物部の森

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日記風に書いてます。

【書籍】原発のウソ

2011年07月08日 | Weblog
 『原発のウソ』(小出裕章著、扶桑社新書)を読む。

 この本に書かれていることがすべて事実なら、もう日本のみならず世界中で原発を推進してはならない、という結論に達する。
 福島第一原発の「進むも地獄、退くも地獄」の膠着状態、なんとなくボンヤリしか分かっていない放射能や放射能汚染のこと、当然そうだと思っていた原発の常識が実は非常識だったこと、原子力・原発に関する未来展望などが、非常に分かりやすく書かれている。
 原子炉の熱のうち電気エネルギーのなるのは全体の1/3で、残りは海水で冷却し、結果7℃温度が上昇した海水が海へ戻される。それにより日本近海の水温は上昇し、地球温暖化を促進する、なんて話は全く知らなかった。
 今後どうすればいいのか。まずは原発を即刻全部止める。次に火力発電所の設備稼働率を上げる。現在火力発電所の稼働率は48%。稼動率を7割まで上げればそれで十分間に合うらしい。そうして我々人類はエネルギー消費を抑えながら、代替エネルギーの開発と普及に努めるべきと主張する。
 それにしても、原発を即刻全部止めるなど不可能な話。狂信的すぎる。長期的な視点で、どうソフトランディングさせていくかを考える方が現実的だ。
 本書は最後「知足」という言葉で締めくくられる。「足りてることを知ること」。デマンドサイドの意識改革も必要不可欠である。
コメント
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