で、ロードショーでは、どうでしょう? 第1119回。
「なんか最近面白い映画観た?」
「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」
『犯人は生首に訊け!』
韓国で2017年に公開され、初日に興行成績一位を記録したホラー・サスペンス。
監督と脚本は、『4人の食卓』の イ・スヨン。
物語。
妻と離婚し、息子とも2週間に1度しか会えない内科医スンフンは、ソウルから京畿道の新都市に移り、心機一転を図るため、新しい勤め先の近隣では一番近代的な病院でひとまず3週間の契約で忙しく働いていた。
そんな折、漢江で首と手足が切断された女性の死体が見つかる。実は、この町は、15年にわたって未解決である連続殺人事件で有名で、その新たな犠牲者ではないかと噂をしていた。
ある日、スンフンは自宅マンションの1階にある大家でもある精肉食堂の老人チョンの大腸の検査をすることに。
まだらな認知症を抱える彼が麻酔で意識混濁の中、漏らしたのはの連続殺人の犯人のような死体処理に関する言葉だった。
この言葉のリアリティにスンフンは、精肉屋一家が連続殺人に関与していると考え始め、親切だった彼らを見る目が変わっていく。
しかも、その時から、妙に精肉店の人々が彼に関わってくるようになってくる。
出演。
チョ・ジヌンが、スンフン。
この映画は彼の芝居が命。
シン・グが、 精肉屋の元店主でサングンの父のチョン。
キム・デミョンが、精肉屋の店主のサングン。
イ・チョンアが、看護婦のミヨン。
ソン・ヨンチャンが、元刑事のチャ・ヒョンギ。
ユン・セアが、妻のスジュン。
スタッフ。
ラインプロデューサーは、ジョン・ヨンホン。
医師が大家の精肉屋に麻酔をかけるとその意識混濁で殺人を告白し始めてしまうホラー・サスペンス。
いろんな映画のイメージからうまくつぎはぎされた優等生的な運びで、生真面目さが傷。ゆえに映画文法に慣れていると序盤で予測はついてしまうところも。仕掛けは丁寧だが、語りが弱い。
二癖あるキャストの顔がいい。シュールな笑いが生まれていて好み。
氷が解けたら、コーラが薄まって薄いようでちょうどよかったりもする混作。
おまけ。
原題は、『해빙』。
『解氷』の意味。
この意味はオープニングで語られます。
英語題は、『BLUEBEARD』。
まんま『青い髭』の意味でいいのでしょうかね。
殺人鬼の意味の【青髭】ですね。
上映時間は、118分。
製作国は、韓国。
特集上映<反逆の韓国ノワール2017>にて上映。
ややネタバレ。
スンフンの義母が事件後でも会いに来ても面白かったかも。
ネタバレ。
『ハッピーボイス・キラー』+『ライアー』+『ブッチャー』、なにより『下宿人』の裏の裏の裏という感じ。(あと、『マ○○○○』と『ユ○○○○○○○○○○○』があるけど、これはそっちのネタバレにもなるから伏せる)
『八仙飯店之人肉饅頭』、『スウィーニー・トッド』、『ザ・ブッチャー』、『メメント』、『ゴールデン・ボーイ』の匂いも。そうそう、ウディ・アレンの『私○○○○○○○○』はタイトルがもはやネタバレ。
でも、ここまでたくさんのイメージを入れていて、ミクスチャーの良さもあるから大したものだ。
映画文法的には、フェイドアウトの入れ方とその後のシーンでだいたい予測がつく。
袋の生首の見せ方がやや気になる。(実は見たくない(自分が殺した罪悪感が邪魔する)からだったりはするけど)
牛の頭を袋にいておいたのは偽装かな。医師への言い訳のためにも。
恩人の医師(自分の妄想の元刑事の元ネタ)は一度電話かけてきていた気がするが声が聞こえていたかどうか。
ご指摘ありがとうございます。
普通に、見間違えてました。
殺人鬼の意味の青髭ですね。