一期一会

日々是好日な身辺雑記

南牧村キャンプ

2012年07月21日 | 山登り


赤岳を下山し、登山口の美濃戸に着いたところで晴れ間が出てきた。
横岳と硫黄岳行きを断念したことで、予定より2時間程早く下山したので、
当初予定していた八ヶ岳裾野の立場川キャンプ場をやめ、
相棒のゲンちゃんが前に行ったことがあるという群馬県の南牧村キャンプ場に変更し、車で向かう。
長野県の佐久の近くに南牧村(みなみまきむら)があるが、こちらは(なんもくむら)である。
途中、野辺山の近くで蕎麦を食べキャンプ場に15時半頃に着く。
長期滞在用のコテージやバンガローが中心の白樺の木に囲まれた綺麗なキャンプ場だ。
まだ夏も本格的になってないからか混んでいない。
早速テントを二つ張り、折り畳み式のテーブルや椅子をセッティングする。



暫くして5時からオープンするキャンプ場内のお風呂へ行く。
沸かし湯ではあるが、浴槽も大きく、傾斜に立っているので全面がガラス張りで、
そこから見える山並みが素晴らしい。
風呂から上がって缶ビールで乾杯。ツマミもナッツ、チーズ、サラミとテーブルに広げられる。

キャンプに関わるアルコール類、ツマミ、食材は全て彼が準備・持参し、後で精算するのだ。
アイスボックスや食器、キャンプ道具一式も含めてなので大変だ。
それと(シェフは二人いらない)との彼の言葉に従い、料理作りもお任せだ。
最初のビールを飲み終えたら、(もう一本どう?)と彼、(えっ!)と言いながらも付き合う。
普段、外で彼と飲んでもビールは一杯だけなのだ。それも飲み終えたら(次はワインにする?)と、またまたオススメ。
(食事前にこんなに飲んだら・・・)と言うと、(焼酎もあるから)と、
そういう意味ではなく・・・と思いながらも白ワインに移る。
身長180cmの大柄な彼はアルコール摂取許容量も違うのだろう。
いつも休日の夕食はビールやワインを飲みながら作るという彼。
今でいう(育メン)で、料理は年季が入っており、お手のもの。
ワインを飲みながらハンバーグ付きナポリタン、ジャーマンポテトという
ジャガイモとベーコンとタマネギを炒めたもの、
彼が家の裏庭で作ったキュウリ、トマトを使ったサラダを手際よく作った。
夕食の準備が終わった頃にはワインも空いて、焼酎に。
そんな夕食も満腹と、もう飲めないという状態で20時に終り、昨夜と同じくバタンキューと眠りにつく。



翌日は大きな蝉の鳴き声で4時に目が覚める。隣のゲンちゃんのテントからはイビキが聞こえる。
しばらくして寝袋から抜け出しキャンプ場を散歩。
5時には彼も起き、コーヒーを淹れる。起きて直ぐには食欲がわかないということで、
ウグイスの鳴き声を聞きながらコーヒーを飲み、まったりとした時間を過ごす。

1時間位そんな時間を過ごし、朝食の準備。ここでも(シェフは二人いらない)で、
(ラジオでも聞いてて)との彼の言葉に従う。何故かいつも(わたし食べる人)の立場になってしまう。
朝食はハムエッグとサラダにフランスパンとコーンスープ。そして私が持ってきたオレンジ。
このキャンプ場は山の傾斜にバンガローやコテージが建っており、
その間に少しテントサイトがあるという造りになっている。
我々のテーブルの下方が一家4家族でのバンガロー泊りの人達。
朝食はリゾットと味噌汁らしく、皆が美味しいを連発。
それを聞いていたゲンちゃん(リゾットも良いな)と。この探究心が料理上手になるコツか。

そんな朝食を済ませ、キャンプ場を出発したのが9時。
一般道を通り寄り道をしながら帰ろうということになる。南牧村は日本一の過疎地らしく、山間部の集落を通ると、
人の住んでいない廃屋の古民家が何軒もある。
彼と私の共通の関心事というか夢は「古民家での田舎ぐらし」なのだが、
ここ南牧村は色んな意味で住むには厳しそうである。

途中「道の駅」で野菜をお土産に買ったりしながら、上野村に向かう。
上野村は1985年{昭和60年)8月12日に日航ジャンボ機が墜落し、520名の方が亡くなった場所だ。
墜落現場の御巣鷹山から少し離れた場所に「慰霊の園」がある。
そこには合掌をイメージした高さ11mの慰霊塔と、
その後ろに身元の確認出来ない遺骨が123個の骨壷に入って納められている納骨堂がある。
線香をあげ、犠牲者の御冥福を祈る。

その納骨堂の前の石碑に犠牲者の名前刻まれている。
この事故で亡くなった(上を向いて歩こう)の歌手坂本九の名前を探したが見当たらず、
園内を歩いているうちに本名の(大島)を思い出し、再度戻り確認したら[大島 九(ひさし)]があった。
どういうわけか本名を覚えていたのは、小学生の頃の大人気歌手だったからだろう。
園内に遺族の句碑も立てられていた。その中に次のような句があった。

「空にちる 末子思えば 我悲し 不滅の命 生みおかずして」



この後、同じ上野村にあるリゾートエリア「天空回廊」に寄る。
ここにはバンガロー、森林キャンプサイト(まほーばの森)と川和自然公園を結ぶ
長さ225mの吊り橋がかけられている。
高さ90mのこの吊り橋から眼下に見る渓谷と森林の景色は素晴らしい。

ここで30分程過ごし、十国峠を抜け秩父の小鹿野町に出ることにする。
ここに彼が前に行った美味しい蕎麦屋があるということで、そこで昼食を取ることに
する。



その蕎麦屋(そば切り場 しのうち)は町から少し離れた場所にあり、普通の民家風な畳敷きの店内だった。
満席で暫く待つことになる。

彼は(おろし蕎麦)私は(天ぷら蕎麦)を食べる。確かに美味しい!
天ぷらも海老2本、イカ、野菜5種類と盛り沢山であったが、こういう美味しい蕎麦は
ザル蕎麦でも天ぷら蕎麦でもなく(もりそば)で蕎麦そのものを味わうのが良いのだろう。

さて、これから梅雨が明け本格的な夏になりそう。
海へも行きたいし、テニスで汗もながしたい。
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