔祓いでダニエルを死なせる

1952年
ヴァラクにより修道院が全滅
ヴァラク、モーリスに憑依し、修道院を脱出

1958年
マリンズ家、孤児を受け入れる
マリンズ夫妻、死亡
悪魔はジャニスに憑依し、人形は清められる
ジャニス、アナベルに改名し、ヒギンズ家の養子になる 

1960年代 
エンフィールドのビル・ウィルキンス、死亡

1970年
ウォーレン夫妻、アナベル人形を封印
ロードアイランドのハリスヴィルにペロン一家引っ越してくる。

1971年
ペロン一家、ウォーレン夫妻に調査を依頼
(実際はアミティビルで1974年に惨殺事件があり、1975年に引っ越してきた一家が恐怖体験をした)

1977年
ウォーレン夫妻、エンフィールドでの調査に挑む
(実際は1980年に調査に行っている)

 

 

 

 

 

オマージュがいっぱいです。
(『死霊館』自体が、『悪魔の棲む家』やスティーブン・キング作品などのオマージュが多くある)
『サスペリア』、『地獄の門』(1980)、『ビヨンド』などのイタリアン・ホラーやハマー・フィルムのゴシックホラー、『サイレント・ヒル』などもある。

 

 

 

ベースは、童話『赤ずきんちゃん』なのではなかろうか。
バーク神父とアイリーンが赤ずきん。
おばぁちゃんは修道女。
ハンターであるフレンチーが最初に狼に出会う。
ヴァラクは狼まんま。
白ずきんちゃんて感じ。

 

 

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