菱沼康介の、丸い卵も切りよで四角。

日々の悶々を、はらはらほろほろ。

アフリカ呉越同舟。 『モガディシュ 脱出までの14日間』

2022年07月23日 00時00分18秒 | 映画(公開映画)

で、ロードショーでは、どうでしょう? 第2084回。


「なんか最近面白い映画観た?」
「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」

 

 

 

 

『モガディシュ 脱出までの14日間』

 

 

1991年にアフリカのソマリアの内戦勃発で韓国大使館員が脱出を図る実録サスペンス・アクション。

 

監督は、『ベルリンファイル』、『ベテラン』のリュ・スンワン。

 

主演は、『海にかかる霧』、『1987、ある闘いの真実』のキム・ユンソク。
共演に、チョ・インソン、ホ・ジュノ、ク・ギョファン。

 

 

物語。

1991年、ソマリアの首都モガディシュ。
国連加盟を目指す韓国政府は、アフリカ諸国へのロビー活動に力を入れており、ソマリアでも韓国大使のハンは、現地政府への働きかけに奔走していた。
しかし、ライバルの北朝鮮がアフリカでの外交活動では先んじていた上、同国のリム大使による度重なる妨害工作に苦戦を強いられていた。
ソマリア国内では反乱軍による内戦が激化し、ついにモガディシュの街は戦場と化してしまう。

脚本:イ・ギチョル、リュ・スンワン

 

 

出演。

キム・ユンソク (ハン・シンソン 大使 駐ソマリア大韓民国大使館)
チョ・インソン (カン・デジン 参事官 駐ソマリア大韓民国大使館)
ホ・ジュノ  (リム・ヨンス 大使 駐ソマリア北朝鮮大使館)
ク・ギョファン (テ・ジュンギ 参事官 駐ソマリア北朝鮮大使館)
キム・ソジン (キム・ミョンヒ ハン・シンソン大使の夫人)
チョン・マンシク (コン・スチョル 書記官 駐ソマリア大韓民国大使館)
キム・ジェファ (チョ・スジン 事務員 駐ソマリア大韓民国大使館)
パク・キョンヘ  (パク・チウン 事務員 駐ソマリア大韓民国大使館)
パク・ミョンシン (ペ・ヨンスク リム・ヨンス大使の妻)
ハン・チョル  (チェ・カンシク 書記官 駐ソマリア北朝鮮大使館)
チュ・ボビ  (ペク・ファシ チェ・カンシク書記官の妻)
アン・セホ  (チャン・リチョル 書記官 駐ソマリア北朝鮮大使館)
イ・ジニ (ウォン・ミスク チャン・リチョル書記官の妻)
チェ・ギョンフン  (リャン・ヒョンゴン 書記官 駐ソマリア北朝鮮大使館)
イ・ファジョン (チャン・ユンファ リャン・ヒョンゴン書記官の妻)
チョン・ビョンドゥ  (リ・チョルジン 武官 駐ソマリア北朝鮮大使館)
イ・ナヨン  (チェ・ミンソ チェ・カンシク書記官の娘)
キム・ドンファ (リャン・ヒョミン リャン・ヒョンゴン書記官の息子)
チャン・ジフ (リム・ジフ リム・ヨンス大使の息子)
ユ・ヨンソク (チャン・ハンジュン チャン・リチョル書記官の息子)

ANDREW NAGANGA KIMANI  (スワマ 運転手 駐ソマリア大韓民国大使館)
PETER KAWA    (カリル)
ALEX KINUTHIA MUTHIGA  (ハッサン)
IULIA LARA HEGYESI (モガディシュ空港 白人旅行客)
JEREMY JUMEAU    (モガディシュ空港 白人事業家)
AIMIENHO DANDY  (モガディシュ空港 職員)
EDIJOE MWANIKI   (タクシー運転手)
LHOUSSINE SOUMIK  (貧民街 老人)
AMINA ABOUTAREK   (貧民学校 先生)
QAWARU DARY    (大統領 秘書室長)
FALLAH FRANCIS  (韓国大使館 料理人)
GBAYE DOLEE LEE   (韓国大使館 清掃夫)
DAVID BROOKS MILLER (外信記者 トム)
FALL ZAKARIA    (ソマリア 外務部 秘書室長)
ALAN OYUGI   (ソマリア 外務部 長官)
BOLY MAMADOU  (同僚警察)
SADIALY SAYDI    (同僚警察)
MOUMOUNI SEYDOU  (同僚警察)

カン・スンス     (中国大使館 職員)
イム・ヒラ      (中国大使館 職員)
ENRICO IANNIELLO   (マリオ大使)
FRANCK AUGRIS    (オリムピカ次席)
ELHEZIN ARAFA   (エジプト次席)
ANDRAWES ANDREW    (エジプト大使)
BAGUI TANGA CHERUBIN  (メリカ大使館 情報分析室 職員)
TAKIS DANIEL      (アメリカ大使館 情報分析室 職員)
AICHA MHAMDI      (アメリカ大使館 情報分析室 職員)
CLAUDE RENE GROSSIORD  (アメリカ大使館 情報分析室 職員)
EKATRINA EVGENGEVNA  (アメリカ大使館 情報分析室 職員)
NGENZO PAPI MASSAMBA (アイディドゥ)
BASSIROU BALD     (身分証検査 警察)
RACHID WISSAHEL    (カーセンター 社長)
SOULEIMAN NOUR ISMAIL  (カーセンター お客さん)
SADIO BALDE     (警察局長)
HAGGINO ZACK    (モガディシュ空港長)
SALL LAMINE     (モガディシュ空港 道統制軍人)
LASANA AUSTINE    (韓国大使館前 武装暴徒)
KOMUANGA MERLIN    (韓国大使館前 武装暴徒)
MANZA KABONGO ABED (韓国大使館前 武装暴徒)
KARR BYANT    (韓国大使館前 武装暴徒)
TRESOR BOSSEY NTSINI (韓国大使館 武装警察隊長)
FOMBA YOUSSOUF   (韓国大使館 武装警察)

SYLLA IBRAHIMA SORY  (屋上 政府軍)
DIMITRI WALTER    (ジープ 運転手)

イ・グムビン     (ハン・スジョン)
チョ・スンヨン   (スジョンの祖母)

ユン・ギョンホ  (安全企画部 要員)

 

 

スタッフ。

助監督:イ・ソクスル
撮影:チェ・ヨンファン
照明:イ・ジェヒョク
編集:イ・ガンヒ
音楽:パン・ジュンソク
美術:キム・ボムク
武術:ユン・デウォン

 

 

 

『モガディシュ 脱出までの14日間』を鑑賞。
1991年ソマリア、内戦勃発で韓国大使館員が脱出を図る実録サスペンス・アクション。
韓国でも知られていなかった秘話を大予算で韓国映画の総力結集で世界レベルの娯楽大作に。2021年の韓国映画ナンバー1ヒットを成し遂げた。
韓国の外交官たちと北朝鮮の外交官の呉越同舟の面白さ。濃いめの人間ドラマで、アジアンな映画的な楽しみをがつんと楽しめます。韓国でしかできない映画ともいえる。
監督は、『ベルリンファイル』、『ベテラン』のリュ・スンワンで、かなりの調査をして、挑んだそう。その剛腕演出がここでも発揮されています。
キム・ユンソクがコミカルとシリアスを絶妙に混ぜ、人間を表出させる。チョ・インソン、ホ・ジュノ、ク・ギョファンといい顔が揃っています。女性キャストも本といい顔揃い。展開は分かりやすいので、素直にドラマに没入できます。端々まで、物語を支えている。
無政府状態のソマリアではもちろん撮影出来なかったので、モロッコを中心に撮影していますが、その再現は、反乱軍が使う銃器の種類にまでこだわっているそうです。
その迫力は、ハリウッド大作にも迫るレベル。ああ、映画を見てるなという満足度高し。
ソマリアの状況が分からない過ぎる、というのは少しありますが。
実話なのに、ちょっと娯楽に寄り過ぎるところもありますが、そこはそういう語りとして充分に受け止められます。
人間社会の恐ろしさをいくつもの側面を味わえます。あの状況下でさえもかと。
現実の文化の違いは、ちょっとしたホラーよりも恐ろしい。あの少年兵のシーンは映画史に残る恐怖。
その気温の熱波までスクリーンから漏れてくる。
ちょっとしたシチュエーションのつくり方、見せ方が素晴らしいのよね。あの白旗とか車のバックとか。
紙一枚、本一冊、視線一つで命を繋ぐ旗作。


 

 

 

おまけ。

原題:『모가디슈』。
『モガディシュ』。

英語題:『Escape from Mogadishu』
『モディシュからの脱出』。

 

2021年の作品。

 

製作国:韓国
上映時間:121分
観覧基準:15歳以上 観覧可

 

 

 

受賞歴。
2021年の第42回 青龍映画賞にて、最優秀作品賞、監督賞、男優主演賞(ソル・ギョング)、男優助演賞 (ホ・ジュノ)、美術賞(キム・ボムク)、韓国映画最多観客賞を受賞。
2021年の第30回 釜日映画賞にて、最優秀作品賞、男優助演賞(ホ・ジュノ)、脚本賞、撮影賞、音楽賞、男子今年のスター賞(チョ・インソン)を受賞。
2021年の第41回 韓国映画評論家協会賞にて、監督賞、男優助演賞(ホ・ジュノ)、撮影賞、音楽賞を受賞。
2021年の第8回 韓国映画制作家協会賞にて、作品賞、男優助演賞 (ホ・ジュノ)、撮影賞、照明賞、美術賞、技術賞を受賞。
2022年の第20回 ディレクターズ・カット アワーズにて、特別な友だち賞(リュ・スンワン)を受賞。
2022年の第33回 パームスプリングス国際映画祭にて、ローカル審査委員賞(リュ・スンワン)を受賞。
2022年の第42回 ファンタスポルト国際映画祭にて、オリエントエクスプレス-作品賞(リュ・スンワン)を受賞。

 

モガディシュ 脱出までの14日間 - 映画情報・レビュー・評価・あらすじ | Filmarks映画

모가디슈 | 다음영화

모가디슈 - Movies on Google Play

실화를 바탕으로 한 모가디슈, 이 영화가 훌륭한 이유 - 오마이스타

Escape From Mogadishu | Flixster

 

 

撮影場所は、西アフリカ、モロッコ、エッサウィラだそう。

当時、北朝鮮大使館は政府軍、反政府軍の両方から12回の襲撃を受け、めちゃくちゃに破壊されたそう。

このモガディシュからの脱出の実話は、韓国でも長く知られていなかったそう。
韓国大使が北朝鮮大使たちを転向者と偽ったこと、北朝鮮大使が韓国側に助けられたことは、互いにとって、不利な情報だったし、北朝鮮は外交官や大使の身内をひとり必ず本国に残させてもいたから。

30年以上にわたって無政府状態ともえいるソマリアでは撮影が不可能なため、撮影のほとんどは、モロッコで行われた。
米海軍の記録や国内外交協会の記事、ソマリア国営テレビまで残っている資料を徹底的に調査し、当時、ソマリアで使われていた銃器の種類も調べ、再現している。

 

 

 

 

ややネタバレ。

実際の当時の大使のソン・シンソさんが、実際の事件を小説化したものがある。
これを基に、北朝鮮部分を加えて、オリジナルとして映画化したそう。

 

 

 

 

 

 

 

ネタバレ。

少年兵の怖さが尋常じゃないです。

 

食事シーンの素晴らしさたるや。

 

 

 

 

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