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菱沼康介の、丸い卵も切りよで四角。

日々の悶々を、はらはらほろほろ。

暗殺は後始末が大事。 『ユゴ 大統領有故』

2021年07月25日 00時00分39秒 | 俺は好きなんだよ!

【俺は好きなんだよ】第1431回は、『ユゴ 大統領有故』(2005)

 

原題は、『그때 그사람들』
『その時,その人々』。
英語題は、『The President's Last Bang』。
『大東露湯の最後の銃弾』。

 

ユゴ=有故の意味は劇中に出てきます。

 

 

スタッフ。

監督・脚本:イム・サンス
助監督:パク・サンヒョン
撮影:キム・ウヒョン
照明:コ・ナクソン
編集:イ・ウンス
音楽:キム・ホンジプ
武術:キム・ミンス
日本語翻訳:泉千春

 

 

出演。(配役中の【 】は,実際の事件における氏名)

 ハン・ソッキュ (チュ課長 中央情報部 儀典課長 【パク・ソノ(朴善浩)】)
 ペク・ユンシク  (キム・ジェギュ(金載圭) 中央情報部長)
 ソン・ジェホ   (パク・チョンヒ(朴正煕)大統領閣下)
 キム・ウンス   (ミン大領(大佐) 中央情報部 部長随行秘書官 【パク・フンジュ(朴興柱)】)
 チョ・サンゴン   (シム・サンヒョ 晩餐会場執事)
 クォン・ビョンギル (キム・ゲウォン(金桂元) 大統領府 秘書室長)
 チョン・ウォンジュン (チャ・ジチョル(車智澈) 大統領府 警護室長)
 チョ・ウンジ (シン・ジェスン(申才順) 女子大生 モデル 晩餐会場招請客)
 キム・ユナ  (シム・スボン(沈守峰) 歌手 晩餐会場招請客 /プロローグ ナレーション)
 チョン・ジョンジュン (チョン・スンファ(鄭昇和)大将 陸軍参謀総長)
 イ・ジェグ (クォン・ヨンジョ 中央情報部 安家(アンガ)警備課長 【イ・ギジュ(李基柱)】)
 キム・サンホ  (チャン・ウォンテ 中央情報部 安家(アンガ)警備員 【キム・テウォン(金泰元)】)
 キム・ソンウク  (ウォン・サンウク 中央情報部 安家(アンガ)運転士 【ユ・ソンオク(柳成玉)】 )

 キム・テハン  (ソン・ジュニョン 中央情報部 安家(アンガ)警備員
 チョン・インギ  (シン・ヨンフン処長 【チョン・イニョン(鄭仁炯)警護処長】)
 チョンウ  (ハン・ジェグク 【アン・ジェソン(安載松)警護副処長】)
 キム・ヨンイン  (国務総理 チェ・ギュハ(崔圭夏))
 ソ・ヒスン  (副総理 シン・ヒョナク(申鉉碻))
 シム・ウチャン  (国防長官 ノ・ジェヒョン(盧載鉉))
 キム・ビョンオク  (キム・ビョンオク大佐 陸軍参謀 秘書室長)
 チョ・ドクチェ  (チョ少佐)
 イ・スンフン   (イ少佐)
 パク・チニョン  (キム中将 国軍病院長 キム・ヒョンス(金秉洙))
 クォン・テウォン  (安家(アンガ) コック長)
 キム・ギチョン  (ボイラー カン氏)
 イ・ヘギョン   (ユニ 分別がない娘)
 キム・ヒョナ  (チャン・ウォンテ夫人)
 イ・スミ   (チュ課長夫人)
 イ・ジュソク  (閣下 警護員)
 キム・グォングン  (閣下 警護員)
 キム・ヒョンイル  (閣下 警護員)
 イム・サンス  (キム・ジェギュ部長の主治医 李世𥞟 [監督])
 ペク・ハンギ   (キム・ジェギュ部長の運転手
 イ・ジナ   (ヨニ(延喜)洞マダム 【ミン・マダム】)
 チ・ヨンナン  (チュ課長の妻の母)
 パク・シンギュ  (閣下秘書 【パク・クァクポン(朴鶴奉)】 [MKB理事])
 キム・ギョンモク  (キム次長 中央情報部第二次長補 【キム・ジョンソプ(金正燮)】 [制作投資]) 
 キム・ジンミン   (サムチョン(三清)洞 将校 [映画監督])
 チェ・ドンフン  (国軍病院 軍医官 [映画監督])
 クォン・グッキ  (国軍病院 軍医官 [助監督])
 キム・ハギョン  (国軍病院 軍医官)
 キム・ミンジン  (看護将校)
 チャ・スンヨル  (食堂 補助)
 イ・ウジョン  (参謀総管 副官 [MKBプロデューサー])
 チョ・ヒジン   (クンジョン(宮井)洞 ウェイター [スクリプター])
 コ・ヨンミン  (プハン(附缸)施術者)
 イム・ボム   (保安司令官 チョン・ドゥファン(全斗煥) [ハンギョレ新聞記者])
 ペ・ジャンス  (陸軍本部 状況室長)
 ソン・ジェギュ   (各部 長官/将軍)
 キム・ジョンニプ  (各部 長官/将軍)
 パク・ウソプ   (各部 長官/将軍)
 チャ・ヨンゴン  (各部 長官/将軍)
 ユ・サンヒ  (各部 長官/将軍)
 キム・ガプスン  (各部 長官/将軍)
 キム・ウォンジュン (各部 長官/将軍)
 チェ・ホジン  (各部 長官/将軍)
 チョ・ミンス  (各部 長官/将軍)
 イ・チュンヨル  (各部 長官/将軍)
 ハヤン   (ヨニ(延喜)洞 女性)
 ユンジ   (ヨニ(延喜)洞 女性)
 チウ    (ヨニ(延喜)洞 女性)
 イ・ヒジェ  (ヨニ(延喜)洞 紳士)
 キム・ギウォン (ヨニ(延喜)洞 紳士)
 パク・サンヒョン  (ヨニ(延喜)洞 管理人/陸本 憲兵/将校 [助監督])
 キム・デウク  (ヨニ(延喜)洞 管理人 [制作部])
 イ・ビョンソン  (取調室 刑事)
 イ・ドヒョン  (取調室 刑事)
 イ・ドンヨン   (取調室 刑事)
 パク・セヨン   (取調室 刑事)
 キム・ミンス   (取調室 刑事)
 キム・ビョンチョル (取調室 被疑者
 イ・ヒョンソク  (取調室 被疑者)
 オ・ジュファン   (取調室 被疑者)
 イ・ゲグ   (取調室 被疑者)
 パク・ソンギュ (取調室 被疑者)
 キム・ヘヨン   (取調室 被疑者)
 チェ・ギオク  (キム部長 警護員)
 ソ・ジョンジュ  (キム部長 警護員)
 イム・ソンアム  (キム部長 警護員)
 キム・ギファン   (キム部長 警護員)
 チョ・ジェユン   (クンジョン(宮井)洞 警備員)
 イ・ジェピル  (クンジョン(宮井)洞 警備員 [MKB配給チーム長])
 キム・ジウン  (クンジョン(宮井)洞 警備員)
 ソル・ギョンベ  (クンジョン(宮井)洞 警備員)
 キム・ドフン   (クンジョン(宮井)洞 警備員)
 ハ・サンウク  (クンジョン(宮井)洞 警備員)
 イ・ヒョンソク  (クンジョン(宮井)洞 警備員)
 キム・ドンジュ  (クンジョン(宮井)洞 警備員)
 ヤン・ジェギュ   (クンジョン(宮井)洞 警備員)
 ナム・ユンス   (クンジョン(宮井)洞 警備員)
 ソ・ジョンフン  (クンジョン(宮井)洞 警備員)
 ヤン・ドンミョン  (陸軍本部 憲兵/将校 [MKB配給室長])
 キム・ソンフン   (陸軍本部 憲兵/将校)
 イ・スヒョン  (陸軍本部 憲兵/将校)
 ファン・ソンジプ (陸軍本部 憲兵/将校)
 ウ・サンゴン    (陸軍本部 憲兵/将校)
 チョン・ミンヒョク  (陸軍本部 憲兵/将校)
 パク・サンジョ   (陸軍本部 憲兵/将校)
 パク・サンジュ  (陸軍本部 憲兵/将校)
 イ・ギョンゴル  (陸軍本部 憲兵/将校)
 ペ・ジョンファン  (陸軍本部 憲兵/将校)

 キョンギ(京畿)女性高等学校映画制作部 (国旗敬礼 女子高生)
 プチョン(富川)工業高等学校管楽部   (30警備団 軍楽隊)

  ポン・テギュ  (国軍病院正門 死守憲兵 ポン・テギュ サムチョン(三清)洞憲兵))
 ホン・ロッキ  (陸軍参謀総長を知らない陸軍本部哨兵)

 ユン・ヨジョン  (ユニの母 分別がない母/エピローグ・ナレーション)

 

 

 

物語。

ヘリコプターに席がなく、大統領の行事に一緒に行けなかったので、病院に行った中央情報部のキム部長は主治医から健康状態が良くないので、しばらく休めといわれる。
執務室で大統領の晩餐の様子を伝え聞いたキム部長は、しばらく考えに浸る。
すぐに随行秘書ミン大佐と共に晩餐会場の宮井洞(クンジョンドン)の安家(アンガ:安全家屋の略称=中央情報部の秘密接待所)へ向かう。

晩餐が始まり、今日に限って、チャ警護室長の甚だしく傍若無人な態度が気に障る。深刻な表情で座っていたキム部長は、それとなく部屋を出て、チュ課長とミン大佐を呼び出し、大統領殺害計画を知らせる。

キム部長の右腕チュ課長は、今日もいろいろと頭が痛いことを収拾して、うんざりしていた。
その上、突然聞こえてきた晩餐の様子を聞いて何だろうかと思う。
大統領と同席するお客さんを交渉して晩餐会場に到着する。

暫くして、自分とミン大佐を呼び出し、「今日は私が片づけるから支援しろ」というキム部長の命令にしばらくためらったチュ課長は、格別妙案もなく、命令に従うために急いで歩みを移す。

警備室に入ってきたチュ課長は,部下4名に作戦を命令して武装させる。

 

 

 

1979年の10.26事態(パク・チョンヒ(朴正煕)大統領殺害事件)を素材に、大統領が射殺された日、わけも分からないまま大統領殺害事件に加担したり,巻き込まれ、悲劇的最後を迎える人々のアイロニーな状況を描いた政治風刺ブラックコメディ。

 

 

実際の暗殺事件を生身の人間の行動と心情で、ブラックな笑いで仕立てた、まさに攻撃的な一本。

『KCIA 南山の部長たち』(2020)と比較して見ると面白さがさらに倍増する。

 

 

受賞歴。

2005年の第41回 百想芸術大賞にて、作品賞を受賞。
2005年の第8回 ディレクターズ・カット授賞式にて、今年の監督賞を受賞。

 

 

 

 

 

ややネタバレ。

朴大統領が女好きで日本かぶれであるように描かれたのが故人の人格権を損なっていると遺族が映画上映禁止の仮処分を申請。CJエンタテインメントが出資・配給から撤退するなど混乱が続いた挙句、ソウル中央地裁が、映画の前後にある【釜馬民主抗争】(1979年秋、プサンとマサンを中心にした朴大統領の独裁反対デモ事件)のシーン、朴大統領に対してキム・スファン枢機卿が追悼するシーン、そして朴大統領の葬儀の記録映像のシーン、あわせて3分50秒について削除を命じた。

韓国公開から3年近く経ってようやく日本公開にこぎつけた。
日本版は無修整。

 

 

 

 

 

 

ネタバレ。

ユゴは、無事の反対。有事。


 この映画のモチーフである1979年に起きた10.26事態とは、第5~9代大統領を 歴任したパク・チョンヒ(朴正煕)大統領が中央情報部長キム・ジェギュ(金載圭)によって殺害された事件。

事件後、全国に戒厳令が宣言され、チェ・ギュハ(崔圭夏)総理が大統領権限を代行し、事件に加担した中央情報部長とその部下などが逮捕された。

戒厳令中に行われたパク大統領の告別式は多くの国民が涙を流しながら見守ったが、彼の死後にも政局は相変らず不安定で当時戒厳司令官だったチョン・スンファ(鄭昇和)、陸軍参謀総長の連行を巡って、軍内部同士がソウル市内で銃撃戦を行うという、いわゆる12.12事態が発生した。
しかし、この事件は第5共和国へと移行する基盤を提供したことになる。

この映画の封切前にパク・チョンヒ(朴正煕)元大統領の一人息子パク・チマン(朴志晩)氏が「死者の名誉を棄損する」として上映禁止仮処分を裁判所に申請した。

ソウル中央地方裁判所第50民事部は1月31日、上映は認めたもののドキュメンタリー部分(パク・チョンヒ大統領の葬礼式の場面)については削除を命じ、3か所計3分50秒分が真っ黒に消されて上映されることになった。

映画会社は興業上の理由から削除したままの公開を決め削除された場面の前にその旨のクレジットを入れた。 


この映画のイム・サンス監督本人が映画序盤にキム部長の主治医役で出てくる。

この映画の原題『その時、その人々(그때 그사람들)』はキム・ユナが演じる歌手シム・スボン(沈守峰)の1979年のヒット曲『その時、その人(그때 그사람)』に由来するのだそう。
・また邦題の 『[大統領] 有故(ユゴ 유고)』とは当時の新聞の見出しに使われた言葉で 「事故があること」という意味。パク・チョンヒ(朴正煕)大統領の暗殺を隠すために使われた言葉。

映画の序盤にヨニ(延喜)洞のプールが登場し、水着のトップをはずす若い女性が登場するが、これは事実ではなく,映画のための虚構。

大統領の宴席で歌手シム・スボン(沈守峰)がギターを弾きながら都はるみの「北の宿から」(作詞・阿久悠、作曲・小林亜星)と美空ひばりの「悲しい酒」(作詞・石本美由紀、作曲・古賀 政男)を相次いで歌う場面があるが、実際は,日本の歌ではなく、自分のヒット曲「その時その人」とキム・ジョングの過去の歌「涙にぬれた豆満江」を歌ったそう。
また、その後で女子大生のシン・ジェスン(申才順)が踊りながらキム・チュジャの「コジンマリヤ(嘘よ)」を歌う場面があるが、実際にはシン・ジェスンが歌った歌は 「愛するあなた」だったそう。


キム・ジェギュ(金載圭) 中央情報部長が撃った初めての銃弾で、チャ・ジチョル(車智澈)警護室長の右指がちぎれ、逃げ込んだトイレでくっつけてみる場面があるが、実際は銃で狙うキム部長の拳銃をひったくろうと右手を差し出し、右の手首を打ち抜かれたのだそう。

またキム中央情報部長がパク大統領の頭に新しい銃を向けて短い対話があるが、実際はパク大統領は一発目ですでに昏睡状態に陥っており、対話はなかったそう。

(映画サイト<輝国山人の韓国映画>より引用)

 

 

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