女ひとり、歳をとる。

お金なしの60代、犬2匹と同居中。

名残の桜。

2019-04-08 22:32:21 | 日記

15年ぐらい前の春、友人たちと3人で、

友人の家の近くの桜を自転車で廻ったことがあります。

そのあたりは大きな家の多い住宅街で、

大きな公園もあり、

たくさんの桜のを見て感激したわたしは、

「桜の花に囲まれて死にたい」

と言うと、

「それって西行の歌にもあるんだよね」

と友人。

西行の歌のことなど知らなかった無教養のわたしは、

昔の人の心と現代人の自分の心に、

同じような思いがあることに、また感激しました。


Kちゃんは地元のランニングクラブに所属しています。

その仲間♂がステージ4の癌になって4年目になるそうです。

今年の3月に開催された東京マラソンに参加しましたが、

走るのが辛くて5㎞歩いてリタイヤ。

おととい彼はランニング仲間と、近くの公園にお花見をしました。

声が出ず、顔がむくみ、足がしびれ、腰の痛みが酷かった・・・。

そんな状態なのに、仲間たちとお花見をする彼の気持ちは、

西行の歌の思いと通じるような気がします。


そしてきのう、近郊でマラソン大会がありました。

そのマラソン大会は、桜並木と菜の花が美しいコースの大会です。

参加するランニングクラブの仲間を応援するために、

その彼もクラブの貸し切りのバスで一緒に出かけたそうです。

走ることが好きでずっと走ってきた、

自分が走れなくても仲間を応援したい、

来年のこの大会には来られないかもしれない、

桜の美しいこの大会に・・・。

そう彼は思っていたのでしょうか。


わたしならどうするか。

自分が死ぬときはどんなだろうと考えることがあります。

だから、Kちゃんから聞いたその仲間のことを、

まるで自分のことのように感じました。


あした雨が上がっていたら、桜並木の散歩コースを歩いて、

今年の桜を心に焼き付けておこうと思います。