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一期一会

日々是好日な身辺雑記

アエロフロートでモスクワ経由ウィーンへ

2019年09月13日 | 旅行


昨日は日経新聞主催のウェスタ川越大ホールで行われた新日本フィルハーモニー交響楽団のコンサートに行ってきた。
フジ子・ヘミング、川井郁子、五嶋みどり、寺井尚子、沖仁、村治佳織などのリサイタルには
何回か行ったが、フルオーケストラのコンサートは初めてだった。
近隣の市でのコンサートは独奏会が多いのは、出演料という経費の点からなのだろうか?
今回は(日経新聞ご愛読者キャンペーン2019)と銘打った演奏会で、料金も全ての座席が抽選の¥3,800というものだ。
この料金は、この日の日経夕刊に載っていたサントリーホールでのチェコ・フィルのS¥22,000、A¥18,000と比べると格安だ。
メールで案内を見た時にはヨーロッパ旅行の前夜という事で迷ったが、
新日本フィルでプログラムにスメタナの(モルダウ)があったので応募した。
スメタナの連作交響詩「我が祖国」の第2曲(モルダウ)は、プラハのカレル橋から見た雄大な流れの川(モルダウ)チェコ名(ヴルタヴァ)を思い出し、
その哀愁漂う曲調が好きで、カラヤンとウィーン・フィルの演奏を毎日のように聴いている。
5月にプラハマラソンに出場した飲み友達のIさんが、スタート地点の旧市街広場でこの(モルダウ)が流され聴いた時は感激したと言ってたが、時計塔や教会の歴史的建築物のある広場で聴いたら、それは感激するだろうと思う。
その他にドヴォルザークの(謝肉祭)、ブラームスの(ハンガリー舞曲)は第1番と第6番が演奏されたが、
知っているのは第5番だけという、にわかクラシックファン振りで、
ベートーヴェンの(運命)も40分の演奏だったが、聴いた事があるのがあの(ジャジャジャジャーン)の
第1楽章だけという、知識の足らざるを自覚する夜だった。



そのコンサートから一夜明け、今日は8:15に家を出て、日暮里から京成に乗り成田空港に向かった。
7:00発の高速バスがあったが、NHK BS の朝ドラ(おしん)と(なつぞら)を見るために電車にした。
飛行機は成田発12:15のモスクワ経由ウィーン着21:55のアエロフロート便で、
前述のIさんが5月に利用した同じ便で、その経緯は前に(アエロフロート)という題でこのブログに書いている。

モスクワまでの10時間の飛行は、映画は字幕付きも無く、言語選択はロシア語、英語、中国語といういかにもアエロフロートらしいものだったので、持参した中野孝次の(清貧の思想)やNHK囲碁講座を読んだりしていた。
中野孝次の本は本棚に数冊あり、今週は(閑のある生き方)と(風の良寛)を読み返し、20年前に読んだ(清貧の思想)を持ってきた。

アエロフロートのCAのユニフォームは赤に近いオレンジ色だったが、あれはソ連時代の名残りか?
ただサービスは意外と細やかで、アメリカの航空会社のCAと比べて(おもてなし)に近いもので、トイレ掃除を頻繁に行っていた。

(日本時間14:00の昼食 白身魚とイカのソテー)



(日本時間20:00の夕食 牛肉のソテーとパスタ)



運動もしないで座りっぱなしなので腹も空かず、どちらかと言うとパスタよりざる蕎麦という感じだ。
勿論、ワインやビールなどのアルコールは飲まず、炭酸水やジュースでの食事だ。

モスクワには予定通り現地時間16:20に到着し、ここで同じアエロフロート便のウィーン行きの便に乗り換えるのだが、パスポートコントロールとセキュリティチェックの所で時間がかかった。
セキュリティチェックをするゲートの数も少ないし、整列の誘導するわけでもなく、非効率的な運用で、これも共産国家時代の名残りかと思うくらいだ。

モスクワは初めてだが、出発ロビーは他の国と変わらないが、リカーショップのウオッカの種類が多いのと、カプセルホテルがあり中国友好と書いてあったのが、マルクス兄弟国家の名残りを感じたくらいだ。
20:00発のウィーン行きまでの待ち時間は、iPhoneアプリの数独をして過ごす。
機中ではサンドイッチとリンゴが飲み物と一緒に配られたが、日本時間3:30という事もあり、食べずに持ち帰った。







ウィーン空港には予定通り22:00に着き、入国手続きもスピーディーに済み、スーツケースも直ぐ出て来て懸念していたロストバゲッジも無くて一安心し、空港を出て直ぐのNHホテルにチェックイン。
大きなホテルで部屋もアップグレードしてくれたという事で広くて良い部屋だ。
現在日本時間で14日(土)の朝6:10、家を出てから22時間が経っている。
これで明日からブタペスト→ウィーン→ミュンヘンと10日間の旅が始まる。

墓参旅行 (小諸、池の平湿原)

2019年08月06日 | 旅行


先週末2日(金)、3日(土)と一泊で小諸のお墓参りにカミさんと娘、義妹と姪と行ってきた。
ここ数年二泊での旅行だったが今年は一泊で、姪が運転免許を取ったことから2台に分乗してのドライブで、
姪は初めての長距離・高速道路運転となったが、アクセルとブレーキを間違える事もなく、なかなか安定した運転振りだった。

お墓参りの後は、墓守りをしている従弟の家に寄っているが、今回は都合が合わず寄らずに、昼食の蕎麦を食べた後は、小諸の街をブラリ歩きをする。
小諸には40年くらい夏の墓参りに来ているが、昔と比べると駅前の商店街の賑わいが無くなっていると感じるが、日本の地方都市で起きている高齢化と、
新幹線の軽井沢の次の停車駅が佐久になった事も一因なのだろう。
そんな小諸の町おこしで江戸時代から昭和初期の商家・蔵の町並みや、島崎藤村や高浜虚子ゆかりの建物を観光資源としている。
骨董屋や紙の店などを覗いた後で、味噌と醤油の醸造元だった建物を生かし、地区のコミュニティー施設になっている(ほんまち町屋館)に入り、
2Fのギャラリーを見物したら明治時代の商家の案内図があり、そこにカミさんの曽祖父の名前と染物屋としての屋号が載っており、
私以外は血のつながりのあるルーツなので、思いがけないファミリーヒストリーの様な発見に感激の様子だった。

(ほんまち町屋館)







小諸町並み散策の後は、自然散策をしようと車で40分くらいの高峰高原に行くが、標高2000mくらいまで来ると雨降りになって、
高峰高原ホテルのカフェで雨が止むのを待つが、止まないので自然散策を諦めこの日の宿(布引温泉 こもろ)に向かう。
昔は夏の墓参りは最低でも10人という人数だったので、簡保が運営していたこのホテルを利用していたが、
今は民間になり2階建ての施設にエレベーターが付いて、正に高齢化を象徴するような改装がされていた。
カミさん達は早速風呂に行くが、私の方はいつも通り16:00からのNHK BSのワールドニュース アメリカを見ていた。
この日のトップニュースはトランプの中国への追加関税実施の声明だったが、このニュースを受けて2日(金)の東京株式市場は453円安となった。
早朝の日経電子版の速報でこのニュースを見てから大幅安を予想し、娘の運転なので9:00からスマホで株価の動きをチェックしていた。

そして温泉に来た時の習慣である風呂上がりの一杯を、義妹達が持参した軽井沢の地ビール6缶で始まる。
カミさんも娘も酒は弱いし、私もビールはそんなに飲まないので、風呂上がり一杯が6缶というのは、よく飲むなぁと感心する。
夕食は郷土料理会席というコースで、名物の鯉のあらい、鯉の旨煮を食べ、ワイン2本を飲み、笑いの絶えない賑やかな夕食だった。





翌日は車で30分の池の平湿原へ行き、1時間半の遊歩道を歩き、高山植物はニッコウキスゲとアヤメくらいだったが、
快晴で気温17度の標高2040mの高原歩きは気持ちが良かった。
高原歩きの後は道の駅 雷電くるみの里に寄り信州野菜の買い物をし、遅めの昼食は小諸に来た時は必ず寄る中軽井沢の(追分そば茶屋)で取る。
信州旅行の楽しみの一つがこの蕎麦を食べる事で、やはりここの蕎麦は美味しい。
帰りは軽井沢のアウトレットに寄るが、断捨離、ミニマリストとしての生活を実践中なので、特に買いたい物は無かった。





話は変わるが昨日の東京株式市場は金曜日に続いて366円安となり、週明けのNY市場の株価が気になり、
3時半に目が覚めた時にそのまま起きてしまい、NYダウをチェックしたら890ドル安という大幅な下げだった。
終値は767ドル安という今年最大の下落で、これを受けて今日の東京市場も大幅な下げとなるだろう。
8月、9月は夏枯れのボックス圏相場と、ヘッジファンドの売りでの10月末頃の下げを想定していたが、
どうもその予想に反して大きな下げ相場となりそうだ。
先週はQ1の決算発表があったが、中国設備関連銘柄のファナックやキーエンス、オムロンなども減益決算となり、
トヨタも想定為替レートを110円から106円に変更し、業績も下方修正となった。
ディフェンシブ銘柄のバイオベンチャー、情報・通信、サービスの小型株にシフトしていたのは正解だったが、
塩漬け状態の半導体装置メーカーSCREENのQ1決算は大幅な減益決算で、通期業績予想も減益となった。
まぁ半導体はシリコンサイクルの需給関係での株価形成で、5Gやクラウドサービスなどで需要が減る事はないので、覚悟を決めて待つだけだ。

そんな株価変動に一喜一憂しても仕方ないので、今日は午前中は日課のジョギングをして、シャワー浴び昼食を食べてから、じっくり株価チェックをしよう。

高台寺から三十三間堂へ

2019年06月06日 | 旅行


昨日は15:00頃のリムジンバスで伊丹空港に向かう為に、京都駅近くのエリアの高台寺、三十三間堂というプランを立てた。
動線からすると清水寺もセットのようなものだが、修学旅行生や中国人ツアー客で混雑しているだろうと除外した。
今回の旅行では混雑と京都の夏の暑さは覚悟していたが、混雑は金閣寺と嵐山の竹林の道以外は気にならなかった。
どうも隣国の人達はインスタグラム流行りのせいか、ポーズをとっての写真撮影が多く、その間を通るわけにもいかず、
待つことになるのだが、ポーズは正面気を付け姿勢と決めて、素早くシャッターを押すという風にいかないものか。
暑さの方はまだ6月上旬のせいか全く気にならず、東京の方が暑いように感じた。
いづれにしても、京都の寺巡りは寒さが厳しくても1月から2月頃がベストだろう。
花見小路、石塀小路と歩いて高台寺に向かうが、朝早く人通りの少ない京都の町をのんびり歩くのは気持ちが良い。

(石塀小路)





高台寺には受付5分前に着いたので、修学旅行生5人のグループだけだった。やはり中学生は早起きだ。
まぁ、修学旅行も授業の一環という事なのだろう。
高台寺は豊臣秀吉歿後その菩提を弔うために北政所(ねね)が開創した寺である。
小堀遠州作による庭園や、まさに侘び寂びの茶席とも言うべき利休の意匠による茶室や、
北政所が埋葬されている霊屋など見所が多く、そんな高台寺を静けさの中でゆっくり廻れた。

(ねねの道)



(観月台)





(枯山水庭園)



(茶室・傘亭)



(茶室・時雨亭)



(竹林)





高台寺からは二年坂を通り八坂の塔から東大路通に出て、歩いて三十三間堂に向かう。
三十三間堂は初めて訪れるが、驚いたのはその仏堂の長さだが、なんと121mあるそうだ。
開基が後白河上皇で、本堂は854年前に作られた後白河上皇の仏堂が元の建築物だというから凄い。

121mという総檜造りの法堂そのものが国宝であり、その中にズラッと並んだ1,001躰の千手観音立像は圧巻だ。
中央に鎮座する千手観音坐像、雷神・風神像、二十八部衆立像など全てが国宝であり、観て廻るのに1時間近くかかった。

(三十三間堂)



三十三間堂見物は昼を過ぎ、ランチは図書館で借りた旅雑誌(マップル)に載っていた甘味処(梅香堂)の
小倉クリームパンケーキにしようとその店を探した。三十三間堂から歩いて8分くらいの所に店があった。
パンケーキ2枚の上に乗ったタップリのあんことクリームという迫力のあるもので、(梅香堂)で検索すると見れる。



店に入り注文すると、小倉クリームパンケーキは5月までという事で残念ながら空振りだったが、
代わりにミルク金時アイスを注文する。昼食としては変なモノだが夕食が早めになるのでと納得する。
なにせ甘い物好きの原点は練乳とあんこなので、このアイスは量も味も申し分なかった。
小倉クリームパンケーキは先代から作っているという事だった。



京都駅で土産を買った後は時間が余ったので、駅近くの西本願寺へ行ったが、世界遺産である本堂も
今現在の宗教施設という感じで、歴史的・文化的な感じはなくてピンとこなかった。
15:00発のリムジンバスに乗り、伊丹空港で早めの夕食にカレーを食べ、17:25発の便で帰路につき21:00前には家に着いた。

今回の旅行は海外からの旅行客に人気の伏見稲荷大社などを外したが、予定していた詩仙堂、仁和寺、妙心寺に行けなかった。
次は真冬の静かな時期にお寺巡りをしたいものだ。




宇治平等院へ

2019年06月04日 | 旅行


京都観光3日目の今日は、混み合う前にと思い昨日と同じくNHK BSの朝ドラを見た後にホテルを出た。
朝食は昨夜コンビニで買っておいたサンドイッチ、ヨーグルト、野菜ジュース、部屋にセットしてあるコーヒーで済ませた。
いつもはBS東京の株式・経済番組を見ながら6:00頃に食べているので、8:00頃まで待てない。

花見小路通をぶらり歩きしながら建仁寺に向かうが、さすがに祇園の朝は人通りも少なかった。
(歴史的景観保全地区)に指定されている祇園町南側の花見小路は、石畳の通りに茶屋や料理屋や立ち並ぶ風情ある景観だ。

(花見小路通)





建仁寺に着いたのが9:00頃だったが、修学旅行生の5、6人のグループがチラホラと見えた。
年寄りと中学生は朝が早いのだろう。今回の旅行で気づいたのは今の修学旅行は大型バスではなく、
貸切タクシーに分乗し、運転手さんがガイドとなって案内するようだ。時代とともに旅行のスタイルも変わるのか。

建仁寺は一番古い禅寺で京都五山の3位に列せられ、開山は臨済宗の開祖栄西で、曹洞宗の道元も初めはここで学んだ。
国宝の俵屋宗達の(風神雷神図)など多くの文化財を保有しており、天井画の「双龍図」は創建800年を記念して、
日本画家の小泉淳作が描き、CSR活動の一環として横河電機が奉納したもので、鎌倉の建長寺の「雲龍図」に次いでの奉納だ。
その関連会社に48歳から定年までの12年間勤め、ユーザー会で取引先を建仁寺に案内した事もある。
そんな建仁寺だが今日、明日と本山開山忌法要の為に拝観休止となっており、仕方なく境内見物だけとなった。

(建仁寺法堂)



(建仁寺三門)



(建仁寺開山堂)



建仁寺の後は京阪電車に乗り宇治平等院に向かう。高校の修学旅行と20代の時に訪れた以来なので随分久しぶりだ。
受付で拝観料600円を払ったら、現在橋の修理中の為、鳳凰堂は入れませんとの一言。
国宝の阿弥陀如来坐像と二重天蓋が見れないという、建仁寺に続いてのツキの無さ。
ただ様々な宝物が展示されている博物館の(鳳翔館)は素晴らしかった。
鳳凰一対、檜一材で彫った伝帝釈天立像や、雲中供養菩薩像26躯は見事なものだった。

(宇治平等院)





昼食はサイゼリアのスパゲッティで済ませ、京阪電車の乗換駅の中書島で下車し、伏見の船宿寺田屋に向かう。
司馬遼太郎の「竜馬がゆく」の重要な舞台となり、その女将の寺田屋お登勢と坂本竜馬との交流も描かれていた。
「竜馬がゆく」は高校生時代に初版本で読み、2年前に息子の本棚にあった文庫本を読んだが、幕末の動乱を描いた名作だ。
寺田屋は薩摩藩士の同士討ち事件や坂本竜馬襲撃事件の舞台で、のちに竜馬の妻になるおりょうが、
風呂から裸のまま駆け上がり、竜馬に危機を知らせたという逸話は竜馬のドラマには必ず出てくる。
NHKの大河ドラマ(龍馬伝)では福山雅治が坂本竜馬に扮しているが、イケメン過ぎてイメージが違う。
写真が残っているのでそのイメージが強い、まして武田鉄矢ではなく、背丈がもう少し高いのだ。

(宇治川派流)



(寺田屋)



(竜馬の部屋)



(風呂場)



(おりょうが駆け上がった階段)



京都駅でお土産を探した後はホテルに戻り、大浴場に入り部屋で一休みし、日経新聞電子版や株価チェックで過ごす。
夕食はカミさんが調べてくれた一人呑みおススメ居酒屋リストから、京都大丸の横道を入る(さかえ庵)に行く。
この店はホテルのおススメMapにも載っており、旅行に来る前に(鳳凰美田が飲める店)で検索したらこの店があった。
この酒のワインのようなフルーティな味わいが好きだが、それぞれ好みがあるようで日本酒好きでも首を傾げた人もいる。

店に入りカウンターに座ると、目の前にズラッと焼酎と日本酒が並び、メニューも品数が多く酒に合うものだ。
そんな中から生ビールの小グラスとホテルイカの酢味噌和え、鴨ササミの炙り刺しを注文する。
日本酒もシャンパングラスで出され、鳳凰美田を呑み、そしてなかなか飲めないグラス一杯1200円の十四代を呑み、
肴も京湯葉刺しを追加し、〆はざる蕎麦という満足の夕食だった。












日本酒の品数も多く、肴も日本酒に合うもので、店の作りもこじんまりして居心地が良く、おススメの店だ。



新緑の嵐山・嵯峨野へ

2019年06月03日 | 旅行


京都観光2日目は嵐山・嵯峨野を廻るので、NHK BSの朝ドラ(おしん)と(なつぞら)を見てからホテルを出た。
今回の旅行で混み合う前の朝一番で拝観しようと思っているのが、天龍寺、龍安寺、建仁寺の三つの寺で、
今日は天龍寺へ行く為に、嵐電嵐山本線の四条大宮駅に歩いて向かう途中で、ホリーズ・カフェという店が目に入った。
モーニングが粒あんトーストセットという初めて目にするもので、流石に朝からあんこはマズイかと行き過ごしたが、
1日歩き廻る事だし、また話のタネにと興味のままに戻って店に入ると、欧米人だと思われる客で賑わっていた。
さすがに粒あんトーストは食べてないようで、サンドイッチか惣菜パンのようだ。
食べた感想は、粒あんとトーストというのもそれなりの味わいはあるが、粒あんには白玉か餅が合うようだ。



(渡月橋・天龍寺)

渡月橋は平安時代に桂川に架けられた木造の欄干の全長155mの橋で、桜と紅葉の名所だ。
天龍寺は南北朝時代に吉野で亡くなった後醍醐天皇の菩提を弔うため、足利尊氏が創建した京都五山第1位の臨済宗寺院だ。
天龍寺の開山は庭造りで禅を芸術化としたと言われる夢窓疎石で、大方丈の裏手に広がる曹源池庭園は、
嵐山を借景に池を中心とした自然美溢れる庭だが、iPhoneではその風景が伝わらないので広角が必要だ。







(落柿舎)

天龍寺の後は竹林の道を通って、松尾芭蕉の弟子・向井去来の別荘としての草庵・落柿舎へ廻る。
松尾芭蕉もここに1ヶ月近く滞在して「嵯峨日記」を書いたという。
茅葺屋根のこの庵には他に観光客もいなくて、静寂の中に鹿威しの音が響くという風情ある場所だった。







(祇王寺)

祇王寺は落柿舎から10分くらいの所にある草庵で、「平家物語」にも出てくる平清盛の寵愛を受けた
白拍子の祇王が清盛の心変わりにより都を追われるように去り、母と妹とともに出家した尼寺である。
清盛が同じ白拍子の仏御前に心を移した為に祇王が追われるのだが、その時に襖に一首書いたのが、
「萌え出づるも枯るるも同じ野辺の草いづれか秋にはあはではつべき」だ。
仏御前が清盛に愛され、自分が捨てられるのも、所詮は同じ白拍子、清盛に飽きられないでいられるか、
という意味合いなのだろうが、この歌のように仏御前も出家し、同じ祇王寺に隠棲する事になる。
仏間には祇王、母刀自、妹祇女、仏御前の木像が安置されており、祇王寺の庭には墓石もある。
自分の気持ちを歌で表すというのも平安人の雅やかさである。また祇王寺の緑の苔庭も素晴らしい。







嵐山・嵯峨野での予定のお寺を3時間で廻り、来た道を戻ると観光客が増え、竹林の道はポーズを取って
写真を撮る外人観光客で賑わい、トロッコ列車に乗り遅れた為に予定を変更し、金閣寺エリアに向かう。
予定ではトロッコ列車で保津川を渡り、渓谷を散策しようと思っていたが、次の列車が1時間待ちになり計画変更。

龍安寺から金閣寺と廻るが、どちらも多勢の観光客で賑わっていたが、比較的龍安寺の方が落ち着いて
枯山水の庭を楽しめた。
龍安寺には方丈庭園の反対側に手水を使うつくばいがあり、中央に四角く水を溜める穴があり、
それを口に見立て、上から「口」を付けて読むと「吾唯足知」(われ唯だ足るを知る)となる。
いかにも禅寺らしい味わい深い言葉で、このような信条で生活したいものである。

(龍安寺)







(富川御膳)



(金閣寺)



(大徳寺・瑞峯院)







龍安寺を出た所にある富川という漬け物の店を覗いたら、店の端の方で御膳を食べられる様なのでそこで遅めのランチを取る。
これがなかなか美味しく、朝の粒あんトーストをカバーする京都らしい食事で、えのきと豆腐の味噌汁も
出汁がきき、綺麗に盛りつけられたお新香や昆布とヒジキ煮、だし巻き玉子と全て美味しかった。
永平寺の修行僧の食事作法を思い出し、米粒一つも残さず食べ終えた。永平寺では日常生活が細かく規定されているのだ。
この後大徳寺に廻り、16:30頃にホテルに戻りシャワーを浴びて暫く休んだ後に夕食は大戸屋へ。
初めて入ったが一人旅の食事にはピッタリで、定食の他にサイドメニューもありバラエティに富んでいる。
昨日目に付けておいた野菜補給のバジルチキンサラダ定食にひじきの煮物とカボチャのコロッケを付け、
五穀米の食事に何となく健康的な気がして満足。味そのものは私でも作れるものだが、バランスが良い食事が取れる。



今日はよく歩いた一日だった。明日は朝一番で建仁寺に行き、その後に宇治平等院に廻る予定だ。