で、ロードショーでは、どうでしょう? 第1668回。
「なんか最近面白い映画観た?」
「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」
『女王トミュリス 史上最強の戦士』
紀元前550年頃の中央アジアに実在した伝説の女王トミュリス、彼女が遊牧民マッサゲタイ族の長である父と家族を殺されるも苦難を超え、ペルシア帝国と戦いを繰り広げるアクション史劇。
主演は、アルミラ・ターシン。
監督は、『ダイダロス 希望の大地』、『持たざるものが全てを奪う/HACKER』のアカン・サタイェフ。
物語。
紀元前550年頃の中央アジアの草原、ステップ地帯。
マッサゲタイ族の長である父と家族を殺され、すべてを奪われた少女トミュリスは、孤独に耐えながらも鍛錬を重ね、成長する。バラバラになった臣下を再び集め、新しい仲間を得たトミュリスは父の復讐を果たし、マッサゲタイ国も大きくなっていく。
しかし、世界の半分を征服する大帝国アケネメス朝ペルシアのキュロス大王の手が隣国にまで迫り、トミュリスにも服従を要求してくる。そんなキュロス大王の脅しにも屈しないトミュリスは、圧倒的な兵力差のペルシア軍を相手に民族の誇りをかけて戦いを挑む。
脚本:アリーヤ・ナザルバイェヴァ、ティムール・ザクシリコフ
出演。
アルミラ・ターシン (トミュリス)
アディル・アフメトフ (アルガン)
エルケブラン・ダイロフ
ハッサン・マスード
アイザン・ライグ
スタッフ。
製作:アリーヤ・ナザルバイェヴァ
撮影:ハッサン・キディラリエフ
編集:ガリムジャン・サンバエフ
音楽:アリム・ザイロフ
『女王トミュリス 史上最強の戦士』を鑑賞。
紀元前550年頃の中央アジアに実在した王女トミュリスが女王になっていく姿を描くアクション史劇。
ヘロドトスの『歴史(ヒストリアイ)』に書かれた伝説の女王を生き生きと語るカザフスタン映画。
騎馬民族の馬と弓の描写と広大なる風景を堪能する。
年齢ごとに3人の女王のキャストによるそれぞれの活躍が見どころ。
全体的に主観的な要素が強いので、政治的で張るが、蛮勇と我が強い。躊躇なく殺しまくり。
さすがに紀元前なので少年漫画的な展開、欲望全開モードでのっかる。
独特の躊躇ないアクションに時代に思いを馳せられる。やらなければやられるのだ。そして、それもまたその時代の正義。
当時、女性がどうのし上がるかが、実は現代とそう変わらないことの恐ろしさも見つけたり。
伝説を講談の中で浴びる馬作。
おまけ。
原題は、『TOMIRIS』。
『トミュリス』
英語題は、『THE LEGEND OF TOMIRIS』。
『トミュリスの伝説』。
2019年の作品。
製作国:カザフスタン
上映時間:127分
WWC ホワット・ア・ワンダフル・シネマ2020で上映。
ちゃんと斬りまくるのがいいんです。
弓の使い方は『ロード・オブ・ザ・リング』のレゴラス級。
馬のアクションはトップクラスです。
ややネタバレ。
ナショナルジオグラフィックによる"歴史家に聞いた史上最強の女性"で名前が挙がった女王トミュリス。紀元前550年頃に実在した中央アジアの遊牧民マッサゲタイ族の女王で、容姿端麗、頭脳明晰、カリスマ性を持ちあわせていたとされる。ギリシアの歴史家ヘロドトスが記した『歴史(ヒストリアイ)』で、キュロス二世は、トミュリス女王率いるマッサゲタイ人との戦いで戦死したという説を伝えている。
後世ではルーベンスやモローといった画家や芸術家がトミュリスの逸話の魅かれ題材にした。そんなトミュリスの激動の生涯と地球上で初の規模となる異民族間の激しい戦いといわれ、当時、世界の半分を征服していたアケメネス朝ペルシアのキュロス大王を破ったという伝説がある。
キュロス二世は、ユダヤ人をバビロン捕囚から解放したことで彼らの評価を得たことやクセノポンその他の評価も高かったことにより、キュロスは理想的な君主の一人として後世に伝えられるようになった。
戦死したときは、すでに一部の統治権を譲渡されていたこともあり、皇太子であるカンビュセス2世への政権移譲は滞りなく行われた。カンビュセス2世は紀元前525年に残る大国であるエジプトを征服し、オリエントに広大な統一帝国が誕生することとなった。
ネタバレ。
『史上最強の戦士』という副題なのに、最後の戦いでは夫が活躍するのよね。
勝手な副題なんだな。