【俺は好きなんだよ】第1503回
『サンザシの樹の下で』(2010)
原題は、『山[木査]樹之恋]。
『サンザシの恋』。
英語題は、『THE LOVE OF THE HAWTHORN TREE』。
『サンザシの木の愛』。
製作国:中国
上映時間:114分
映倫:G
配給:ギャガ
スタッフ。
監督:チャン・イーモウ
製作:チャン・ウェイピン、ビル・コン、ヒューゴ・ション
原作:エイ・ミー
脚本:イン・リーチュエン
撮影:チャオ・シャオティン
出演。
チョウ・ドンユイ (ジンチュウ)
ショーン・ドウ (スン)
シー・メイチュアン (ジンチュウの母)
リー・シュエチェン (村長)
チェン・タイシェン (ルオ先生)
物語。
文革の嵐が吹き荒れる1970年代初頭の中国では、下放政策のもと、都会の若者は農村へと強制的に送られ、農業実習を通じての再教育が行われていた。
街の高校に通う貧しい暮らしをするジンチュウも農村に送られ、村長宅に住み込み、農業を手伝う。
その村には、サンザシの樹があり、抗日戦争で亡くなった兵士の血によって、本来白い花が赤く咲くという言い伝えがあり、革命精神の象徴となっていた。
そんな中、ジンチュウは地質調査に来ていた青年スンと出会う。
スンはジンチュウへの好意を隠そうともせず、彼女を訪ねてくる。
70年代の文化大革命下の中国での女子高生と男子大学生の純愛を綴るラブ・ストーリー。
中国国内でベストセラーとなったエイミーの小説を基に、文化大革命に翻弄された淡く儚い初恋が辿る悲しい物語を映画化。
監督は、『初恋のきた道』のチャン・イーモウ。
主演は、オーディションで選ばれた新星チョウ・ドンユイと中国期待の若手俳優ショーン・ドウ。
一言で、切ねぇ話です。
次のチャン・ツィイーと言われたチャン・ドニュイはその身近さで、まったく違う方向性でその表現を見せている。
その小さな爆弾ぶりは、その後もさらに磨かれていく。
『初恋の来た道』と違い、当時の都会での話も半分あるので、文化大革命の傷が痛みとして伝わってくる。
当時の学校の様子も興味深いです。
都会の貧しい暮らしの家族ものでもあるので、そのノスタルジーもいいんですよ。
『初恋の来た道』も母を思う息子の視点で語られていたので、今作は娘の視点として見ることもできる。