菱沼康介の、丸い卵も切りよで四角。

日々の悶々を、はらはらほろほろ。

砂は同じように見えて、すべて違う。  『プリンス・オブ・ペルシャ 時間の砂』

2010年06月11日 00時00分15秒 | 映画(公開映画)
 
で、ロードショーでは、どうでしょう? 第143回。



「なんか最近面白い映画観た?」
「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」







『プリンス・オブ・ペルシャ 時間の砂』

 






名作ゲームの映画化。
しかも、そのゲームのクリエイターがストーリーを担当。
というわけで、ゲーム的に、アイテムの使い方がうまい。
いわゆるシャレード(道具にドラマを語らせる方法)につなげていて、
うならせる。
ただ、その分、人間関係も少々道具立て的ではあるが、こういう映画ならではの軽さともいえるので、攻めるほどでもない。
なにより、動きのよさを誇るゲームの映画化なので、アクションが実にいいのよ。
やっぱこういう快活なアクションは胸躍ります。
アサシンとの対決は、意外にハードですしね。

それを仕上げたのは、あのイギリス的なマイク・ニューエル。
ハリー・ポッターで大作は経験済みとはいえ、驚きの人選です。


ジェイク・ギレンホールは快活すぎて、スパローとはまるで違いますが、そこが暑さにちょうどいい。
ほかにもベン・キングスレー、アルフレッド・モリーナなど名バイプレイヤーたちの競演が楽しい。



中東の絵柄にまるっきりの白人ドラマではあるが、現代性とお行のいい寓話のバランス、口あたりのいい語り口で飽きずにポップコーンをぐんぐん口に運べる。
それがディズニー×ジェリー・ブラッカイマーの相性のよさであり、ザッツ・ハリウッドエンターテインメントとはこういうことなのだ。

  
満腹な人も、残さざる得ない人もいる大作。







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